見出し画像

世界自閉症啓発デー記念講演会が無事終了。見逃した方へアーカイブ配信します

4月2日の世界自閉症啓発デー記念講演会in神戸、無事に終わりました。

会場入り口(参加者撮影)
講演会の様子(参加者撮影)

講演のタイトルは「声を出せる社会に―自閉症スペクトラム当事者として生きてきた思い」。
参加された方々、会場のスタッフの方々、告知にご協力いただいた方々、誠にありがとうございました。

早速、リンクトインに感想が上がってきました。

💙自分の強みで世の中を変える💙
昨日は長谷川 祐子さんが開催された世界自閉症啓発デーの記念講演会in 神戸にリアル参加してきました。
子どもの時からの生きづらさや仕事を通じての喜び、充実感と同時に苦しいこともあったご経験を語ってくださって、あっという間の時間でした。
人生で苦境に立たされた時も、長谷川さんご自身が、「全て劣っているというわけではなく、特性が強みになって、それが世の中を変えることができる」と可能性を強く信じ、ご自身の能力を生かせる居場所を見つけてこられたこと、尊敬します✨
長谷川さんのピア・ジャーナリストとしての活動、応援しています。
貴重なお話ありがとうございました!

参加者

先ほどまで長谷川さんの「世界自閉症啓発デー」に関する講演会をオンラインで拝聴しておりました。
私の理解力で超要約すると以下のようになります。

外資系企業は発達障がいに理解を示す会社が多い。障がい者雇用でも通常と変わらない賃金を得られる場合がある。
だが貧すれば鈍するというべきか、風向きが変わると弱者から「パフォーマンスが低い」と会社から理解のない圧迫を受けたり、相場より低い条件で解雇されてしまうという悲しい現実がある。
「私たちのことを、私たち抜きできめないで」とい言葉を元に、当事者が声を出す必要がある。

うーん。私は全然アウトプットできていないですね。拙い質問にも丁寧にお答え頂きありがとうございました。素敵な講演ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

参加者

(2024年8月22日追記)

4月10日、神戸新聞に掲載されました。

講演会では、障害者雇用枠で勤めていた外資系通信社で雇い止めにあった経験を紹介。個々の違いを尊重し、受け入れる「ダイバーシティー&インクルージョン(多様性と包摂)」が社会に浸透していないと感じ、自らの考えを伝えようとフリーライターになったという。これまでに障害者雇用や多様性などを題材にインターネット記事を執筆。同じ発達障害の当事者らと対話を重ねながら、自身のスタンスを表現する自らのスタイルを「ピア・ジャーナリズム」と紹介。

神戸新聞

※筆者は2017年12月、米国系外資通信社(ブルームバーグ)に障害者雇用枠(会社ではDiversity Hiringと呼んでいた)の契約社員(3か月更新)のニュース翻訳記者(年俸約360万円)として入社。発達障害の診断書や合理的配慮事項を提出して、ジョブコーチの定着支援を受けていた。当時は翻訳は未経験であり、最初は上司から「自分のペースで慣れていけばいい」と言われていた。しかし、採用でお世話になった障害者雇用専門人事担当者が退社して、人事担当者が障害者雇用のノウハウがないとみられる人物に変更になってから、それまでよりはるかに速いペースでの成長を求められるようになり、仕事を覚えて長く続けていけるための合理的配慮の検討はされなくなった。勤怠は安定していたが、6~7か月した2018年6月に上司に呼び出され、「仕事を覚えるのに時間がかかる」という理由で雇い止めを告げられ、オフィスから強制的に追い出される「ロックアウト解雇」に遭った。(契約期間が2か月残っていたが、出社禁止され、ガーデンリーブ扱いに)

米系外資IT・セールスフォースの発達障害者雇用の雇い止め訴訟の調査報道は、こうして始まりました(裁判は2023年9月に和解。和解内容は口外禁止だが、解決金約200万円と推定)。日本の当事者をめぐる環境改善へのコミットメント。同じような体験があるからこその当事者知、拾える声、見える世界がある。発信していくうちに、他にもパワハラや違法な退職勧奨にあっているという当事者が「私も」と名乗り出てくるようになりました。そこから、さらなる違法な実態(セールスフォースの技術者が上司との人間関係で理解されず仕事を外され、PIP解雇されそうになってうつを病んだうえ、相場以下の割増退職金を口止め料に広範囲の誹謗禁止・秘密保持・競合転職禁止などを求める退職合意書にサインさせられそうになり、「日本では到底容認されない」と拒否。この技術者は一般雇用で、IQ180・ASD・ADHDの診断をされていた)の情報発信につながりました。私はこれを「ピア・ジャーナリズム」と名付けました。これには、映画界や巨大企業でのセクハラ被害を訴える #MeToo 運動からの影響もあります。

