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孫子の戦いの真理

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
孫子の戦いの話シリーズも、今回で一区切りとなります。
今日は戦いの真理と言うお話です。
ぜひ、動画もご覧下さい。


まずは孫子の原文を見てみましょう。

原文
「勝を知るに五あり。戦うべきと戦うべからざるを知る者は勝つ。衆寡の用を識る者は勝つ。上下の欲を同じくする者は勝つ。虞を以って不虞を待つ者は勝つ。将、能にして君の御せざる者は勝つ」

今回は訳しながら一つずつ解説してきます。
孫子は最初に、「次に挙げる5つの要点を理解していれば、あらかじめ勝敗を知ることが出来る」と言っています。
その5つは次の通りです。

1つ目は、戦うべき時と戦うべきではない時を知っているか?
これは前に解説した、兵力差を見て有利なら戦い、不利なら逃げることも必要だと言う話がこれに当たります。
いつでもやみくもに戦いを挑めばいいと言うわけではありません。
2つ目は、大部隊と小部隊の使い分けを知っているか?
大部隊は正攻法で堂々と正面から攻め、小部隊は奇襲や陽動で使うと言う、部隊の大きさによる使い分けが出来ていないと勝つことはできません。
3つ目は、将軍から兵士まで心を一つにしているか?
将軍は戦いに勝つ気が満々なのに、兵士達は死なない様にそこそこ程度にしておこうと言う様子で、やる気に乖離があれば勝てるはずがありません。
この感情の温度差を無くして、全員で勝利と言う一つの目標に向かう事が重要です。
これは前に解説した、人心を得る話シリーズの解説が応用できると思います。
4つ目は、準備万端で準備不足の相手と戦えているか?
虞(ぐ)と言うのは「色々考えておく」と言う意味で、転じてあらかじめ準備しておくと言う意味で使われています。
当たり前の話ですが、準備をしっかりと整えた上で、まだ準備が整っていない敵と戦えば、どちらが勝つかは火を見るより明らかでしょう。
5つめは、将軍が有能で君主が余計な口出しをしていないか?
これは一つ前に解説した内容そのままですね。
優秀な将軍に任せたら、君主が余計な口出しをして現場を混乱させないことが重要です。

この5つの項目で考え、全ての条件が揃っていれば勝利を得るのは難しくはないでしょう。
1つか2つ欠けてしまっている時は、自分の弱みに気を付けて慎重に戦わなければいけません。
どれも満たしていないなら、戦うまでも無く負けることは予想できます。
このようにして、あらかじめ勝敗の行方を知る。
これこそが戦いの真理と言っても良いでしょう。


本日の解説はここまでです。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。

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