見出し画像

ザ・ビューティフル・ゲーム〜日生劇場に小瀧望が帰ってきた〜

小瀧望の初ミュージカルとなったザ・ビューティフル・ゲーム(以下TBG)。
日生劇場で5回観劇させていただいたので、TBGの世界と、それを観て感じた想いを綴ります。

2023年1月のミュージカルでしたが、noteでの投稿が11月になるという、、私の怠惰な性格が出ちゃってます。すみません。
観劇した方はこのnoteで記憶を呼び起こしてもらえたら嬉しいですし、観劇できなかった方はこんな感じだったんだな〜と想像を膨らましていただけたらと思います。

では、よろしくお願いします。


まずは備忘録も兼ねて、TBGの話の筋を覚えてる限りで綴ります。
記憶を頼りに書いてるだけなので、セリフは一言一句同じではなく、あくまでニュアンスです。
細かい部分は端折っていますし、ストーリーや演出は前後していたり、誤っているところがある可能性もおおいにあります。ご了承ください。

TBG1幕

1969年ベルファスト。
第1幕ではサッカーチームの栄光と、争いに侵食されていく町が描かれます。

オープニング

始まりは音声で流れるニュースの放送。
過激化するカトリックとプロテスタントの抗争。
そこに介入するイギリス軍について、カトリックからは占領だと批判の声が上がっている旨。

広場(舞台上大きな岩の壁の前)でサッカーボールを蹴っていた青年たちもカトリックとプロテスタントで争いになり、軍に制圧される。

ベルファストの日常が争いに侵食されていっていることがわかる描写です。

サッカーシーズンの始まりと写真

岩の壁が後ろまで下がり、始まる楽曲『ビューティフル・ゲーム』
サッカーチームの青年たちとそれを応援する少女たちが登場し、声を揃えて歌う。
ジョンも真ん中で登場。曲の途中でサッカーシーンあり。

オープニングの不穏な雰囲気と打って変わって、華やかで明るい雰囲気。
小瀧望演じるジョンはスター選手らしい華やかさとこれからへの希望に満ち溢れた表情をしています。たくさんの人が集まる場面でもジョンはすぐ見つけられる。そのくらいの華がありました。

サッカーはダンスで表現されていますが、スローモーションの動きなどを取り入れながら、うまく表現されていて面白かったです。
小瀧望はサッカー経験者でかなりの実力者。ジョンがエース選手であることに説得力のある動きでした。

ピーというホイッスルの音を鳴らしオドネル神父が登場。整列したチームメンバーをひとりひとり呼んで言葉をかけていく。最初に声をかけられたジョン。
オドネル「お前がよだれを垂らしている相手はあのメアリーマクライアーか」
ジョン「はい、、、いえ、よだれは垂らしてません!」
メアリー「だとしたら喉を引きちぎってやります!」
女にうつつを抜かすな、と叱られ、オドネルから罰としてこのあと靴磨きをするよう命じられるジョン。

メンバーの笑い声に溢れ、明るい雰囲気。
ジョンが女性に興味を持っている普通の活発な青年だと伝わってきます。

その後オドネルは、トーマスにはメガネをテープで止めたか確認し、ダニエルにはお前が盗人なのは事実なのだから盗人だとなじられても手を出さないよう忠告し、ジンジャーには相手選手の盾になるよう伝える。ジンジャーはサッカーが下手だが、ガタイはいいのだ。

そして、カトリックが集まるこのチームでただひとりのプロテスタントであるデルにオドネル神父はこう声をかける。
「お前はプロテスタントだ」
「僕はサッカー選手です」
「相手チームから腐れプロテスタントのオレンジ野郎となじられたらどうする。人間はみな神の子だと言いなさい」

そして、オドネル神父がチームに問う。お前たちが神について覚えておくべき3つのこととはなんだ。

その壱「神様はアイルランド人です!」
その弐「神様はカトリックです!」
その参「神様はビューティフルゲームをします!」

チーム声を揃えて唱え、盛り上がる。

ここの声の揃い方は迫力がありました。
ジョンがその参のビューティフルゲームをしますの部分で内なる興奮をニヤリと表情に出した回があったのですが、その表情がたまりませんでした。

オドネルが写真を撮ろうといってチームの写真を撮る。
男性陣がサッカー練習を行う中、女性陣の歌『写真の中の少年たち』が響く。
オドネルはチームにこんなメッセージを贈る。
「この写真を1枚ずつ持ってなさい。憎しみに溢れた世界だが、堕落するな、負けるな。青春時代の約束に忠実であれ。この写真を見れば自分が何者であったか思い出せるだろう。この写真に写っているお前が本当のお前だ。どんな大人になるかはお前たち次第だ」
チームメンバーが捌けて、再び女性陣の歌『写真の中の少年たち』が響く。

雑用はうんざり、メアリーとの恋

ロッカールーム。メンバーから靴を預かって、ジョンの歌『雑用はうんざり』が始まる。
段々とメンバーがいなくなってジョン一人になる。

ここは初めてジョンが一人で歌う場面。
小瀧望、ミュージカル初挑戦にしては上出来な歌と演技でした。音程は取れているし、発声もよいため、声が大きく響く。
ただうまく歌うのではなく、感情込めて歌おうと努力しているのがわかります。
最後に、雑用はもうやめだ!と靴を叩きつけるところの歌い方とか感情こもってて好きです。

ジョンが靴を磨いているさなか、別の場所でデルとトーマスが言い争いになる。トーマスはプロテスタントが嫌いで、デルがチームにいることが許せないのだ。デルは「俺は無神論者で博愛主義者だ。ここは俺のチームだ」と言うが、トーマスは「ここはカトリックのチームだ」といって、二度とサッカー場に来ないようデルを脅す。

デルはプロテスタントだからといってカトリックを蔑むような人ではなかったし、無神論者だとすら言っています。ひとりで靴磨きするジョンに手伝おうかと声をかけるような優しい青年でした。

トーマスだってデル個人に不満があるわけじゃない。ただ、デルがプロテスタントであることが気に入らないだけです。
宗教の対立さえなければ、彼も含めて楽しいチームで試合ができただろうに、と宗教対立の影が顕になるシーンです。

しかしこの頃のジョンについて、宗教の葛藤は描かれません。デルに対して言及することもありません。

ジョンはただ、サッカーを楽しんで、プロを夢見る真っ直ぐな青年でしかないのです。

ジョンが靴を磨いているとメアリーが現れる。何者にもなれるわけない、雑用がお似合いよ、と歌うメアリーにむすっとするジョン。

そこにオドネルが現れる。メアリーと一緒にいたら殺される、とジョンはメアリーをボール入れのかごに押し込めて、オドネルと対峙する。

お前はプロになれる。だから女にうつつを抜かすな。メアリーは確かに顔は悪くないが、気が強すぎる。私は頭のいい女にはまったく魅力を感じない。プロになれば胸が大きくて頭の弱いかわい子ちゃんがわんさか寄ってくる。そういう女にしなさい。

