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流行りにのれない私がつくる、バスクチーズケーキパイ

私という人間は、どうも流行りに疎い。

否、まったく疎いというわけではないけれど、みんなが興味を示して熱狂している間は、それに興味を持つことがない。

それこそ30代前半くらいまでは、テレビの情報番組やファッション&美容雑誌を隅々まで眺め、努めて流行りにのろうしていたような気が1ミクロンほどはしているが、30半ばあたりからは、それがパタリと止んだ。

タピオカは飲んだことがないし、なにやらマリオっぽい名前の生クリームまみれのパンも認識はしていたけれどもついぞ食べることはなかったし、映えるふわふわパンケーキ?森永のホットケーキミックスでいいんだよ!

年齢を重ねるにつれ、よくもわるくも好みがはっきりしてきたということなのだろう。冒険なんてしなくていい、いつものあれ、定番のやつがいいんだよ定番のやつ。
とかなんとかいいながら、30半ばにして祖国を発ち、果てはユーラシア大陸の西端まで流れ着いてきてしまったそう私は流浪の民。


一方、そのブームが終わってみんなが忘れた頃にふと、そういえば昔流行ってたな?と、マイブームが訪れることはよくある。

ひと昔前によくその名を耳にしたバスクチーズケーキなるものも、流行っていた当時、食べた記憶がない。調べてみると、日本でバスクチーズケーキが流行ったのは2018年のことだという。2018年といえば、バリバリ東京にいたんだけどな、私。コンビニでも浴びるほどバスチーなるものを目にしていたけれど、決まって買うのは森永アロエヨーグルトかブルガリアのでかいブルーベリーヨーグルト。

しかも2018年の夏休みは、フレンチバスク起点にサン=セバスティアン(通称サンセバ)からビルバオまで足を伸ばした。サンセバでバスクチーズケーキ発祥のバル、La Viñaラ・ヴィーニャの前を通ったけど、スルー。今思うととても残念なことをした。

2015年くらいにもサンセバには行ったことがあるけれども、そのときはまだ胃袋が強靭だったこともあり、女ふたりで序盤からバルを数件ハシゴ。飛ばしすぎてお腹がはち切れ寸前で、このお店のチーズケーキが有名ということは認識していたのにいけなかった。

こんなのとか
こんなのを山ほど食べてしまったものでね・・・。


そんな悔しい思いも残る、バスクチーズケーキ。いい加減、世間の流行りも去った頃だ、つくってみることにしよう。レシピは、最近お世話になりがちな三越伊勢丹レシピから。


いつも作っているチーズケーキとの違いがよくわからないよ?な材料。クリームチーズに砂糖、卵、小麦粉、生クリームを加えるだけとのこと。


ふと、冷蔵庫をのぞけば我が家のあるある、賞味期限の迫りつつあるパイ生地がたっくさんある。バスクチーズケーキには土台的なものはなくて、型紙をくしゃくしゃにしてOKとのことだけれども、ここはちょいとオリジナリティを出そうかね。

下の3つは月曜日までに消費しなくてはならない

このパイ生地は直径32cm用型の巨大生地+オーブンシートまでついてくれているので、これをこのままセルクル型に敷き込んでパイの器をつくってみよう。

型からはみ出た部分をカットして、フォークでピケ
重し(豆)をのせて、200度で15分ほど焼いてみた


なかなかいい感じの型ができたので、チーズケーキの生地にとりかかろう。ご近所カルフールで売られている最大サイズのフィラデルフィアが300g入りだったので、それに合わせて三越伊勢丹レシピの分量を0.6掛けにする。

クリームチーズ…300g、グラニュー糖…90g、溶き卵…小さめ3個分(約144g)、薄力粉…大さじ1とちょっと、生クリーム…240ml

あとはひたすら混ぜていくのみ。本当にラクちんで最高。

まずはクリームチーズを練る
レシピにあるように、クリームチーズを室温で柔らかくしておくのがポイントな気がした
グラニュー糖を加えてよく混ぜる
溶き卵を数回に分けて加えて混ぜる
薄力粉をパッパ
ふるう必要なしとわざわざ書いてくださるのがいい
最後に生クリームで仕上げ

この時点でもうチーズケーキなのだけど、ちゃんと焼きましょうね。

パイ器に流し込む
表面の気泡を軽く消して、オーブンへ

220度で45分だなんて、パイ生地の縁が炭素化間違いなしと踏んだので、最初からアルミホイルを被せて焼いた。

焼き上がりはスフレみたい

アルミホイルを外す。許容範囲の焦げでしょう!そもそもバスクチーズケーキってポイントは焦げだもんね。

アルミホイルを被せてなかったら恐ろしいことになっていただろう

この状態で熱が取れたら、冷蔵庫に入れて一晩お休みいただき、翌朝を待ってお皿の上へ。

もう少し生地表面に焦げ目をつけてもよかったのかな?
型取れを若干気にしていたけど、まったく問題なかった

そういえば、パイ器を作ったときの型からはみ出した部分。パイ生地を焼いている間に無意識のうちに3本にして編んでいて、気づいたらリボンに変身していましたよ。嗚呼ここにも編み狂の片鱗が。

まあ、デコレーションというやつですな
リボンデコをのせてみる
言われなきゃなにかよくわからないなこれ(笑)

カッティングしてみる。オーブンから出してすぐはプルンプルンしていたけれど、長らく冷蔵庫でお休みになったのでしっかりと固まっていた。朝ごはんに一切れ、いただいてみよう。

きれいな断面!
見た目からしてなめらかそうな食感


いやー、素晴らしい出来。とても美味しい!!
いつものチーズケーキよりもこってりしていて(たぶんレモン汁を入れてないから?)、でも重すぎず。食感はテリーヌと生クリーム入り焼きプリンを足して2で割った感じといいますか。

あとパイ生地もナイスアイデアだったと思う。食感の違いが出て飽きずに最後までいける。


ああなるほどねー、これが流行ったのかーと、2018年に思いを馳せつつ、夢中になって半分ほど食べたところで、美味しい塩をひとつまみのせてみるなど。

ちなみに私はつまみを塩に酒を飲むひとです

「もう、これはどうしたって赤ワイン案件じゃないの!!!」

思わず叫びそうになった。

現在、健康生活強化月間により禁酒を強いているので赤ワインペアリングはかなわないが、強化月間が開けたら赤ワイン×塩バスクチーズケーキつまみ、一番にやりたいと思う。


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