こうした取材を通して、「日本では健常者と障害者を分けて考える風潮が根強いと感じた」と指摘し、「障害に絡む政策を当事者抜きで考えず、対話を大事にしてほしい」と力を込めた。

神戸新聞

ここには、海外企業での盛り上がりが日本にも紹介され、経済産業省の推進事業にもなったニューロダイバーシティが、当事者不在で企業の利益優先に傾くことへの警鐘のメッセージもあります。ニューロダイバーシティをうたう企業が、一部の能力の突き抜けた当事者のみをすくい上げるように見られ、突き抜けた自信のない当事者は疎外感を持つようになっています。ダイバーシティと名のついた取り組みが当事者の実情を無視したものに、「(その時の既得権側目線での)生産性で人を選別し、生産性のない者は一方的に排除してよい」とする優生思想(もっと直接的に言うと「早く成果を出せ、できない奴は即クビ!」のような)に結びつくと、私のブルームバーグでの体験や、セールスフォースであったようなことが起きるということです。当事者が生産性を発揮して企業利益につながることがあるにしても、それは日本の労働法や障害者雇用促進法に沿った合理的配慮やガバナンスがあるのが前提でのこと。また、当事者が得られる対価が画期的な水準であったとしても、合理的配慮に無理解で、結果として要求水準や解雇リスクが不均衡に高いのであれば、むしろ質の悪い雇用といえます。本来D&Iは能力の多様性包摂を含むにもかかわらず、キラキラしたお題目の裏で、能力主義的な人員使い捨てが現に起きています。看板とかけ離れた実態を知らずにキラキラした発信に惹かれて入った人が、パワハラや違法な退職勧奨の被害を告発しています。結局、大半の当事者はそんな職場には居られず、障害者向けに用意された特別な職場に行くか、家族や福祉に支えられて生きる、ということを考えざるを得ないのです。こうして健常者と障害者は分断されていくのです。

「私たちのことを、私たち抜きで決めないで」という、障害者の権利擁護運動の合言葉にあるような原則を置き去りにした政策は、本質的なものになりえない以上に、マイナスの影響になるのです。そのためにも、当事者が声を出せる(口を塞がない)社会にしていくことを呼びかけています。

生きづらさを抱える人の多くは、“支えられる側”として生活しています。「社会の中で役割を果たせなくなった」と自信を失っている人もいます。私も、不本意な雇い止め(講演会では「ロックアウト」と言いました)に遭い、転職先が見つからずにフリーライターを名乗りながら、家族や福祉に支えられて生きてきました。そんな人が、実体験を基に、今度は“支える側”に立つという試みがピア・サポートです。それが辛いものであっても自らのストーリーや生活を見せたり、相手の声に耳を傾けたりすることで、誰かの心の支えになったり何かが変わることがあります。そうした経験を通じて、失った役割を自らの力で取り戻す。そんなピア・サポートに通じるピア・ジャーナリスム。傷つき、生きていく道を失った自分が、誰かを支える側に立つことで、もう一度自らの力を信じ、社会とつながり役割を持って生きていく第一歩となったといえます。講演会では、そんなストーリーを語りました。

講演会のアーカイブ配信を、以下の2つの方法で有料公開します。(動画のアドレスのSNSでの公開はご遠慮ください)

①「アーカイブ配信希望」とメールいただいた方に、振り込み方法をメールでお伝え
連絡先:hasets2015@gmail.com

②本note記事を購入いただいた方にお伝え

ここから先は

33字

¥ 1,000

よろしければサポートお願いします。サポートは100円、500円、1000円、任意の金額の中から選ぶことができます。いただいたサポートは活動費に使わせていただきます。 サポートはnoteにユーザー登録していない方でも可能です。