なんだ、女か。

こんにちは。
前回の記事から続きます。

家のローンが無いということは
一見いいことのように聞こえますが
そうでもないことの理由は、

『先祖代々から受け継がれた土地を守らなければならない』ということに
縛られてしまうからです。

健全な家庭であれば、
相続をした後は、土地の所有権は相続した側に任せて、
要らなくなったら売却したり、
資産運用をしたりと、その時々の状況に応じて
お金を動かすのですが、

私の家系のようにゴリゴリの保守派で
特に資産を運用するわけでもなく
『土地を守り、次世代に引き継ぐこと』を重視する家だと
様々な問題が出てきます。

まず、先代が亡くなったら
当然次の世代が引き継ぎます。
(旧家はたいてい長男が引き継ぎます。)

なので、旧家にありがちなのが
跡取りである男の子が必要なのです。

私の家系(今後、М家と呼びます。)の
初孫は私です。

つまり、
本家より先に、分家に子どもが生まれてしまったということです。

しかも、当時は男の子が跡取りになるのが
M家では当たり前で
分家のM家の跡取りになれない方の性別が生まれてしまったということで、
本家にいる父の母(私から見て父方の祖母)は、

生まれた私を見て

『なんだ、女か。』とだけ言ったそうです。

生まれてすぐ、存在そのものを否定されるという。笑
生まれたばかりの私からしたらとばっちりもいいところなのですが……

跡取りが欲しい祖母としては
本家も分家も跡取りの男の子を早く産んでほしかったんでしょう。

母方の祖父母は
サラリーマン家系ということもあり、
第一子が女の子でも何もおとがめなしだったし
誕生を喜んでくれたのですが、

父方の祖母がこの調子だったので
分家の私の父と母、本家の兄夫婦は
さぞかしプレッシャーだったと思います。

本家・分家のお嫁さんは相当精神的にきていたんじゃないかなと。

そもそも子どもって授かりものだし、
母親が意図的に産み分けられるものでもないし、
元気で生まれてくれたらそれでいいはずなのにね。

特に本家は、分家以上に跡取りを生まないと
家が存続できず、家系が途絶えてしまうので、
父の兄のお嫁さんは精神的にきつかったと思います。

結局、生まれた順番は
私(分家)→弟・いとこ(女の子)→いとこ(男の子)
だったので、

本家も分家も
一姫二太郎で落ち着きました。

大人たちはそれぞれの立場から
ほっとしたのではないかと思います。

実際、本家の父の兄のお嫁さんは
男の子が生まれるまでは子どもを作らなければならなかったので
これで安心したと言っていたそうです。

本家と分家それぞれに
跡取りが生まれたので
先代の父がそれぞれ亡くなった際には、
息子たちが土地を引き継ぐのですが、
ここで困ったことが起きました。

それが何かは、
次回の記事に続きます。



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