単語は書いて覚えるべきでしょうか?
結論から言いますね。書いた方がいいです。ただ、昭和の学校でやっていたような10回書きプリントみたいなのは何の意味もありません。あなたが先生なら即刻やめてください。
何のための単語学習なのか
「本校は単語テストをやめたんですよ」先日、大阪のある中堅高校の先生とお話ししていて驚きました。比較的若い英語主任の先生がキッパリとそうおっしゃったからです。英語の先生の大半は単語テストを手放すことができません。なぜなら、楽だからです。誰が?先生が。
実際考えてみてください。全員が同じ単語帳で同じように勉強し、文字ベースの紙ベースという、認知特性的には一部の人にしか向かない方法でテストするのは果たして得策でしょうか?むしろ、大半の生徒には意味がないのです。
全員が別のペースで単語の勉強をするやり方は以前まとめたので、こちらからどうぞ。
授業で単語を教えるときのヒント
かと言って、CLILにしろ授業で単語を導入することはあります。そういう時の一つの流れですが、個人的には特性のバランスを考えたスライドを使います。
1)絵をみながら、音だけを聞いて生徒はリピート
2)発音しながら文字を書いて綴りと一致させる
3)もう一度、ラップのようにリズムに合わせて発音(イメージが一つ一つ現れるようになっています)
4)ペアでRock-Scissors-Paper 1-2-3をし、順番に立ち上がって日本語ー英語を確認
という感じで、視覚→聴覚→言語→聴覚→視覚→キネスティック(体を動かす)のループを回します。今の学校は、高校生ですが苦手な生徒が多いので割としつこくやっています。
最近単語学習をやってみて分かったこと
インドネシア語を始めました。私は英語を3歳からやっているため、基礎的な語彙は暗記したことがありません。だから、自分を実験台にしてみました。基本的には書かずに2週間進めてきました。使っているのはDuolingoです。ディクテーションがあったり、訳してみたり、正しいものを選んだりしながら少しずつできます。時々褒めてくれてモチベーションもアップ!
毎日やっていると、何となく代名詞などは分かってきました。I=Sayaとか。でも、Kamiってなんやねん!とか、Akuって何やねん?謎が深まります。そこで満を辞してネットの文法まとめを読んでみました。よくわかる!
あと、ノートに書きたくなってきた!モーレツに書きたい。
大事なのは順番と自分の特性, そして○○○
ここまで読んできて、なーんだ。中学校時代のやり方と同じやん!アホらし。と思いませんでしたか?でも大事なことを忘れています。
楽しいアプリで励まされながら毎日続けた。
ある程度わかるようになってきたら規則性が気になった。
ネットで調べたら分かった!嬉しい。
書きたくてたまらん!!!ノートに書いてまとめた。
明日もアプリやろう!
はっきり言って、東京外大のインドネシア語のページは鬼つまらんです。これを写すところから入ったら多分心折れていました。ノートに書きたくてたまらなくなったから書いたんです。私は言語特性が強く、元々文字と親和性が高いのでそれも利用しています。
でも何より大事なのは○○○、つまり気持ち、モチベーション。
インドネシア語を使えるようになりたい。現地の人に喜んで欲しい!という気持ちです。ワクワクできるから苦行みたいなこともできるわけです。
おわりに
語学もそう、どの科目もそうですが、今までは知識の詰め込みで何とかしていました。次は4技能5領域。書く、話す(一人で、相手と)、聞く、読むのバランスが大事です。でもそれ以上に大事なのはコンピテンシー。主体性や思考力などを身に着けさせるには、与えるだけでは全く成り立たなくなります。
昨日講演で北尾悟先生がおっしゃっていたことを思い出しました。うろ覚えですが、こんな感じ。
探究の成否を握るのは「課題」
切実感・驚きの事実・違和感・ズレや矛盾
もっと学びたい、もっと知りたい。使えるようになりたいから単語を覚えたい。そのベースがあってこそです。書くのはもちろんやった方がいい。でも結構奥が深いんです。
インドネシア語、がんばろ。
あ!そうそう、先生がチャレンジしていたり、面白がってやっていることもめちゃくちゃいい影響与えますよ!あなたは今、何を挑戦していますか?
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