そんなオドネルの言葉にジョンは「絶対そうします!」と高らかに宣言。大きい胸を手で表現する。

オドネルが帰ったあと、メアリーはお怒り気味。

楽曲『好きじゃない』が始まる。

大嫌いと歌っていた二人が、徐々に他の人よりはマシかも、となり、好きっちゃ好きかもと変わっていく。ここでジョンとメアリーは恋人として結ばれる。

いわば、喧嘩するほど仲がいい状態だったんでしょう。頭の足りないかわい子ちゃんではなく、賢くて気の強い女性に惹かれ、対等な関係を築くジョン。
そんなところもまた彼の魅力だと感じました。

カトリックとプロテスタント

車からラジオを盗んでいたせいで試合に遅れたダニエル。
トーマス、ジンジャー、ジョンは3人で詰め寄るが、ダニエルがこのラジオは金になるからお酒でもどうかと誘うとみな笑顔になる。

そこにメアリーがジョンを呼ぶ声。「パブで酔っ払うよりも俺はメアリーとデモ行進がしたい。俺はコミュニティ活動に燃えている!」とジョンは態度を翻す。

ジョンは着替え始める。
トーマスはデモなんかしても何も変わらないと馬鹿にする。ダニエルも公民権運動には反対だと首をすくめる。そして、解放されたら来いよ、とジョンに声をかけ、3人は去る。

着替え終わって、抱き合う二人。
デモの前に読みたいパンフレットがあるというメアリーに、

「おい、本気でデモに参加する気か!こんなチャンスめったにないぞ。メアリーのママはメアリーがデモに参加してると思ってる、俺のおふくろは俺は友達と飲みに行ってると思ってる。俺が唯一行使したい権利は君と、、」

熱いキス。

メアリーはジョンを突き放す。
「仲間に起きていることに不満はないの? 波止場にカトリック採用不可の貼り紙があるでしょ。私達はこの町では2級市民なの」とジョンを問い詰めるが、ジョンは「デモなんかしても何も変わらない」と反論。

結局ジョンは「頑張れ、メアリールーサーキング!」とメアリーに向かってさけび、メアリーを置いて、パブに向かう。
(非暴力差別抵抗活動を行ったマーティン・ルーサー・キング =キング牧師に掛けて、皮肉っている)

メアリーはカトリックに平等な権利を求める署名活動を行う。誰も足を止めてくれない中で、足を止めた女性には「夢想家ね」と吐き捨てられる。

夢想なんかじゃない。ここは私達の国よ。

そんな言葉をつぶやいて、メアリーは『神の国』を歌い出す。ジョンが脱ぎ捨てた緑のユニフォームを持って。もう一人少女が現れる。彼女はオレンジのユニフォームを胸に抱く。すなわち、プロテスタント。同じ『神の国』の旋律だが、二人はところどころ違う歌詞を歌う。

一方は
この国神の国。カトリックたちの自由の国。

一方は
この国神の国。プロテスタントの国、イギリスの女王様とともに。

と。

カトリックにはカトリックの信念
プロテスタントにはプロテスタントの信念
両者の譲らない思いがぶつかったように感じられました。
カトリックとプロテスタント、それぞれの立場で歌うこの『神の国』は、TBGの中で、私が特に好きな歌唱シーンです。
違う歌詞が同時に奏でられることで、対立を際立たせています。

決勝戦を翌日に控えたサッカーの練習中。
決勝で活躍したいと話すダニエル。
得点の9割はジョンでしょとクリスティンに茶化される。

そこにやってきたジョンとメアリー。「いよいよ明日は決勝戦だ!」とジョンも気合充分。
決勝戦があるかわからないという話から、イギリス軍の話題になってバーナデッドは「私わからない。イギリス軍が私達をプロテスタントから守ってくれるんじゃないの?」と問う。トーマスは「ああ、そうだな、守ってくれるさ。だが、おかしいよな。プロテスタントとイギリスは同じ旗を掲げてる」と声を大きくする。

そこに行進の太鼓の音が聞こえてくる。トーマスが「まずい。プロテスタントだ」と言って、みんなは逃げようとする。明日の決勝戦を前にして、巻き込まれるわけにはいかないからだ。

しかし、メアリーは動かない。

「どうして私達が逃げなければならないの。ここは私達の国よ。私は逃げない。非暴力を貫いて抵抗するの。ガンジーのように」

腕を組んで団結しようと提案するメアリーにトーマスは「足を折られたら逃げたくても逃げられなくなる」と反論。ジョンにメアリーを何とかするよう頼む。

ジョンは「メアリー行こう。君が残るなら俺もここに残らなきゃいけない。わかるだろ。俺は君を愛しているんだ。守りたい。たとえ君が正気を失っていたとしても」と、メアリーを連れてその場を去る。

たとえ自分が不利益を被ることになっても、彼女を守ることが当たり前と思っている。そんなジョンのまっすぐな性格がよくわかるセリフです。

また、メアリーの意思もよくわかる場面です。
カトリックがこの町で2級市民となっていることに不満を感じているメアリー。それでもその不満を、プロテスタントに攻撃するという形ではなく、無抵抗不服従によって示そうとする。
メアリーの強さ、勇ましさが見えます。

プロテスタントの組織、オレンジオーダーがイギリス国旗を掲げてカトリックの通りを行進。
『プロテスタントの国』を歌唱。
 神の国から出ていけ。女と子供を連れて。
 ここはプロテスタントの国だ。
 抵抗するなら命はないぞ。
そんな歌詞。

正義のためなら命を奪うこともやぶさかではない、そんな歪んだ正義がよく伝わってきました。

デモのさなか、プロテスタントのデルとカトリックのクリスティンはカーセックスをする。
デルは「俺達は偏見を克服した」と喜ぶ。
クリスティンも「私達は自由よ。誰にも私達を止められない」と喜びを返す。
デルはアメリカでも北極でも、とにかくベルファストじゃないところに行きたいと溢し、クリスティンもそれに同意する。
楽曲『クラック』を二人で歌う。

カトリックの少女とプロテスタントの少年が意気投合する場面。人の精神の自由を感じさせてくれる二人です。
劇中に生まれながらのプロテスタントという表現が出てきた気がしますが、デルは自分でプロテスタントを選んだわけではなく、両親がプロテスタントだから自分もプロテスタントになっている、そんな人なんだと思います。
だから本人としては無神論者と言っているのかな、と。宗教のことはよくわかりませんが、自分で決めたわけではないのに、その宗教の人間として選択を迫られていくのがとても不思議でした。

決勝戦と祝勝会

いよいよ始まる決勝戦。スローモーションを用いたダンスで試合を表現。まず、ジョンが華麗なドリブルを決める。ここでジョンが『決勝戦』を歌いだし、観客もそれに続く。華麗なステップ、常人じゃありえない、と。

ジョンは動いていたところからの歌唱なので、ちょっと息があがりめ。

ドリブルで敵をかわし、ジョンはジンジャーにパス。ジンジャーがジョンに戻して、ジョンがシュートを決める。
後半、オドネルの指示に従ってトーマスが相手の足を狙う。審判が笛を拭く。トーマスは足は狙ってないと反論するが、レッドカードが出される。そして、PKで相手に点を取られる。
トーマスが出場停止になっている中だが、ジョンが華麗にオーバヘッドシュートを決める。
ついに試合は決着。
ジョンのチームは優勝を果たす。
優勝トロフィーを受け取ったジョンは満面の笑み。

