毎日超短話380「譲り葉」

通学路の道の公園の脇、譲り葉が落ちてきた。バサバサ、バサバサとたくさん落ちてきた。たくさん落ちてきたけれど、人が通れるスペースだけは空けている。

公園のベンチには、恋人同士のふたり。わたしが彼を譲って実った恋。譲らなくても振られてたけど。遅刻するよと言いかけてやめた。

わたしは譲り葉に道を譲って、遠回りする。今日はそんな気分だ。

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