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#ショートショートショート
『短編小説』第2回 逃避行 /全6回
大体、朝の鳥の鳴き声で毎日目が覚める。夜更かししている割には、随分と早い起床だが、どうにも鳥の声が気になって目が覚めてしまう。昔からそうだった。俺は神経質というか、音に限らず周りのあれこれに神経を尖らせていた。おかげで人間関係なんて昔から下手だった。だからこういう生活に成るべくしてなった人間だろうと思う。だからといってこの生活が自分に合っているのかどうかもまた微妙な問題だった。この生活は人と雑音
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