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日本一周 京都・滋賀編

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日本一細かい京都・滋賀旅行の記録。
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2022年1月の記事一覧

【日本一周 京都・滋賀編9】 高級うどん

・大盛りは量が多いから大盛り  先ほど見つけたうどん屋の名前はずばり「鴨川製麺所」。京都観光客の琴線にたやすく触れる名前である。それに鴨川という単なる川の名前にもかかわらず、「鴨」という美味な食材の名前が入っているためにうっかりすると暗示にかかってしまう。注意が必要だ。  メニューはシンプルなすうどんから明太クリームうどんまで、ビギナーから上級者まで楽しめるバラエティに富んだ品揃えである。好奇心から初手明太クリームうどんの暴挙に出そうになったが、すんでのところで踏みとどま

【日本一周 京都・滋賀編10】 棚から京博

 期待していた養源院が開いていなかったり、方広寺を思いの外すんなり観光できたり、昼食をすばやく食べられたりしたために、京都国立博物館を訪れる時間を捻出することができた。それも一時間半ほど。  我々は国立の主要な博物館のキャンパスメンバーであるため、上野の科博や東博、西洋美術館などは無料で入ることができる。それの延長として、国立博物館たる京博も無料で見られるのではないかという淡い期待を抱いて、我らが学生証を振りかざして入場ゲートを通ろうとしたら、係のおばさんに申し訳なさそうに

【日本一周 京都・滋賀編11】 国立博物館制覇を目指して

・国立博物館制覇を目指して  明石の提案で急遽、京都国立博物館に行くことになった。タイトな旅程を組んでいたはずだが、ここまで巻きで進んできたおかげで、テキパキ行動すれば十分周れると判断したのである。  「日本三景」、「日本三大ガッカリ名所」などなど、何かしらの括りを見つけると制覇したくなる我々である。ここは東京、京都、奈良、九州からなる「国立博物館」の一角を担う地であり、今後の予定からして、制覇の難易度も易しめであるため、見学することになった。  東京国立博物館は学生証

【日本一周 京都・滋賀編12】 脱力銀閣寺ぃ~

・疲労の色も見えない  次はいよいよ初日最後の目的地である銀閣寺。京博からだと50分近くバスに揺られることになるため、ゴールデンスランバーを堪能するつもりだった。しかし、その願いはむなしく水泡に帰した。  後ろの席に大学生らしき女子二人組がやってきて、「最近韓国ドラマばっかり見てるわー」と女子大生の雛形のような会話をし始めた。さらに、「そのせいで二外(大学生の履修する第二外国語の略)の中国語よりも、韓国語の方がわかるかも」とこれまた定型的なオチをつけている。しかし、常識の

【日本一周 京都・滋賀編13】 京都の激安宿と昔ながらの銭湯

 銀閣寺を後にした我々は、ようやくこの旅行の拠点となる「はる家 梅小路」にやってきた。僕は咋夏に京都を訪れたときに宿泊した以来だったが、相変わらず清潔で、値段も驚くほど安い(大人一人二泊で3,500円)。図書室は充実、ドリンクサービスまである最高の宿である。もっとも、フロントなるものは存在しないため、ポストにて暗証番号を受け取るという防犯意識0のチェックインをする必要がある。部屋は前回と同じ図書室棟の二階を予約していた。久々の図書室に立ち入ると、夏と同じ従業員のお姉さんが清掃

【日本一周 京都・滋賀編14】 寝床と風呂

・ベースキャンプ  本日の宿「はる家梅小路」に到着。明石が前に利用したことがあるとのことで、ハズレでないことは確実だ。宿泊棟の近所に建つ別館のポストから鍵を回収し、部屋に入る。建物は築100年余りとのことで、外観同様、内部も古めかしさが目立つが、清掃がきちんと行き届いているため、全く嫌悪感を抱かせない。このような宿に限ってトイレが汚いことはなかろうが、念のため確認してみると、比較的新型の便器が備え付けられており、心底安心した。別に古式の便所だろうと、清潔でさえあれば構わない