着替えながら歌う男性陣。着替え終わると、ベロンベロンで、と歌い始める。
ジョンの歌い出しから、トーマス、ジンジャー、ダニエルと。

この楽曲がジャニーズWESTの中間淳太や桐山照史といったお酒好きが覚えちゃったというお気に入りの歌。

着替え終わるとバーにオドネルが入ってきて、喜びのスピーチを始める。その途中で、クリスティンが「今日は最高のクラックにしよう!」と割り込む。歌いながら全員でステップを踏み、楽しそうな雰囲気。

祝勝会の途中でお祝いにデルがやってくる。トーマスは咎め、クリスティンがトーマスに抗議する。「行こう」というデルに「こんな男怖くない」と言うクリスティン。しかし、「僕は怖い」というデルに従って二人でバーをあとにする。オドネルは「このチームに暴力はふさわしくない」とトーマスを咎めるが、「お前たちには冷たい水でも流れてるのか。俺は熱い血の流れた奴らと飲みたいね」と吐き捨ててトーマスは店を出ていく。
「冷たい水だと!」とオドネルは怒って、酒を仰ぐ。
ジョンは慌ててオドネルから酒を取り上げて笑う。
会場は再び楽しい雰囲気に。

トーマスとデルが争いになるこの場面、ジョンは1歩前に出るだけで、結局なんの声もかけません。どちらかというとまたか、と呆れている雰囲気でしょうか。
トーマスに向かって1歩前に出ているのだから、思うところはあるはずなんです。
楽しいパーティーすら宗教対立で影を落とされる。
陽と陰の共存が印象的な場面でした。

祝勝会の途中でジンジャーとバーナデットの二人がいい雰囲気で歌い出す。二人で踊って、バーナデットがジンジャーをこれからは「グレゴリー」と呼ぶという。ジンジャーが「電話してもいい?」と聞くとバーナデットは「ぜひ、いつ?」、ジンジャーは「明日!」と。最後バーナデットがジンジャーにキス。「私普段はこんなことしないの!」と叫んで駆け出す。キスシーンを見ていたジョンやメアリーは驚きつつ喜びを示す。
そして、オドネルの「来年もまた祝勝会をやろう」というスピーチでお開きに。

ジンジャーとバーナデットがやり取りをしている間、ジョンやメアリーはバーカウンターに座っていて、観客には背中しか見えていません。しかし、バーの店員と細かくやり取りする演技がされていて、バーナデットたちのキスシーンではニヤニヤと茶化すような仕草を見せます。

ジンジャーの死

祝勝会の帰り、ジンジャーはダニエルと一緒に帰路についていた。ダニエルはひどく酔っ払っているので、ジンジャーはダニエルを家まで送る。ダニエルは「いいなあ、お前は今日はいい夢を見るんだろうな。バーナデットと。いけたんだろう?」とジンジャーに声をかける。ジンジャーも「そうだといいなぁ」と嬉しそう。ダニエルと別れたあと、ジンジャーは突如黒い服を着た四人組に襲われる。「こんなところにIRAの坊やが居る」と。「俺はIRAじゃない!」とジンジャーは必死で抗議するが、相手は聞く耳を持たず、ジンジャーに暴力を振るう。そして、ジンジャーは布を被せられて、どこかに連れて行かれる。

次の日、メアリー、クリスティン、バーナデットの三人はメアリーの家に集まっていた。メアリーは今日の朝クリスティンの母親から電話があったことを伝える。
「クリスティン、今日の朝はどこにいたの?」メアリーに問い詰められて、クリスティンは「デルの家」と白状。三人はキャーキャーと楽しそうな声を上げる。
「そんなことよりビックニュースはあなた、バーナデット?」クリスティンが言うとバーナデットは私は何もと誤魔化す。
「いいえ、ダンスフロアの真ん中で抱き合ってキスしてるのを見た」とメアリー。
バーナデットは観念して話し出す。
「彼がチョコレートバーを私にくれたときからずっとキスしたいと思ってたの」と。
電話をかけると言っていたけど、バーナデットの家には電話がないからもしかして直接!?と三人はキャーキャー騒ぐ。
メアリーは「これで三人ともパートナーがいる」と言い、楽曲『写真の中の少年たち』を歌い出す。

メアリーの家に突然入ってきたジョンとトーマス、ダニエル。「ジンジャーが死んだ」とジョンは告げる。
「え」とまだ状況が飲み込めないメアリーたち。
「カトリックを狙った無差別殺人らしい。IRAの爆破に対する報復だ」とダニエル。
「ジンジャーは深夜一時頃ダニエルの家の近くにいた。そして今日の朝、丘の上で発見された。あいつは発見されたときはまだ生きてた。死んだふりをしてたんだ。最後に警察になんて言ったと思う?決勝で勝ててよかったって言ったんだ」
「あいつは牛乳配達員に発見された。牛乳配達員ってなんだよ」とトーマス。
悲しみと憤りがまじる。

「彼は昨日私にキスしてくれた。最初で最後のキス?」とバーナデット。

「お前は行くか」
トーマスはジョンとダニエルに声をかける。

そこにオドネルがやってくる。
「トーマスどこに行く気だ。お前たちを慰めるために来た」

トーマス「慰める?はっ」
オドネル「話し合いのためでもいい」

トーマス「ジンジャーはアイルランドの統一のために死んだ」
メアリー「違う。彼は無駄死にしたのよ。」
トーマス「あいつの死を無駄にしてたまるか。プロテスタントの奴らを蹴散らしてやる」
オドネル「誰が犯人が知ってるのか」
トーマス「誰でもいい」
メアリー「そういう考えの奴らがジンジャーを殺したのよ」
バーナデット「グレゴリー。彼の名前はグレゴリーだった。彼は一度だって暴力をふるったことはなかった」
オドネル「グレゴリーは深夜に街を歩いていてチンピラに絡まれて死んだ」
トーマス「殉教者について話すときは慎重にしたほうがいいですよ、神父様」
オドネル「もう彼を殉教者扱いか」

争うメアリー、オドネルとトーマス。

ダニエルはトーマスについていくことを決める。

「お前は来るか」
再びジョンに問うトーマス。

長い間ののち「俺は行かない」
ジョンは静かに、しかし、しっかりと答えた。

残されたメンバーが楽曲『平和に愛を育もう』を歌う。
途中で人が増え、真ん中に棺桶が運ばれてくる。
オドネルが祈りを捧げる。
「彼は来週18歳になるところでした」

ジョンは涙し、メアリーが抱きしめる。
バーナデットは棺桶を抱いて泣く。
最後にはダニエルとトーマスもやってきて、幕が下りる。

優勝し、楽しい気分に浸っていた翌日、ジンジャーの死。さながら天国から地獄。それも恨みを買ったとかではなく、ただカトリックという理由だけで殺されてしまって、どうしようもないやるせなさに打ちひしがれるジョンたち。
本人がプロテスタントを嫌ってなかろうが、否が応でも争いに巻き込まれてしまう、ベルファストの不安定さが顕著に現れる出来事でした。

TBG2幕

幕間、舞台上の岩の壁に書かれている言葉が増えているようでした。
特に印象的なのは以下の文。

There was never a good war or a bad peace.

