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IELTS作文指導 x 共同編集スプレッドシートを使うアイデア

ある程度のまとまった英語を書く必要がある場合、どのように授業を進めますか?今日はちょうど大阪大学外国語学部の英作文とIELTSのtask1つまりグラフに関して200語程度で記述すると授業を別々にやっていて、自分の授業に共通点を見つけたので書いてみようと思います。何かのお役に立てば。

圧倒的に個人よりグループ

個人的には、個人よりグループで行う方がEffectiveだと考えます。それにはいくつか理由があります。生徒側からすると、

・グループだと自分もしそうなミスから学べる
・思いつくかつかないかのギリギリレベルの解答をたくさん得られる
・相手に指摘することで自分も思考を整理できる
・ともに学ぶことでモチベーションが維持しやすい

教師側からしても、こちらが教え込むだけではなく生徒が自ら学ぶ機会が増えるだけでなく、教えこみからの脱却を図ることができます。所詮人は聞いただけのことはあまり記憶していません。

でも、複数の認知スキルを使用することで学びのバランスが良くなるのです。特に英作文は、先生に添削してもらったところで、そこから学べることは非常に少なく、かえって個人だと非効率になりがちです。もちろん、人間関係あってこその話ですから、そこは先に醸成する必要があります。

英作文は存在しない

今日もうっかり生徒が誤って英作文してしまった場面がありました。それは先行詞A +先行詞B+関係詞節A+関係詞節Bというもの。例えば、A dog and a cat which barked and which meowedのような節でした。いつも「英語は作るな借りてこい」と言っていたので、生徒同士で「お前ー、英語作ってやん!」というツッコミが飛んでいました。

英作文ではとにかく知っている文構造を正しく使うしかありません。ですから、むしろ英語を借りてくるという意識が必要ですし、それは暗記するしかありません。かつての生徒がこんなことを言っていました↓

英語4技能で(どんな言語もですが)ライティングが最も暗記に頼る分野ではないでしょうか。

型を見つけ、TTPSする

TTPSとは「徹底的にパクって進化する」の意。例えばIELTSのtask1では、まず生徒にモデル文を徹底的に分析させました。彼らの英語力は英検準二級から二級程度。力的には全く足りません。でも、型がわかればある程度書けるようになります。

授業の流れとしては、生徒は
1)文を読み、まとまりごとでスラッシュを入れる。
2)意味のまとまりごとに日本語で意味を言っていく。
3)その文の中で汎用性の高そうな箇所をハイライトする
4)グループで話し合ってそれぞれのハイライト箇所を確認する

ここまでできたら、次はスプレッドシートを使います。

スプレッドシートはこう使う

TTP表現集を作る

まずは1)のところ。ハイライト箇所をまとめて表現集を作ります。

授業の1日目はここで終了。

P→S再構築

二日目はこの表現集を見ながら、モデル文なしでグラフだけを見て再構築していきます。これは紙に書いたものを、iPadでスキャンして取り込み、こちらで赤いれしました。

書けないのは当たり前。でも、とにかく書く。書かないと始まりません。

S(進化する)別のグラフで同じ構造の文を書く

こちらのグラフを使ってみました。こちらをスプレッドシートに貼り付けて、表現集を使いながら新たに同じ構造の文を書いていきます。

NOVEMBER 1, 2011 BY COREY My Halloween Candy In Graphs

このグラフが何を表しているのかも捉えにくく、そこはヒントを出しました。スプレッドシートに文章を打ち込んでいきます。

これを繰り返していくと、大体同じ構造で使う表現が身についてきます。ちなみに、このグループは非常に内輪の5人なのでスプレッドシートは全員で一つ、共有しています。お互いの進捗状況が見られるし指摘し合うこともできます。

さいごに

授業の中で大切にしているのは生徒自身の気づきです。とかく教えたくなるのが教師の性でしょう。でも与えられたものってあまり頭に残らないんです。ならば、お互いに指摘しあったり、自分で気付いたりしたことをまとめ、覚えた方がはるかに覚えられる。これこそが幸せをうむライティング指導かなと思います。

オーガニックラーニングでは年間を通して様々な講座やワークショップをしています。いつかお会いできるのを楽しみにしています。


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