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不登校が29万9千人「10年連続増加で過去最多」を読み解く

文部科学省が毎年実施している「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」が今年も発表されました。
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前回に引き続いて増加

この調査は、令和4年4月1日から令和5年3月31日までの実態について、文部科学省が各学校からの回答を取りまとめたものです。

令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要

左側が不登校児童生徒数
小学校 105,112人 中学校 193,936人
 合計299,048人

右側が1000人当たりの不登校児童生徒数
小学校17.0人 中学校 59.8人

グラフで見るとより分かりやすく、急角度で増加していることが見てとれます。

無気力・無関心は「要因」なのか?

令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要

不登校の「要因」について、無気力・無関心51.8%でダントツ1位となりました。ちなみに、前回(令和4年度調査)もこの項目が49.7%を占めています。

ここでポイントなのは、調査の回答者が学校である、ということです。
不登校の当事者である子どもや保護者ではなく、学校側からみて多くの子どもの不登校要因は無気力・無関心であるということ。

ところで、無気力・無関心って、「要因」なのでしょうか。
いじめや環境変化など、様々なストレスでエネルギーがすり減った結果として無気力・無関心になり、それが不登校という形で現れるのでしょう。

つまり、無気力・無関心というのは、別の要因で起きる結果です。
それが、「要因」の項目に並んでいることに違和感を感じます。

調査項目の見直しや、当事者への調査が必要

不登校については、ここにきて急増したというよりも、いままでカウントされていなかったものが統計に反映され始めたのだと思っています。

文部科学省は今回の結果を受け、令和6年度に行う予定の支援策を前倒しするということを発表しました。
スピーディーに取り組むことも必要ですが、その支援が本当に子どもたちと保護者の助けになるのか、という視点が大切です。

不登校初期の子どもには、なによりも休養が必要なのに、いきなり支援策へ繋がるよう促され続けたら…おそらく逆効果になるでしょう。

当事者の求めていることを調査し、その結果を支援策や学校向け調査の項目に反映させていけば、より効果的なのではないかと感じます。

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去年の今頃も、この調査の結果について記事を書きました。
もしよろしければ、合わせてごらんください。


「不登校」や「ホームスクーリング」など様々なテーマで連載をしているため、全体をまとめたページを作っています。
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