「直感」文学 *寒空の下*
寒い……。
「今日は今季一番の冷え込みなんだって」
どこからともなくそんな言葉が聞こえてくるけど、最近は毎日「今日が今季一番の寒さ」だなんて言っているような気がする。
その言葉に嘘はないのかもしれないけれど、毎日毎日そうやって繰り返される情事は、なんだか茶番のようにも思えて、私は少し呆れた。
1日、1日と、下降していく日々。
それはまるで今の私みたいだ。
最近の私は悪いこと続きでツイてない。
これも今私が感じている寒空のように、いずれは抜けでて、暖かな日々が来るのだろうか。
そんな風に考えたって、別に報われなんてしなかった。
そこにいるのは、鏡に映った、滑稽な私でしかなかったのだ。
私はマフラーをぐるぐるに巻いて、身支度を整える。そして外に出る。ずっとずっと寒い、その寒空の下。
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