いい戦争も悪い平和も決して存在しない。

時は流れ1971年、ベルファスト。
宗教戦争の色はより濃くなっていきます。

結婚式と結婚初夜

パイプオルガンのような音で音楽。
ウェディングドレス姿のメアリーが楽曲『人生最高に幸せな日』を歌う。
着用したタキシードを整えているジョンが続いて歌う。
オドネル神父のもとで結婚式が始まる。
ジョンはメアリーのベールあげる。
二人が楽曲『すべての愛』を歌う。
オドネルが誓いのキスをと言う前にキスしてしまった二人。会場のみんなに笑われて幸せな雰囲気。
ブーケトス。
ベッドが運ばれてくる。二人がベッドに乗った状態で舞台の後ろに下がる。二人きりに。

結婚初夜。
ジョン「なんていいホテルなんだ。素晴らしい棚だ。金属の合板だ。僕は本物の木よりもいいと思う。これのおかげで庶民も安くて良質な家具を手に入れられるようになった。見てよ。箱に入った小さな石鹸だ。ママに持って帰ったら?俺達クリスマスプレゼントを全部ここで揃えられるぞ。見ろよ。ケトルだ!紅茶でも入れようか。」
緊張をごまかすためにテンション高く立て続けに喋るジョン。
メアリーは冷静に答える。「明日の朝に取っておいたほうがいいと思う。」

ジョン「この大きな機械はなんだ」
メアリー「ズボンプレッサーだと思う」
ジョン「ズボンをプレスするためのもの?」
メアリー「だと思う」
「俺がズボンを脱いで、」とジョンがズボンを脱ごうとすると、メアリーが「きゃー」と顔を隠す。
「プレスできるなぁーって」ジョンはそう言って、ズボンを脱ぐのをやめる。

メアリー「私あなたのこと待たせすぎた?」
ジョン「そんなことない。俺だって地獄の業火に焼かれたくはない。ただ今はこれが初めてじゃなかったら良かったのにって思ってる。」
メアリー「じゃあ何回もしてるってことにしてみる?あなたは私にうんざりしてて、私はあーあ、あなたがまたちょっかい出して来ようとしてる。共和国のことでも考えてようって思ってて。」
ジョン「俺は君にうんざりしたりしないよ?」
真っ直ぐなジョンの言葉にメアリーは照れてそっぽを向く。
メアリー「カトリック教徒なのが嫌。今は1971年よ。世の中みんなセックスしてるのに、私達はそのパーティーに呼ばれてない」
ジョン「俺のおふくろが言ってた。楽しみはあとに取っておけって。そのほうがいざやるときいいって。」
メアリー「そうね。ありがとう、ケリー夫人。」

後ろを向いたメアリーの背中のチャックをジョンが下げる。お互い下着姿になってベッドの中へ。

ベッドが暗くなり、結婚式の参列者たちが楽曲『クラック』を歌いながら、馬鹿騒ぎ。右から現れ、左へ捌けていく。

結婚式の初々しく幸せな様子。
初夜の緊張でどぎまぎする様子。
宗教戦争の影を感じることのない、幸せが伝わってくる素敵な場面でした。

トーマスからの呼び出し

電話の音。寝ていたジョンとメアリーは、眠そうに目を覚まし、ジョンが電話を取る。「トーマス。これは結婚初夜のいたずらか?」と楽しそうに言ったあと「わかった。行くよ」真剣な声。

ジョンは服を着始める。
メアリー「どこ行くの」
ジョン「トーマスだった。あいつはいま逃亡中の身なんだ。国境まで送り届けてくれって。メガネを失くしたらしい。」
メアリー「トーマス、ついにIRAに入ったのね」
ジョン「時間の問題だった。君には黙ってた。よく思わないだろうから」
メアリー「よく思うわけ無い。私だってトーマス20人分くらいこの国を思ってる。だけど、だからって人を殺すのは」
ジョン「俺はIRAじゃない。だから大声を出さないで」
メアリー「あなたはIRAじゃないかもしれないけど、国境まで運んだら同じことよ」
ジョン「トーマスは友達だ。俺は友達を助けるだけだ。」
メアリー「ええ、わかってる」
支度を整えて部屋を出ようとするジョン。
扉の前で振り向きざま、
ジョン「帰りにフィッシュアンドチップスでも買ってこようか」
メアリー「冗談はやめて」
ジョン「そうだな。食べ物の話なんてしてる場合じゃないな。とにかく、帰ってきてもまだ結婚初夜だよな?」
ジョンが去る。
メアリー「そう、今日は結婚初夜。」
メアリーが歌う 「すベての愛をあなた、、 」

メアリーの最後の歌はいつもなら「すべての愛をあなたに」となるところ。最後の「に」が歌われないことで、どうしようもない切なさがこみ上げてきます。

IRAとイギリス軍が抗争を繰り広げるベルファスト。トーマスは眼鏡がない状態で戦場と化した町にいた。そこにジョンが声をかける。

トーマス「ありがとうございます。イエス様。お前は来てくれると思ってたよ。」
ジョン「もう俺を頼るな。今日は結婚初夜だぞ!何をしてほしいか言って、早く俺を帰らせろ。」

銃声が聞こえて、二人でしゃがむ
トーマスが銃を構える。
ジョン「銃はあるのに眼鏡がない!?こんな危険なことあるか」
トーマス「1つ言っておく。メアリーは平和を戦わずして手に入れようとするものの一人だ。」
ジョン「メアリーは人殺しが嫌いなだけだ。お前こそどうなんだ。」

ふたりで楽曲『立ち向かって死ぬ』

ジョン ♫正義のため人を殺すか。身勝手だ。
トーマス ♫人殺しじゃない、戦争だ

ジョンはトーマスの銃を取り上げようとする。
争いに。
ジョンが銃を奪って、トーマスがジョンの足を掴む。ジョンに覆い被さったトーマス。

「お前のサッカー人生の幸運を祈るよ。
いつかお前は統一アイルランドのためにプレイする。」

そう言って、トーマスはジョンから銃を取り上げる。 
二人は肩を組んで捌ける。

トーマスの進む道を否定しながらも、そこにたしかな友情を感じているジョンが描かれていました。

デルとクリスティン、アメリカへ

クリスティン「今日はわたしとデルがこのゴミためで過ごす最後の日。あと少しであの飛行機に乗って私達はアメリカへ旅立つ。」
メアリー「アメリカにも偏見はあるんでしょう?」
クリスティン「そうね。だけど、私とデルは偏見の犠牲にはならない。あなたこそ、ジョンと一緒にリバプールでしょ」

メアリー「高校生のとき、あなたは何者にもなれないなんて言った。それが一部リーグのプロテストを受けるだなんて。」
クリスティン「プロになったら、稼ぐ人は週に何千ドルも稼ぐって」