【日本一周 京都・滋賀編15】 夢破れてモスバーガーあり。

・楽しい夕飯  お風呂に浸かってすっかり癒された我々は、次なる幸福の一手として夕飯を所望した。最近の回転寿司業界の動きとしては、スシローの寿司ネタの鮮度のよさがずば抜けている、そんな話をことあるごとにしていたため、今晩はスシローにお世話になることを決めた。Google Mapsにて調べてみると、バスで20分のところにスシロー五条七本松店が店を構えているらしい。早速、東寺東門前からバスに揺られてがたんごとん。一路、スシローへと向かった。  一見平和そうに見えた二人だったが、

【日本一周 京都・滋賀編15.5】 京都で過ごす夜

 夕飯を済ませると、コンビニで日本酒(伏見産!)とおつまみを買い込んでからはる家に戻った。尾道に押しつけ損ねて、一日中リュックで持ち歩いた大量のみかんを宿の炬燵に並べた。実に冬らしい光景である。宿のアメニティとして置いてあった半纏を尾道にまとわせ、みかんや炬燵といった小道具を用いての「東北の純朴そうな青年」の撮影会をした。  一通り盛り上がったあとは、それぞれ自由な時間を過ごした。私は一階の図書室にあった安部公房の短編を読み耽り、心理描写によってのみ読者を惹きつける文章にひ

【日本一周 京都・滋賀編16】 天龍寺の新しすぎるシンボル

 7時起床で7時半には宿を出発する予定だったが、目を覚まして時計を見ると7時半。やばし。てんやわんやで支度をすませ、10分ほどで宿を出た。  なんとか7時50分のバスには乗ろうと近くのバス停へ急いでいると、尾道が財布と携帯を宿に置いてきたことに気がついた。現代における三種の神器を2つも忘れるとは。僕はリュックを預かり、尾道ははる家へとダッシュした。 (今思うとここまで急ぐ必要はなかったような気もするが、結果として充実した午後を過ごせたため英断だったと言えるだろう。)  

【日本一周 京都・滋賀篇17】 天龍寺の拝観料、俺たちにはちとお高いぜ

・内容に見合う価格設定  7時。アラームに起こされて寝ぼけ眼をこする。30分後に出発する予定なので、テキパキ準備を整えないと遅刻してしまう。昨夜は日付が変わるころには就寝したはずだが、それでも疲労は取りきれていないようで、体に気怠さが残っている。  ふと、明石に視線を向けると、未だ夢の中にいるようだ。じゃあもう少し寝ててもいいか。無理に起こすのも悪いし、自分もまだ寝てたいし。  こうして40分も遅れて宿を発った。  本日一発目は天龍寺。駿台の日本史講師から聞いた話だが

【日本一周 京都・滋賀編18】 仁和寺の斬新なプロジェクト

・立ち喰いスパゲッティ  仁和寺行きのバスが来るまで15分あるということで、京都仕様に茶色くそまったローソンで朝ごはんを食べることにした。  たらこスパゲッティを購入した。僕はことにスパゲッティに目がなく、常日頃からお世話になっている。その中で、たらこスパゲッティに抱くのは「信頼」。麺とバターとたらこと海苔の黄金メンツには欠点などない。不味く作る方がはるかに難しいのが、たらこスパゲッティである。  しかし、このローソンのたらこスパゲッティ。めちゃまずい。  バターの

【日本一周 京都・滋賀篇19】 仁和寺×現代アート 異色コラボとの邂逅

・ゼロ・ヒガシダ>仁和寺  御室仁和寺バス停で下車。初めての参拝のつもりでいたが、入り口の仁王門からひたすら直線に伸びる砂利道を目にした瞬間、中3の修学旅行で訪れた記憶が蘇る。(やっぱり何かにきちんと記録しておかないと記憶は綻ぶものですね)  砂利道を進んだ左手にある唐破風が施された門に惹かれて立ち止まる。欄間や側面には鳳凰や唐草模様などの精緻な彫刻が施されてあり、二人してしばらくこれらの意匠に目を凝らした。  ところで、先ほどからずっと気になっていたのだが、境内のあち