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生きるアート


先日、私はアートの島「直島」に一人旅で訪れました

きっかけは、島に行って黄昏たい。。という現実逃避と
美しいとは何か、アートに触れることで仕事に活かしたい
そんな想いから始まった旅でした

中でも、家プロジェクトと呼ばれる直島の古民家を改装し
現代の芸術家が空間そのものを作品化したアートプロジェクト
を鑑賞しました。

今回は、新感覚なアート「家プロジェクト」を通して感じた事を
アウトプットするために紹介していきたいと思います
(ぜひ、旅の参考にもされば幸いです^^)


不自由な自由の女神


かつて直島の歯科医院兼住居であった建物をまるごと作品化した
「はいしゃ」に訪れました。

中に入ると、足元には大量の写真が。一つ一つよくみると
最初は島の平和な写真。
更に奥に進むと、戦時中らしき写真が。

更に奥に進むと突如部屋の中に大きな自由の女神。
また、自由の女神の周辺の床や壁には大量の自由の女神の写真がずらり。
さらに香港の植民地支配を示す英語表記の古新聞やクィアのLGBTQ運動のチラシ。
それはまさに、アメリカや大きな社会の力によってねじ伏せられた国や人々の苦しみを表現しているのかなと感じました。

でもよく見ると、そんな自由の女神も
家の中の屋根に閉じ込められて窮屈そうにそびえたってる。
力をもっても、本当の意味での自由にはなれないし
むしろ争いなど対立を呼び起こして世界を窮屈にしているのかも。
そんなメッセージを感じ取りました。


見えないから見える

次に、家プロジェクトの中でも体感型の人気アートプロジェクト「南寺」に訪れました。


中に入ると一面真っ暗闇。前が見えないため、壁に手を沿わせながら目的地であるベンチに向かいます。
外の太陽のさんさんと降り注ぐ世界から一気に闇の空間に訪れた事で
前の見えない恐怖に苛まれました。
と同時に
五感で周囲の情報をキャッチする力が研ぎ澄まされなんとかベンチに座る事ができました。

前をむくと真っ暗闇の中に温かく優しく光るぼんやりとした小さな明かりが。
明かりが小さく見えた故に、今自分がいる部屋は大変奥行きがあるんだ
と思っていました。
徐々に徐々に、光が大きく、温かな光が少しずつ広がっていく様は
自分はいま夢の中にいるのかと錯覚するほど幻想的で不思議な感覚でした。

視覚が制限されると時間的感覚も研ぎ澄まされ
普段よりも幾分時の流れがゆっくりに感じました。

普段は、SNSなどから溢れ出る情報に一喜一憂し
感情を揺さぶられている現代に
「何もしないをする」
という時間が足りていないと感じます。
そんな現代人に、真っ暗闇という異空間で
時間もなにも忘れてただひたすらに徐々に移り行く視界に
想いを馳せる「空白」の時間が凄く特別に感じました。


さいごに

直島のアートに触れて、改めて思った事は
アートを五感で体感することで
まさにその作品が生きているかのように自分の心と対話をすることができました。
また、アートには答えがないからこそ
敢えて答えがないからこそ生まれる余白に人々のいろんな色のある考えがうまれ、それがアートを創り出しているんだと。

敢えて受け手に問をゆだねるアートはまさに無限大の可能性があって
奥深いなぁと感じました^^



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