「everything everywhere all at once」を見た感想

本日、アカデミー賞を受賞して話題となった、「everything everywhere all at once」を見てきました。その感想を取りとめもなく綴ろうと思います。

まず、この物語はマルチバースで、私はその辺の理論がよくわかりませんが、パラレルワールドが人生の選択一つ一つに誕生し、登場人物たちがその数えきれない莫大な宇宙を飛び回っている話です。

まず、この映画のすごいなあ、と思ったところが、マルチバースのカオスな世界を行ったり来たりしていますが、私の考える主題である「家族愛」「やさしさ」ということにうまくきれいに収束していきます。

始まりから中国語と英語が交互に使われ、カオス感がありますが、それが劇中で加速していきます。でも最後には、きれいにシンプルな主題に落ち着いていく。このきれいな対比がお互いをさらに引き立たせているのかなあとも思います。

劇中の登場人物の衣装や、世界も非常におもしろかったですね^^

また、考えさせられたことは、世の中のすべてが一期一会なのだなあ、と。この映画を見た後、「この人のことが大っ嫌いだけど、別の世界では心の底から愛してたのかもしれない」と思いました。

そういう好き嫌いの感情も一期一会で、全てはありえたかもしれない、、、

私の好きな「大豆田とわ子と三人の元夫」というドラマがあります。
そこで、非常に好きなセリフがあります。

「過去とか未来とか現在とか、そういうのってどっかの誰かが勝手に決めたことだと思うんです。
時間って別に過ぎていくものじゃなくて場所っていうかその別のところにあるもんだと思うんです。
人間は現在だけを生きているんじゃない
5歳、10歳、20歳、30、40、その時その時を人は懸命に生きてて
それじゃ別に過ぎ去ってしまったものなんかじゃなくて
あなたが笑っている彼女が今も手をつないでいて、今からだっていつだって気持ちを伝えることができる、、、」

これは時間軸の話。そしてこの映画は世界線の話。

私はこういう考え方が好きです。
実際はどうであれ、一歩引いて考えることで、現在目の前にあるものは時間軸や広いマルチバースのただ一つの点でしかない。
そう考えると、ある人と今まで過ごしてきた多くの点、これから過ごすであろう多くの点、そういうことが感じられて、よりその人を大切にしようと考えることができます。

人だけじゃなくて、今まで自分がたどってきた道、築き上げた価値観、そういうことにも言えるのではないでしょうか。

私が今見えているのはたった一つの点。

たった一つだけど、それがその一つが世界を作っている。大切な点。

なんか今日が悪い日でも、明日は何とかなるか、って思えるし、今までの点がなくなったわけではないなあって思えるし、、、私が楽観的だからですかね(笑)

いい映画でした。いい一日でした。
それでは失礼します。

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