僕がクリスチャンになったワケ

僕は、父は牧師、母もクリスチャンという、いわゆるクリスチャンホームに生まれた。
だから、小さい頃から「神がこの世界を造った」「イエス・キリストは救い主」というのが当たり前だった。

話を進める前に、皆さんはキリスト教が何を言っているか、ご存知だろうか。
超超大まかな流れはこうだ。

初めに神がこの世界を造った。
有名な、エデンの園とアダムとエバの話だ。
ところが二人は神に背き、罪を犯す。
そうしてこの世に罪が入り、人は皆生まれながらにして死ぬ者となった。

そこで神は、神が自身の民として選んだイスラエル人に対して、罪の身代わりの生贄として羊や牛などの動物を捧げるというルールを作った。

聖書には、イエス・キリストが生まれる前の時代について書かれた旧約聖書と、生まれるまでの経緯、そして生まれてからの事が書かれた新約聖書の2つがあるのだが、旧約聖書の時代、イスラエル人たちは皆それを行っていた。

旧約聖書には、イエスに関する預言がいくつもあり、今から約2000年前、イエスは神の独り子として、この地上に処女降誕した。
そして生涯何の罪も犯さなかったが、十字架に付けられ、死んだ。
この事は、神にとっては、独り子であるイエスを十字架に付けさせ、イエスにとっては、父である神に見捨てられるという、どちらの立場からしても究極的に辛い出来事だった。
しかしこれには、全人類のための罪の身代わり、と同時に、神の人間に対する愛の証明という二つの意味があった。

その三日後、イエスはよみがえり、500人以上の人々の前に姿を現すと、天に昇って行った。

そして再びこの地上にやって来るその日には、人間をそれぞれの行いに応じて裁くのだが、イエスを信じ、彼に従う人たちは罪に定められる事が無く、この世が終わった後に始まる、悲しみも病も無い、神と人間との関係が回復された新しい世界で永遠に暮らす。


・・・といった感じなんだけど、成長するにつれて、クリスチャン達に失望し、また聖書の言っている事が本当なのか疑問を持った僕は、盲信したくなかったため、本や雑誌、インターネットで調べまくった。


その結果、僕は信じることに決めた。


そこには、信じないと言う方が理性に反すると思えるような事柄がいくつもあった。
創造論（神がこの世界を造ったという説）が色んな事柄から説明出来る事、また進化論が何の証拠もない説にしか過ぎ無い事を知った。
イエスが数々の奇跡を起こし、よみがえったという事を証明しうる文献や出来事も知った。
そして、疑問を持たざるを得ないクリスチャンの行いは神とは無関係で、それが神を疑う理由にはならないという事を悟った。
人は皆、自分の行いは自分で決める。

神が人間への愛を証明するためにイエスを独り子としてこの地上に遣わし、十字架に付けてよみがえらせ、そしてその事を信じて神に従う人たちが天国に行けるなんて、何て浮世絵離れしていて都合の良い話なんだと思うが、''事実は小説よりも奇なり''とも言う。

それに、この世界が存在している事自体が奇なのだから、そういう事があっても何ら不思議では無いと思う。
むしろ、「死んだら終わり」と信じられる方が不思議だ。

ところで、多くの人が勘違いしていると思うが、神は人に、煙草やアルコールを禁止してはいない。
神が人に求める事はこうだ。
「あなたの隣人を自分自身のように愛せよ。」（聖書）
どういうことか。
つまりは、
「あなたのしてほしいように、他人にもそうしなさい。」(聖書）
言ってみれば、思いやりだ。
実にシンプルな教えだ。
殺人や不倫がいけないというのも、全てはここに始まる。

それから、よく「キリスト教は一神教で排他的だから嫌いだ」と言う人がいるけど、例えば、自分の母親が誰かを知っていながら、「この人もあなたの母親だよ」「あの人もあなたの母親だよ」と言われても納得出来ない様に、この世界を造ったのが聖書の神だとするならば、他のものを神と認める事は出来ず、排他的なのでは無く、極々自然な事なのだ。
（だからと言って他宗教の人たちを攻撃していいという事では無い。）

そして、「信じた人しか救わず、信じなかった人は地獄に落とすなんて酷い神だ」という意見も聞く。
だけど聖書には、神が誰一人として滅びる事を望んでいない事が繰り返し書かれていて、何としてでも全ての人を救いたいという思いで溢れている。

「じゃあ有無を言わず救えばいいじゃないか」と言いたくなるが、神は人が自分の意思で神に向き合う事を望んでいる。
何故なら恐らくそれは、それが人にとって、また神自身にとって最も幸せな事だから。
子が親の愛を知り、信頼し、慕う事が幸せな事であるように。
親が子に愛され、信頼され、慕われるのが幸せな事であるように。

あとは、「神がいるなら、どうして世の中は辛い事で溢れているのか」という問いもよく聞くけど、この問いには「神は善」という考えが無意識にあるという事をまず言いたい。

それで、聖書はその理由を「人間が神から離れた結果」（初めの人間であるアダムとエバが神から離れたのが始まり）としているけど、「そんなの僕たちが悪いんじゃない。知らなかっただけなんだから。」と言いたくなる。

だけど、そうやって人間が神から離れた事で救いが必要になり、イエスは十字架に付けられ、いかに神が人間を愛しているかが表された。

また、晴れの日ばかりではその有難みが分からないように、この世に辛い出来事が無かったら、幸せという概念もない。
そして人は辛い事を通して成長する。

「神の思いは人の思いを超えている。」と聖書にあるが、全て終わってみないと何が良くて悪かったのかは分からないもの。

先に書いた、この世が終わった後の、悲しみも病も無い、本来の神と人間の関係に戻った世界で、この世で経験した辛い事々が生きてくるのではないかと思う。
「それにしても辛すぎるよ」って事が世の中多いんだけど。


さて、こうして晴れてクリスチャンになった僕だけど、僕の人生はそれまでよりグッと楽になった。
聖書にはこうある。
「あなたの道を主（神）に委ねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。」
そしてイエスは、神のことを「アバ」と呼ぶように教えている。

「アバ」とは、アラム語で、子が親しみを持って父を呼ぶ名。
つまりは、「お父さん」「パパ」「とーちゃん」「親父」などだ。

クリスチャンがすべき事は、隣人を思いやる事に最善を尽くし、あとは天の親父（神）にお任せしていればいいという事。
随分と楽なものだ。

僕は何に対しても盲信する事はしたくないと思っている。
変な話、キリスト教が嘘だという確固たる証拠が出て来たら、すぐにでも信じるのを止める。
が、どうもそういう事は無さそうなのだ。


聖書には、
「人がその友のために命を捨てるという、これよりも大きな愛は誰も持っていません。」
とある。
本当にそうだよなぁ、と思う。



僕がクリスチャンになったワケ②に続く。

（イエスが実在し、奇跡を起こし、よみがえった事や創造論についてなど、もう少し突っ込んで書いてます。興味ある方はどうぞ。）


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