メアリー「そうね。私達にはもう少しお金が必要。食べさせていくべき人が増えるから」

クリスティン「増える?」

メアリーはお腹を大きくするジェスチャー
クリスティン「嘘!?親友がこの国を離れようってときに赤ちゃんができるだなんて」

メアリー「6週目。今日お医者さんに見てもらった」

クリスティン「ジョンは?喜んでるでしょう?」

メアリー「ジョンは知らない。まだ言わないで。今はプロテストに集中してほしいから」

クリスティンワーナー!
二人の女性がクリスティンに声をかける。

「その雑種の赤ん坊は将来、カトリックとプロテスタントどちらで戦うことになるのかしら」

クリスティン「この子は誰かのために戦ったりしない。たとえ私に何があっても」

「いいえ、アイルランド人はカトリックかプロテスタント、必ずどちらかにつく。それが歴史的事実」

クリスティン「歴史?馬鹿じゃないの。いつまで憎み続けるの」

「プロテスタントがこの国にいる限り。」
「そして、プロテスタントと一緒になるあんたみたいなアバズレがいる限り。いつかその子はイギリス女王のために戦って、本物のアイルランド人を殺す。この裏切り者。」

怒って離れていく二人の背中にクリスティンは罵声を浴びせる。

クリスティン「あんたちこそ性根の腐った売春婦じゃない。私がアメリカで億万長者になったら、あんたの家の隣を買って、イギリス人に貸してやるよ!」

デル「いいぞー、本当の事を言ってやれ」

デル「俺とクリスティンはニューヨーク、君とジョンはリバプール。」
メアリー「まだ入団できるって決まったわけじゃないわ。」
デル「ジョンなら絶対合格するよ。同じチームでプレイしてた頃、俺は一度もボールに触れられなかった。」

メアリー「出発前にジョンにも会っていって。いつもあなた達のことを聞いてくるのよ」

デル「いや、2年前トーマスマロイは俺にサッカー場に近づくなと言った。あいつの忠告を無視するのは危険だ。」
クリスティン「私達は会わないほうがいい。
今はジョンに取って大事な時期だから、邪魔したくないの。ここでお別れするのが一番いい。」

メアリー「そうね」

デル「君たちにお別れを言う時間を少しあげるよ」
メアリーから赤ん坊を受け取って、デルが離れる。

メアリーとクリスティンは別れを惜しんで、楽曲『写真の中の少年たち』を歌う。
写真送ってよ、と。

この場面はクリスティンの「歴史?馬鹿じゃないの。いつまで憎み続けるの」というセリフが印象的でした。人間生きていると過去を踏襲しがちですが、時に過去を否定し、新たな未来を掴みとる勇気も必要なのだと思わされました。
この頃、クリスティンやデルのように前衛的な考え方の若者もいたけれど、きっとベルファストを離れてしまった、離れざるを得なかったんだろうと思います。

プロテスト

ユニフォーム姿のジョン。プロテストの様子。
他の3人より速い反復横跳びをみせる。
楽曲『選抜』を歌う。
♫俺が一番のプレーヤー。どう見てもほかは雑魚。
プロテストにすべてをかけよう。

ダニエル「ジョン!」
ジョン「ダニエル!」

ダニエル「みんなお前のことしか見てなかった」
ジョン「ああ、俺は入団する。それはわかってる」

ダニエル「そうだ、お前は合格する。となると必要なのはマネージャーだ。75:25でどうだ(ジョンが25)」

ジョン「25%!?」

ダニエル「ああ、自分を過小評価するな。25%の価値はある」

ジョン「俺のブレインはメアリーだ。彼女に聞いてくれ」

ピー 笛の音で整列する。

男「ジョン・ケリーだな。」

ジョン「はい、ジョン・ケリーです。ポジションはフォワードですが、ディフェンダーでもいい仕事をします。ゴールキーパーでも俺は悪くないです。」

ダニエル「俺はダニエルギレン、マネージャーです。」

ジョン「こいつはマネージャーじゃないです。」

男「警察だ。」

ダニエル「俺、ダニエルギレンって言いました?あの夜は、いつかはわかりませんが、教会で聖書を読んでいました。」

そこにオドネルがやってくる。

オドネル「私は信じていたよ。自分のチームの少年がこうしてプロになる日が来るのを。」

男「残念ですが。それはまたの機会になりそうです。ジョン・ケリー。IRAのトーマスマロイを幇助した疑いで貴様を逮捕する」
ジョン「僕は友達を助けただけです」

男「テロリストです」

オドネル「なんて愚かなことを。お前は人生を棒に振った。」

ジョン「違う。あいつは眼鏡をなくして困ってたんだ。俺は結婚したばかりなんです。メアリーからもなんとか言ってくれ」

メアリー「待ってください。彼はただ友達を助けようとしただけなんです。信じてください。その日は結婚初夜だったの」

つれていかれてしまったジョン。
残されたメアリーは「私には赤ちゃんがいるの」とつぶやき、倒れそうになるのをダニエルが支える

この楽曲『選抜』のリズムがとても好きでした。
受験生たちの自信みなぎる様子が伝わってきます。

監獄

岩の壁が裏返り、檻が現れる。
ジョンが囚人たちの洗濯物を集めながら、楽曲『刑務所の中のジョン』を歌う。
♫今に見てろ。こんなところにとどまるか。

囚人達「お前サッカー選手なんだってな」
ジョン「ああ。エバートンのプロテストを受ける」
囚人達「テストがここで行われない限り無理だな」
囚人達「あいつらもカトリックだ。ここに収容される可能性はある。」

ジョン「俺はお前たちとは違う。すぐにここを出ていく。」
囚人達「じゃあお前はどうしてここに入れられたんだ。」

ジョン「俺は友達を国境まで送り届けた。そいつはIRAの人間だった。」

囚人達「じゃあお前もIRAだ。」
ジョン「俺はIRAじゃない。友達に手をかしただけだ。お前たちとは違う」

囚人達「お前に友達なんていない。ここではお前の仲間は俺達だけだ。考えてみろ。考える時間は山ほどある。」
「ここには時間しかない。」
「サッカーもない。」

「ここはIRAの大学だ。刑務所へようこそ」

楽曲『デッド・ゾーン』揃ったダンス
♫憎しみを学べ

だんだんと頭を抱え、苦しみだすジョン。
おぼつかない足取りで集団に吸い込まれていく。
逃げようとするジョンを囚人が阻む。

ついに同じダンスをする。(=憎しみに染まる)

メアリーとの面会。
来週には産まれそうとお腹をさすりながら喜びを表すメアリー。

ジョン「俺はそいつを哀れに思う。可哀想なちびだ」

メアリー「どういう意味」

ジョン「ベルファストに生まれる。アイルランド人として生まれる。憎むために生まれる。」

メアリー「違う。そんなこと言わないで。この子は愛のもとに生まれてくるの」

バカにしたように声をあげず笑うジョン
ジョン「俺の両親も愛し合ってた。でも俺は今ここにいる。そういうことだろう」

メアリー「それはあなたが結婚初夜にどこぞのチンピラを助けに行ったからでしょう」

ジョン「トーマスは友達だ。俺の一番古い友達なんだ」

メアリー「じゃあトーマスは今どこにいる。捕まった?1度でも面会に来たことある?ないでしょ。
あなたの友達のトーマスは賢いからここには来ない」
「いつまでもこんなんじゃない。また来週来るわ。そのときはもう生まれてるかも。」

