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Mixed Juice〜ジャニーズWESTのコンサートに初参戦してみた(ネタバレあり)〜

イェイイェイイェイイェーイ
超ジュース、イェーーイ

なんて伸びやかで気持ちのいい歌声だろう。

コンサートが始まって、その第一声だけで、今日コンサートに来た元は取れたと胸をなでおろす。

Mixed Juice

今日は静岡のエコパアリーナで行われるジャニーズWESTのライブツアー「Mixed Juice」の初日。
昼に第一回の公演を終えた夕方の部。

女性たちがぞろぞろとアリーナへと歩を進め、電子チケットでの入場を済ませていく。入場時の検温も今となっては見慣れた風景だ。

席につく。
私の座席は西スタンド8列目。会場のだいぶ後方よりの端。本ステージは遠く、見づらいが、がっかりするほどの席でもない。前は大きくスペースが空いていて、外周が組まれている都合、角に来たときにはうまく姿も拝めそうだ。

コロナ禍であるためコールも歓声もない中ではあるが、開演前のちょっと可愛い映像なんかで会場から笑い声が漏れる。開演直前にはざわざわと緊張感と高揚をミックスしたような空気が流れていた。

そして、スタートのカウントダウン表示がゼロになるとステージの真ん中から7つの階段が現れ、奥にメンバー。
濵田崇裕の歌声から幕を開けたのである。

アルバム「Mixed Juice」を引っさげての今回のツアー。1曲目はその幕開けにふさわしくアルバム表題曲の「Mixed Juice」だった。

元気で勢いある歌

いろんなジャンル、いろんな年代をごちゃまぜにミックスした結果どんな音楽ができてくるか。そんなワクワクを詰め込んだ今回のアルバム。

表題曲の「Mixed Juice」はYouTubeにもあがっているので聞いてみてほしいが、中間淳太いわく、見て楽しい音楽でもあるかな、とのこと。

これだけポップな音楽をこれだけ楽しげに歌い上げてなお、ちゃんちゃらおかしくなることなく、素晴らしい音楽として成立させている。それは音程が正確で歌がうまいとされる神山智洋を筆頭に、彼らの確かな歌唱力があってこそ成せる技なのだろう。

特に冒頭でも話したとおり、濵田崇裕の第一声、まっすぐ伸びる声に心が揺さぶられた。私がそうであるだけかもしれないが、感動させようとしてくる歌声はどこか押し付けがましくて逆に興が冷めるのだが、濵田崇裕の歌声はそのいやらしさが一切なく実に気持ちのいいものである。

それからデビュー曲である「ええじゃないか」やバレーボールの大会で歌われた「Big Shot!!」などが歌われ会場のボルテージは終始MAX。

元気で勢いある歌声、というのはデビュー曲から続くジャニーズWESTの一つの武器だろう。ジャニーズWESTが歌うとなんだか元気が出る、というのは多くの人に共通の認識であると思うし、年末に行われたジャニフェスではジャニーズWESTをはじめとする関西勢が出たときの盛り上がりが全体のいいスパイスとなっていた。

心に沁みる切ない歌

ただ、ジャニーズWESTをそれだけのグループだと思ってはいけない。心に沁みる切ない曲だって歌い上げることができるグループだ。

私の印象に残ったということでいうと「情熱」という曲がある。これは重岡・桐山・濵田の三人で歌うユニット曲であるが、ジャニーズとは思えないアーティスティックな表現力に度肝を抜かれた。

始まりは重岡大毅のハーモニカ。切ない音色が会場に響く。それから、歌と三人のハーモニカが絡み合い、夕方の空が思い浮かぶような、なんとも言えない感傷に浸ってしまった。

短いもののこれもYouTubeにあがっているので、ぜひ聞いてみてほしい。情熱というタイトルでありながらしんみりさせられる良曲だ。

心に沁みる切ない曲、ということでいうとバラードコーナーというのか、アコースティックバージョンなどでしんみり聞かせるタイムがあり、その間はファンも立つことなく座って曲に聞き入った。
ジャニーズのコンサートでもこういう時間があるのかと驚いたものだが、ジャニーズWESTの実力ならばむしろない方がおかしいか。

重岡がキーボード、神山と濱田がギターを鳴らし、7人で音を紡ぐ。そうして披露された「涙腺」はしんみりと心を落ち着けてくれた。その後、アコースティックバージョンとして披露された「アメノチハレ」はそこに桐山のパーカッションが加わり、ジャニーズWESTの、歌だけではなく楽器もできるのだという芸達者ぶりが露呈する。

明日への応援歌

なるほど、元気いっぱいの曲も、切ない曲も歌えるんだな。、、と、そこで満足してはいけない。
私が思うジャニーズWESTの曲の最大の魅力は、明日への応援歌だ。背中を押してくれる応援歌こそジャニーズWESTの真骨頂であり、秀でた部分であると思うのだ。

