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ふたり暮らし日記~入籍への気持ち~

2018年5月:約1年の交際を経てふたり暮らし開始
2019年5月:入籍(令和婚)
2020年12月:第1子誕生予定
なふたり暮らしの日記。
※これは2019年、入籍直前に書いていたもの。

同居人とは”わたしの部屋の更新があるから”というとても現実的な理由で同棲をはじめたので、(あと、しょっちゅうわたしの部屋に連泊してたので、「お前も家賃払えよ」と思ったというのもある笑)まわりから「じゃあ結婚するの?」と聞かれても「え、なんで???」という返事をしてきたのですが、このたびようやく入籍に向けて動き出しました。なので今はいちおう婚約期間中ということに。

ああ、めんどくさすぎて気が重すぎる。入籍にまつわる名義変更の手続きがとにかくやりたくない。マイナンバーとスマホだけでできるようにならんのか。。

正直今でも現在の婚姻制度には「はあ…」という気持ちで、あまりポジティブな気持ちになれない。
免許証もカードもパスポートももろもろの公的書類を全部変えなきゃいけないの超めんどくさい。だいたい平日しか受け付けてくれないし閉まるの早いし、なんでそのために休みをとらなきゃいけないのか。なぜ名字が変わる側だけがその時間&心理コストを背負わねばならぬのか。なんならお金もかかるし。そもそもなんで女性側が名字を変えるのがデフォルトだと思われてるの??

子供のころから両親に「結婚なぞしないほうがいい」と言われてきたため、見事に「結婚なんて絶対したくない。わたし向いてない。」と言う娘に育ってしまったのだけど、これまで人生で2回だけ「結婚したいな…」と思ったことがある。

1:東日本大震災

2011年のあの日、わたしは会社の同期と台湾にいて、のんきに豆花を食べていた。(めちゃくちゃおいしかった)そしたら店員のおばちゃんが「Are you Japanese?」って聞いてきて、うなずいたら血相変えてお店のテレビを見せてくれた。
そこに映っていたのは東北の津波の光景と、「Japan huge earthquake」のテロップ。CGかと思うくらいの激しさで水がやってきていた。映画かと思ったのに、テロップと切迫したアナウンサーの声は、これがまさに今起こっている出来事だと伝えてきている。一瞬で全身の血が逆流するみたいな感覚と、同期の顔から血の気が引いていく様子が忘れられない。

テレビでは東北の映像ばかりが流れていて、東京の被害状況はどうなのか、家族は無事なのかは何もわからず、心がグラグラした状態で半日くらい過ごした。珍しくひとり旅じゃなく会社の同期と一緒だったからよかったけど、ひとりだったら相当不安だったと思う。
その後、家族とは無事に連絡がとれたけど問題は当時付き合っていたひとで、FacebookもTwitterもやってない彼とは全然連絡がとれなかった。(Yahooのアドレスから携帯にメール送った気がする)
当時まだSIMフリー携帯でもなかったのでネットにつなぐにはネットカフェか宿じゃないとダメで、「もし今彼に何かあっても、妻でもないわたしには何の連絡も来ないんだろうな」と思ったら心底ぞっとした。この時はもはやいつ日本に帰れるかもわからない状態だったから、最悪彼が死んでてもなんの連絡も来ないかもしれないのかと思い、「戸籍…戸籍って大事なんだ…結婚しなくては…」と思った。

2:人生初救急車(同乗しただけ)

ある日の明け方、付き合っていたひとが(震災のときとは別の人である)自宅で倒れた。たまたまわたしは彼の家に泊まっていて、彼の声に気づいて起きたときはトイレと脱衣所の床は血まみれ、彼は脱衣所でうずくまっていた。

もちろんこんな状態の人を見たことはなく、「え!?!?」とパニックに。なんとか救急車を呼び、なぜか血がついた寝巻きからジーンズに着替えようとする彼をなだめ、必要そうなものを準備して、人生で初めて救急車に乗ることになった。

病院に着き、彼はICU的なところに即入院することになったのだけど、わたしでは同意書が書けないので彼のお母さんが来るまで待つことしかできなかった。心配だし一人で帰るわけにもいかず、まだ朝5時とかだったから友達にLINEもできなくて誰にも不安を打ち明けられず、容態も詳しくは教えてもらえず病室にも入れてもらえず…薄暗い待合室で数時間過ごした。本当に心細かった。

彼が緊急度を正しく伝えなかったせいで結局彼のお母さんが来たのはお昼前で、そのあと入院に必要そうなものを買いに行ったり、血まみれの彼の家を掃除したりしたのだけど(さすがにこの日は会社を休んだ)、そのときも「わたしが妻だったら、もろもろの手続きがもっと早かったのに…戸籍がないばかりに…!」と思った。その人とも結局別れたけど、血まみれの洗面台と日がのぼる前に乗った救急車もきっと忘れられない。


20代の頃のこの2つの出来事により、わたしのなかで結婚・入籍の意味は「社会的にオフィシャルな関係になることによって、相手に何かあったときに自分が知らないうちに死なれない(逆もしかり)」というのが大きいなと思っている。「大好きな人と結婚♡」「好きな人と同じ名字になりたい♡」みたいなかわいらしいスイートな気持ちは1ミリもなく、


実際に入籍してみたらまた違った気持ちになるのかもしれないけど(既に同居してる今、あまり生活も変わらない気がするが)、少なくとも2019年時点のわたしは「今後もあんな思いをするくらいなら入籍したほうがマシだ」と思っている。

入籍せずにわたしに一番に連絡が確実に来るならどちらかというと入籍したくないんだけど、現在の日本社会だと入籍せずにその状態を自分で整備するより入籍しちゃったほうが早いし楽では、というなんとも消極的な理由…。

入籍にあたり考えないといけないのはどちらの名字を名乗るかということなのだけど…。

これまで自分が30年以上名乗ってきた名字が変わることについては、入籍以外で名字が変わることはほぼないだろうというレアさからくる「なんかおもしろそうだな」という興味と、どちらか片方が名字を変えざるを得ないこと、それを引き受けるのが圧倒的に女性側が多いことへの「なんかおかしくない?」という苛立ち、そもそも夫婦で名字が同じことになんの意味があるのか?という制度そのものへの疑問などがごちゃ混ぜになっていてうまく言葉にできないのだけど、これは改めてまとめたいなと思っている。

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