ジョン「そのときはそいつによろしく伝えてくれ」

帰ろうとするメアリーに

「メアリー、、」

ジョンは思わず声をかける。

ごめんよ。どうか、ゆるして 
と震える声でワンフレーズ歌うジョン。

メアリーとジョンは金網越しに手を合わせるが、すぐに監視の人に時間だと引き離されてしまう。

監獄シーンはとても印象的でした。
まず、私のお気に入りシーンは、囚人たちの揃ったダンス、そしてそれに呑まれ、ついに同じダンスをするジョンのところです。
ずっと憎しみに抗って、光ある道を進もうとしていたジョンがだんだんと耐えきれなくなり、憎しみに染まっていく。
それをダンスでここまで見事に表現できるのか、とその演出に感激しました。
ジョンの歌唱部分で一番ヒヤヒヤするシーンでもあります。早いリズムで歌詞を刻まねばならず、息継ぎも難しそうでした。
毎回、頑張れ!って気持ちで見てました。

そして、やはり外せないのがメアリーとの面会で、最後に「ごめんよ。どうか、ゆるして」とひとこと歌うシーン。
ミュージカルの意義を感じました。
芝居の中に歌が入ってくるミュージカルは、楽しいけれど、チャンチャラおかしくなりそうな要素があって、今までただの芝居のほうが好きだなって正直思っていたんです。
でも、このTBGで、特にこのシーンで、ミュージカルの良さを知ることができました。
歌だからこそ伝わるものがあるのだと。

憎しみに染まって、ペシミストのような態度を貫き、まるでメアリーへの愛失ってしまったかのようなジョン。
それが、メアリーと別れる瞬間になって、奥底にしまったメアリーへの愛が溢れ、本来の優しい彼がそこにまだ居るのだと伝えるかのように思わず溢れる歌。

セリフの応酬だったなかで、急に歌が入ってくることにより、その部分、ジョンの心が際立ちました。

そして、セリフ以上に、歌は感情が込めやすいのだと思いました。
ジョンのこの歌唱部分に、私は涙をこらえるのが大変でした。

ダニエル

赤ちゃんを抱きしめるメアリー
「私には彼女が何を言ってるのかわからないんです」
バーナデットはオドネルにそう言うと、メアリーの方に向き直る。

バーナデット「はーい、メアリー。元気そうね。とても顔色がいい」

メアリー「バーナデット、嘘が下手」

オドネル「メアリー調子はどうだ」

メアリー「いいですよ。夫が投獄されて、大学のレポートの締切に遅れて、乳首が噛み千切られて、痔であること以外は」

オドネル「それに効く薬は持ってる。痔のほうだ。誰も私の乳首は噛まない」
「ジョンが洗礼式に出られるよう申請はしておいた。叶う見込みは低いが一応な」

メアリー「ありがとうございます」

オドネル神父が帰ろうとしたところにダニエルがやってくる。

ダニエル「ああ、神父様。ちょうど懺悔しに行こうと思ってたんです」

オドネル「それならもっと早く言ってくれ。お前の懺悔を聞くには1週間はかかる」

オドネルが去る。

ダニエル「お?それが君とジョンの子供かな?」

メアリー「いいえ、この子はモナコのステファニー王女。グレイスケリーに子守を頼まれたの。って馬鹿。そうよ。この子よ。ショーンパトリックオケイシーケリー」

ダニエル「なんて可愛いんだ。正直、、老人の厚顔みたいだ」

バーナデット「こんな人の言う事聞かなくていいのよ。あなたは可愛い」
バーナデットが赤ちゃんを抱き上げる。

クンクン、匂いを嗅いで
「私ちょっと上でおむつ替えてくる」とバーナデットが去る

残されたメアリーとダニエル。
ダニエルは渡したいものがあったと、封筒を机に置く。

メアリー「あなたから金は受け取らない」
ダニエル「大丈夫。それは俺の金じゃない」
メアリー「ジョンはもうすぐ出てくる」
ダニエル「奴らはジョンをいつまでも捕まえておける」
メアリー「ありがとう。でも大丈夫」

メアリーが封筒をダニエルに突きつける。
ダニエル「わかったよ。必要になったらいつでも言って」
そこに突如黒いマスクをした男たちが入ってくる。銃を持っている。

メアリー「ここはあなた達の来るところじゃない。出てって」

男「君の夫は英雄だ」

メアリー「私の夫はあなたを助けて捕まった馬鹿よ。そのふざけたマスクを取りなさい、トーマスマロイ。わかってる。マスクの下にメガネをかけているんだもの」

「ああ、俺は顔を隠さない。このろくでなしから」
マスクを取ったトーマスはダニエルを示す。

ダニエル「俺?」
トーマス「お前は共和国への反逆罪で処刑される」
ダニエル「反逆罪って、何言ってるかわからない」
トーマス「とぼけるな。あの日ジョンが俺を助けたことを知っていたのはお前だけだ」
メアリー「私も知ってた」
トーマス「君が自分の夫を売るわけがない」
ダニエル「なんで俺がそんなことするんだ」

トーマス「お前は盗人だ。盗人でヤクの売人だってことはみんな知ってる。警察もだ。だが、奴らはお前みたいな犯罪者よりもジョンのようなIRAの戦士を刑務所に送りたがる。だからお前は取引したんだ。自分の自由と引き換えにジョンを警察に売った」

ダニエル「違う、」
メアリー「だからお金を渡そうとしたの?」
ダニエル「違うんだメアリー」
トーマス「お前の膝を撃つ」

ダニエルはトーマスの仲間たちに銃を突きつけられ連れて行かれる。
(抵抗するダニエルの声が響く)

メアリー「何してるの、トーマス。ダニエルはあなたの友人でしょ」
(ダニエルの声が更に響く)
メアリー「トーマス!」

ダーンと大きく響く銃声が2発

メアリー「何してるの!」

メアリーは泣き叫ぶ

トーマスが去ったあと、メアリーは一人泣き暮れる
楽曲『こんなことのために戦うなら』を歌う。
♫こんな戦争なら勝たなくていい

最後の歌はメアリーの一番の見せ場と言ってもいいいでしょう。圧倒的歌唱力に感嘆するとともに、切なく歌い上げる悲しみに、心がギュッとなりました。

出所

刑務所から男たちが出てきて、女が迎い入れる。
抱き合うものもいる。
少し遅れて出てきたジョンは、隅にいた二人の男に気づいて近づく。
そこで茶色い袋を渡される。(中には恐らく拳銃)
そこにメアリーが声をかける。
メアリー「男の人たちが釈放されるって聞いて、すぐに来たの。どうして教えてくれなかったの。」

ジョン「今日は帰らない。」

メアリー「明日は?明日は帰ってくるのよね。」

ジョン「家には帰らない。夕方のフェリーでロンドンに行く。」

メアリー「イギリスの人たちを殺すの?」

ジョン「何も言わない。」
メアリー「あなたは前にもイギリスに行くはずだった。サッカーのために。
あなたもトーマスと一緒になる。何も思わず人を殺すようになる。」

ジョン「俺はもう兵士なんだ、メアリー。兵士は殺すものだ。」

メアリー「幼い息子を置いて?勝てない戦争のために?」

楽曲『すべての愛』

その子は戦うパパのことを誇りに思うだろう、とジョン。

メアリー「まだ時間はあるでしょ?家に帰ってショーンに会って」

ジョン「俺は帰らない。出発前に会わなきゃいけないやつがいる。」
「渡したいものがある。ロンドンについたら送ろうと思っていた。」

ジョンはかつてサッカーチームで自分が着ていたエメラルドグリーンのエースナンバーのユニフォームをカバンから取り出し、メアリーに渡す。

ジョン「ショーンが大きくなったら渡してくれ。」

メアリー「わかった。私からも渡したいものがあるの。あなたが刑務所の中で見れるように焼き増ししておいたの。今こそ持っていてほしい。」

メアリーはジョンに写真を渡す。

メアリー「そこに写っているのがショーンの父親。私が結婚した人。その人は死んだの。彼はあなたの最初の犠牲者。
サッカー選手のジョン・ケリーはテロリストのジョン・ケリーに殺されたっ」

