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まずは人心を得るべし

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
今回からは国を治める時にも、また軍隊を指揮する時にも必要になる人望を獲得する方法。
この事について、何回かに分けて説明していきたいと思います。

今回の話は、何よりも人心を得ることが大事だと言うお話です。
分かりやすい動画での解説は、こちらをご覧ください。


今回解説する部分を、兵法書に書かれている原文のまま載せても理解しづらいと思いますので、現代語に翻訳した文章を載せます。

現代語訳
君主や大将のように人の上に立つ人物は、英雄と呼ばれるような優秀な人材の心を掴んで、配下に迎えることが重要である。
 それと同時に、功績を立てた者には褒美を与えてやる気を起こさせ、国や軍の方針を明確にして、これを人々に伝えて周知させなければならない。
 そして民衆と望むことを同じにする。例えば饑えを避けたい、家族を守りたい、そういう願いが君主や大将も含めて国全体の共通認識であれば、どんな事でも一致協力して成し遂げられる。
 また、憎む敵や嫌う困難が同じであれば、民衆は必ず自分を信じて心を預けてくれる。
 そもそも君主が国を治めて一族を守れるのは、人心を得ているからである。国が亡んで一族が廃れるのは、人心を失うからである。
 だから、何よりも先に人心を得ることに務めるべきなのである」


現代語訳でほとんどの解説が終わっていますが、少し補足致しましょう。

何かを成し遂げようとする時は、それを支持して貰えるようにしなければいけないと言うお話です。
これを兵法書では「人心を得る」と言う言葉で表しています。
そして支持を得るにはどうするかも述べられています。
・成果を上げた人を褒めてやる気を出させる
・みんなと望むこと(目標)を共有する
・嫌うこと(不幸・災害)を共有する

成果を上げた人を褒めれば、褒められた人はもっと頑張ろうと協力的になりますし、望むこと(目標)を共有すれば同じ方向に向かって協力するようになり、嫌うことを共有すれば団結します。
そうやって一つになることが、人心を得る手段だと述べられています。

そして最後に、君主と言う立場があるのは、何よりも人心を得て国民が協力してくれているからだと述べられています。
逆に人心を失って協力が得られなければ、国は成り立たず自分の一族も滅ぶとまで書かれています。
皆さまの世界で言えば、「会社は社長だけが居ても成り立たず、従業員の協力があってはじめて成立する」と言う所でしょうか。


本日の解説は以上です。
動画では兵法書に書かれている原文の読み上げも行っていますので、興味がある方は動画をご覧ください。

それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。

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