もちろん「ええじゃないか」など元気あふれる曲も立派な応援歌だと思うわけだが、私がここで言っているのはただ元気いっぱいなのとは違うどこか物悲しささえある曲調で傷ついた心に寄り添いながらも、力強く背中を押してくれるようなそんな曲たちのことだ。
違いを説明するのがなかなか難しいが、、辛いとき苦しいときに元気いっぱいの曲を聞くと余計に悲しくなったりするときがないだろうか。自己嫌悪が増すというのか、こんなことで苦しんでいる自分が悪いんだ、、ともっと心が沈んだり。もちろんそうならない人もいるだろうが、私はそういうときがある。
だから、ジャニーズWESTの苦しみに寄り添いながら励ましてくれるような応援歌が好きなのだ。

今回、感動的だったのは「証拠」から「僕らの理由」と続く部分。どちらも私が大好きなジャニーズWESTの応援歌である。

どちらもYouTubeにあがっているので聞いてほしいのだが、私の言っている意味がよくわかると思う。
ああ、たしかに寄り添ってくれている、と。

歌詞が、曲が、というのはもちろんそうだが、これらを力強く、かつ優しく歌い上げるメンバーひとりひとりがあって、心に響くのだろう。

コンサートに参戦すると、ジャニーズWESTの不動のセンターである重岡大毅に心が震える。ジャニーズWESTを他のジャニーズグループと一線を画す存在にする第一要因はこの人だろう。
ロッカーというのか。力強く情熱的で、でも繊細で優しくて感受性豊かな人。常に動き回って、メンバーにアイコンタクトをしながらジャニーズWESTを盛り上げて、でも、本当はとっても人見知りで物静かで、考え方が大人な人。

ジャニーズWESTは重岡大毅がセンターだからこそ成り立っているグループだと思わされる。トークを仕切るのは中間や桐山なことが多いので、まとめ役となればそっちかもしれないが、こと曲を歌うとなったときの重岡大毅の存在感はとてつもなく大きい。

応援歌ということでいうともう一つ曲を挙げたい。
それはアンコールで歌われた「進むしかねぇ」だ。
これはテレビ朝日系列で放送されているジャニーズWESTの冠番組「リア突WEST」のテーマソングでもあるが、まさしく明日への応援歌である。

今はなんも見えなくても ただ過ぎる毎日だけど
あっちこっちぶつかって 辿り着ける場所がある
だから見守ってくれよな 猪突猛進 我が人生
お前らと共に行けるなら 楽しくなるさ

作詞・作曲:田尻知之(note native)・本澤尚之

ジャニーズWESTの応援歌は寄り添ってくれるようだといったように、お互い頑張っていこうぜというメッセージを感じることができる。
歌詞はもちろん、何より7人のその気持ちが伝わってくるのだ。

ただそれっぽく歌ってるだけの人たちとは違う。心から歌って届けて、それが伝わるからジャニーズWESTの応援歌は支持される。YouTubeのコメント欄を見たときに、ジャニーズWESTファンに限らず、救われた、励まされたというコメントで溢れているのはそういう理由だろう。

面白い、も忘れずに

そして、ジャニーズWESTで忘れてはいけないのは笑いのセンス。そこらの芸人より面白い。トークは淀み無くボケとツッコミが入り混じり、飽きる暇がない。
そして、それはトークに限らず歌でまで発揮された。

アンコールで披露された「しらんけど」は、アルバム「Mixed Juice」において、一番の問題作であり、ジャニーズWESTの魅力が出まくっている最良作でもあるだろう。
こんなに面白い曲に初めて出会った。

関西人が口癖のように使う「知らんけど」という言葉に着目し、コミカルに表現している。その面白い歌詞を7人がとてつもなく真面目に歌い上げているところが何より面白い。

歌詞をよく聞かずに歌だけ聞けば切なさとかっこよさが入り混じった名曲に聞こえることだろう。それがちゃんと歌詞まで聞いてみると本当にくだらないのだ笑

この笑いのセンスと、それを成せるだけの歌唱力・表現力。まさしくジャニーズWESTにしか歌えない最高の一曲だ。

最後に

ジャニーズのコンサートを見に行っているのだから、もちろん顔が見たいとかそういう思いがあったわけだが、エコパアリーナは小さめの箱なので、全員の顔を肉眼で確認できて、大満足である。

藤井流星は髪を上げていてかっこよさがマシマシになっていたし、桐山照史は前髪が目にかかっているのがかっこいい上にファンサまで男らしくて惚れそうになったし、小瀧望は可愛い笑顔とちょっと口の開いた表情がたまらなかったし、中間淳太はマントをはためかせてどこの王子様ですか!という感じだったし、、。

でも、終わってみれば「歌最高だった」が一番の感想だ。

歌が下手な人が一人もいない、どころか、他のグループだったら一番歌うまいと言われているだろう人がゴロゴロしている化け物グループ、ジャニーズWEST。

その実力の高さを生のコンサートで改めて実感した次第だ。

ジャニーズWESTの実力がまだ世間に発見されていないことのほうが奇跡。歌のうまさ、面白さ、メンバーの絆、どれをとっても売れる要素しかない。
じわじわと上り調子のこのグループが大きく爆発するのは、まもなくかもしれない。

唯畏


○関連note ○


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