メアリーはそう叫んで去った。
ジョンは写真を眺めるでもなくポケットにしまって、反対側に去っていく。

頑なにショーンに会おうとしないジョン。
それは一種、ジョンが後ろめたさを感じている証拠のような気もしました。

ジョンとトーマス

ジョンはバーに入ってきて、トーマスの背中を見つける。
少し離れた席にどすっとバックを置く。
トーマス「おー!ジョン!出所したんだってな。めでたいニュースだ」

触れるトーマスを手で払うジョン

ジョン「俺がどうしてここにいるかわかるな」
(低く鋭い声。怒りを秘めた落ち着いた声。)

さあ?ととぼけるトーマス 

ジョン「俺達は鉄条網の間からお前たちの様子を伺ってた。どうして俺達に合流しなかった。」

トーマス「俺はお前より賢い」

ジョン「それは疑いようもない」
「俺はダニエルを知っている。お前は罪のない人間の膝を撃ち抜いた」

トーマス「罪がない?あの男が?ダニエルは盗人で薬の売人だってのはみんな知ってる」

ジョン「ああ、あいつは天使なんかじゃない。でも、友達を裏切らなかった。裏切ったのはお前だ、トーマス」

トーマス「俺がお前を売ったとしてそれには理由があったのかもしれない」

ジョン「どんな理由だ」

トーマス「俺達は秘密結社で、俺は警察にコネがある。コネを保つには餌が必要なんだ」

ジョン「どうして俺を密告した」

トーマス「共和国はあのときはお前の自由より俺の自由の方に価値があると思ったんだろう。戦略上の決定だ。」
「俺は俺というテロリストを助け、お前というテロリストを生み出した。共和国にとって悪くない働きだ」
「密告も戦略だ。この戦争はお前の想像もつかないほど大きくて奥深いゲームなんだ」

ジョン「名誉ある戦争だ」

トーマス「名誉なんてものは、ない。勝つためにたまを撃ち続けるとでも思ってたのか」

ジョン「ああ」

トーマス「勝てるわけ無いだろう。こっちも降伏しない。向こうも降伏しない。この戦争は終わらない」

ジョン「じゃあなんのために戦ってんだ」

(ジョンの頭を持って)
トーマス「ははは、ジョン。わかってきたな。実に革命家らしい発言だ」
(ジョンはトーマスの手を払う)

トーマス「俺達は勝つために戦ってるんじゃない。相手の勝利を阻止するために戦ってるんだ。この戦争を次の世代まで繋げられたら、それが俺達の勝利だ」

楽曲『終わらない』

ジョン「お前のような人間はアイルランド共和国にいらない」

ジョンは拳銃をトーマスに向ける

トーマス「そうだな。俺はいらない。今はお前がいるからな」

ジョンは引き金を引けない

トーマス「なんだ?うてないのか。俺はお前を過大評価してたな」

ジョン「今のお前を撃つことはできる。でも、昔のお前を撃つことができないんだ」

銃を下ろすジョン。

ジョン「俺達は友達だった。俺達はサッカーをした」
泣いた声で。

トーマスも声を震わせる。

トーマス「もう俺がどんな人間がわかったろ。俺はお前以外にも警察に売ってる。俺は次の誕生日まで生きられない。明日生きているかどうかもわからないんだ」

ジョン「俺は船の時間がある。」

ジョンは逃げるように去った。
泣きながらトーマスは椅子に座る。
そこにやってきた二人の男。トーマスを挟むように座る。

がたっとトーマスが立ち上がると、二人も立ち上がる。
諦めて連れて行かれるトーマス。

舞台から捌けると、、大きな銃声が響く

このTBGの中で最も印象に残ったセリフが、トーマスの
「俺達は勝つために戦ってるんじゃない。相手の勝利を阻止するために戦ってるんだ。この戦争を次の世代まで繋げられたら、それが俺達の勝利だ」
です。

衝撃でした。

勝つためではなく、負けないために戦争する。
そして、次の世代に戦争をつなげる、それが勝利だなんて。
なんて悲しくて辛い現実なのだろうと。

メアリーがこのあとのシーンで
「一つの世代がまるごと打ちのめされ、生きるはずだった人生を。生きるに値する人生を奪われた。」
って言うのですが、そんな戦争を次に託すなんてどう考えたって負けじゃないですか。

でも、それが勝ちだと思わなきゃいけない。 

トーマスは頭がいいからこそ、負けたらもっとひどい状況になると考えて、勝てないとわかっている戦争に命も友もすべて賭けてしまう。
普通の人なら、名誉のための戦争だと心を奮い立たせることができるかもしれないけれど、トーマスは頭がいいからこそ名誉ない戦争とわかっていても戦わなきゃいけなかった。

実は誰よりも苦しかったんじゃないかと思います。

だから、殺される直前にジョンに会えたことは幸せだったかもしれません。
昔のお前を撃つことができない、つまりはまだ友情を感じていると伝えてもらうことができたのですから。

ジョンは港にいた
早足で歩いていたがふと立ち止まり、ポケットの中の写真を取り出して眺める

(舞台には写真が大きく投影される)

オドネルが出てきて(回想のイメージ)
「この写真を1枚ずつ持ってなさい。憎しみに溢れた世界だが、堕落するな、負けるな。青春時代の約束に忠実であれ。この写真を見れば自分が何者であったか思い出せるだろう。この写真に写っているお前が本当のお前だ。どんな大人になるかはお前たち次第だ」

ジョンは早足で歩いて捌ける

エンディング

(メアリーの語り)
1969年の素晴らしいチーム
優勝したあのチーム
ジンジャー死亡
ダニエル障害を負う
トーマス死亡
デルアメリカへ逃亡
そして、ジョンケリー テロリストとして人殺しの道を進もうとしている

(メアリーのセリフにあわせて、ひとりひとりがかつてのサッカーのプレイをする)

私は一人取り残された
バーナデットも一人
クリスティンは地球の裏側

一つの世代がまるごと打ちのめされ、生きるはずだった人生を。生きるに値する人生を奪われた、。

メアリーは赤ちゃんの前で膝をついて悲しみにくれる。

楽曲『すべての愛』を歌うが途中で悲しみのあまり歌えなくなる

そこに響くジョンの声
歌の続きをジョンが歌う
ゆっくり歩いてメアリーに近づく

二人は抱き合う

ジョンは顔を手でおおって緊張と嬉しさが混じった様子で赤ちゃんに近づく。
コートを脱いでメアリーに預けると、赤ちゃんを抱き上げる。

舞台にバーナデットなどたくさんの人が出てきて楽曲『ビューティフルゲーム』を歌う
斜め上を見て、明るい未来を見据えたように歌う。

ジョンは真っ直ぐだからこそ、監獄で憎しみに染まり、名誉ある戦争と信じて戦おうとした。
止めてくれたのはメアリーの思いと、そして、トーマスだったのだと思います。

だって、本当にジョンをIRAの戦士として戦地に立たせたいなら、戦争の現実なんて教えなければよかったんです。
名誉ある戦争だと思い込ませて、戦わせればいい。 

それでもトーマスはこの戦争に名誉がないことをジョンに伝えた。
それはトーマスに残った良心であり、ジョンという友へ向けた優しさだったのかもしれません。

5回観ての変遷と印象深いシーン

わたしは計5回、以下の日程で見させてもらいました。

1/8(日) 13:00  ※1階席前方
1/15(日)13:00 ※1階席中程
1/19(木)13:00 ※2階席中程
1/20(金)13:00 ※2階席後方
1/25(水)18:00 ※2階席後方

1/8は1階席の前から5列目くらいで見れたので、近すぎて全体はあまり見えませんでしたが、小瀧望の演技を肉眼でガッツリ堪能することができました。
自分が喋らないときにも細かく演技をしているのがわかり、嬉しかったです。

1/15以降は全体を見ることができて、舞台で役者たちによって1つの世界が構築される様が印象的でした。
今回のTBGでは舞台上にあるのが岩の壁と檻、教会くらいで、どれも背景レベル。
舞台美術が少なめで、とてもシンプルでした。
だからこそ、ただ役者の力量で世界が紡がれていくような印象が強かったんです。

舞台は生もの。
1回1回変わるのが、映画とかと違って面白いところです。
特にジンジャーが殺されたあとのシーン。
トーマスとメアリーが口論する場面では、ジョンは客席にほぼ背を向けていて、横顔だけが見える形です。
ここでのジョンの表情は回ごとに違いがあったように思います。
感情が溢れて涙を流している日もあれば、涙を流さず心を閉じ込めているような日もありました。
ジョンとして舞台で生きる小瀧望のその時の感情で、違っていたのだと思います。

小瀧望以外でいうと、トーマスを演じた東啓介さんの演技がとても好きでした。
トーマスは情熱と冷静を併せ持ったような人で、友を大切に思いながらも友を利用する冷徹さを持っていて、なんとも難しい役柄だと思います。
トーマスがただ冷徹でひどい人に見えたらいけないと思うんです。
ジョンが大切な友達だったと評することに信憑性がなきゃいけないと。

その微妙なさじ加減をうまく演じていたと思います。
そして、歌も上手でした。低くてよく響く。

ジョンとトーマスが最後にバーで話すシーンはそれぞれの想いのぶつかり合いが凄まじく、とても印象に残っています。

あとはやはりメアリー役の木下晴香さん。
彼女は歌が本当にうまい。今回の役者さんたちはみんな歌がうまかったですが、木下さんは頭一つ抜きん出ていた気がします。
ダニエルが膝を撃たれたあとのメアリーの歌唱『こんなことのために戦うなら』は見事でした。
こんな戦争なら勝たなくていい。その悲痛な叫びに、会場からはひときわ大きな拍手が注がれていました。

トーマスは勝つことのできないとわかっている戦争でも負けるわけにもいかないと、友を裏切ってでも戦争を続ける道を選びました。
でも、きっとメアリーは友を裏切るくらいなら負けることを選ぶ人です。

どちらが正しいかなんて、軽々しく意見できませんが、その選択をさせようとする状況自体が間違っているとしか言えないでしょう。

There was never a good war or a bad peace.
いい戦争も悪い平和も決して存在しない。

TBGの強いメッセージです。

日生劇場という舞台

日生劇場はWEST.が7人でのデビューを発表した、いわばWEST.始まりの地。
WEST.のデビューの経緯は前にnoteで書かせてもらっているとおりですが、4人でデビューすると発表までした中で、それでも事務所と戦って7人でのデビューを勝ち取りました。

だからこそ7人でのデビューを発表した日生劇場はWEST.メンバーにとっても、ファンにとっても強い思い入れがある場所です。

その日生劇場で初のミュージカル出演にして主演を飾った小瀧望。
自身の成長に想いもひとしおだったに違いありません。

私は日生劇場に足を踏み入れるのはこのTBGが初めてでした。

クジラの口のような構造と岩肌が、他の劇場とは一線を画します。
DVDで見た、7人でデビューしますと発表した瞬間が浮かんで、ここがWEST.始まりの地なのか、と思うとそれだけで感動でした。

その日生劇場で初めてのミュージカルに奮闘し、座長として頑張る小瀧望を見ることができて本当に良かったです。
ファンとして感涙ものでした。

最後に

5回も観劇できたので、覚えている部分も多く、未だに頭の中でメロディが再生されます。
音楽の力というものは凄まじいな、と思わされました。

このTBG以来、小瀧望の歌唱力は跳ね上がりました。
それまでも十分上手だったのですが、歌番組でもコンサートでも音を全然外さなくなりましたし、音の上げ下げで無理して苦しそうな場面が無くなりました。

後発的にこんなにうまくなれるものなのかと驚きが隠せません。

もともとWEST.の歌うまといえば、桐山照史・神山智洋・濵田崇裕の3人で、彼らはジュニア時代から本当に上手でした。

濵田崇裕が言うには、小瀧望はジュニア時代は歌が下手だったそうなんです。
過去の映像を見ると、下手かどうかはわかりませんが、たしかに今のようにうまくはありませんでした。

それがまさかこんなに歌がうまくなるなんて。
「小瀧望はミュージカルを経験して歌がうまくなった」
これは多くのファンがX(旧Twitter)で呟いているのを見かけるので、私一人の感想ではないのです。

小瀧望は挑戦と成長の人。
私はそう思っています。
現状に決して満足せず、全力で挑戦して成長する。
そうしてどんどん実力をつけていっています。

WEST.メンバーが追うべき背中を見せてくれるのも大きいかもしれません。
WEST.は実力ある人たちの集まりなので、
例えば歌がうまくなっても桐山照史や神山智洋のような音を外さず、歌のテクニックも多く持った、まだまだ追いかけさせてくれる背中があります。
ミュージカル『キャメロット』も観劇しましたが、桐山照史の歌唱力はさすがでした。WEST.で歌うときとは全然違う低音の歌声に震えました。音程も確かでしたし、抑揚の付け方も見事でした。小さい声で歌う場面でさえ、小さいのによく響く歌声で素晴らしかったです。

演技だって、小瀧望は読売演劇大賞の優秀男優賞と杉村春子賞(新人賞)を受賞した実力者ですが、重岡大毅のように演技で高い評価を得て、ドラマ・映画に引っ張りだこのメンバーがいるので、まだまだ頑張ろう!と思えるはずです。

そんなWEST.のファンで居られることが誇らしいし、小瀧望にはこれからもどんどん成長していってほしいなと思っています。

ファンとして小瀧望の歌唱成長の分岐点となったTBGを観劇できたこと、嬉しく思います。

次はどんな挑戦と成長を見せてくれるのか、楽しみです。

唯畏

○関連note


この記事が参加している募集

おすすめミュージカル

舞台感想

おすすめミュージカル

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?