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響木アオという限界オタクについて #HibikiAo #Vtuber

10月3日、自分好みの美少女を作成できる「カスタムキャスト」というアプリがリリースされ、ツイッターはカスタムキャストで撮影した画像が投稿され賑わいをみせている。筆者は持っている iPad がカスタムキャストに対応しておらず、指を咥えて眺めてはそのカスタマイズ性の高さと投稿者のアイデアに感嘆する日々を過ごしている。

そんな情勢の中、今回はカスタムキャストによって自分の殻を破った一人のアイドルについて紹介しよう。
彼女の名前は響木アオ。先日 avex からデビューを果たし、 youtube への動画投稿や全国ツアーライブを行っている次世代のアイドルだ。

彼女の活動は自身が作詞作曲を手がけた楽曲を投稿している点で特徴的だ。オケ・メロディ・歌詞が高品質にまとまっており、2月の活動開始からの8ヶ月で計12曲とハイペースで活動を続けている。
AOturing(アオチャリング)と称して他のアーティストへの楽曲提供を行っていくなど、今後の音楽活動について期待が持てるアイドルである。

一方で語彙力に問題を抱える彼女。
動画の質だけでなくコメントに対する気の利いた返し、SNS 上で存在感をアピールする立ち回りなど、ネット上で人格を演出するには高度な技術が求められる。ライブ会場や LINE を主戦場に活躍する彼女の存在感は他と比べて伸び悩んでいるという意見も多い。

そんな響木アオはカスタムキャストがリリースされた当日、生放送にて自身の好みの女の子を作ってツイッターで盛り上がろうという企画を行った。
毎週水曜21時から行っている恒例の生放送、そこに集まった我々視聴者は衝撃の光景に立ち会うことになる。以下のリンクから録画を確認できるので、雰囲気を確認しながら読み進めてもらいたい。

いつものように遅刻をして画面に登場した響木アオちゃん。
定番になったコールアンドレスポンスからスタートした配信。自身のお友達である虹乃まほろちゃんが当日リリースした MV や出演した人狼ゲームなどに触れつつ和やかな雰囲気で放送は進む。

5分頃から早速カスタムキャストを起動したアオちゃんは、
「アバター作るのスゴい好き!」
と興奮しながら語る。細かいこだわりについて説明しながら、一つ一つのスラスターをココらへんと設定していく姿が微笑ましい。特に指の爪の設定ができることにご満悦の様子。

11分からはその圧倒的語彙力を披露。「かわいい」「すごい」を連呼し叫びつつ、その他の単語は小声になるという有様。この時点でだいぶ雲行きは怪しい。今回で20回を数える生放送だが、ここまで楽しそうなのは初めてなんじゃないか。しかしまだまだここからだ。

決定的な瞬間は18分過ぎに訪れる。アクセサリからアイマスクの設定を開いたアオちゃん。何だか不純な雰囲気の漂うアイテムに対してアオちゃんは、
「アオ、結構これ、これ好きだ……めっちゃ良い!」
「ガスマスクとか好きなんだよね基本的に」
と、かなり前向きなリアクション。あっ、そうなんですか。
一度はアイマスクを外すものの、どうやら気に入らなかった様子。
「(アイ)マスクを付けてたときが一番可愛かったな」
と冷静に評価する。ほら観て?と言われましても。

「これすごい楽しい!」
と叫びながら服装以外の設定も深めていくアオちゃん。なんですかその顔、ほんとキモいですねって言われたら最高すぎるらしいです。マジかよ。
「この子は拾われたんです。武器はマシンガンを使う、 UZI とか」
と、戦闘メイドの設定は細部が妙に凝っている。良いよね、 UZI 。

「可愛いから M416 とかもありだな~」
等と、メインウェポン選定には悩みが尽きないものの、アオちゃんが感動のあまり息が上手く吸えなくなった辺りで時間切れとなりお開きとなった。

ちなみにカスタムキャストを触る 25 分間にアオちゃんが視聴者のコメントに対して反応した回数はわずかに 7 回だけ。いつもはコメント欄が画面右側に表示されているのだが、カスタムキャストの画面で隠されており、視聴者を置き去りに完全に自分の世界に浸っていた。

アオちゃんの限界オタクっぷりが露わになってしまった今回の生放送。
ファンの中でも今回の放送については「かわいい連呼してるだけ」「がっつりやり込んでほしい」と賛否が分かれている。
筆者としては全面的に肯定したい。良いじゃん、好きを叫ぶの。
元々アイドル好きを公言していたアオちゃん。思えば、ラジオで先輩アイドルとトークをすることも、今後アイドルへ楽曲提供していくことも、全ては自身の可愛いものと触れ合いたいという欲求を叶えるためなのだろう。

次世代のアイドルが「萌えーっ!」と古代オタク語を叫ぶ姿。
良くないですか?次回の雅まつりちゃんとのコラボ生放送でもエネルギッシュな限界オタクっぷりを発揮してくれることを期待している。まつりちゃんがアイマスクを付けられて登場しないか気が気ではない。

そんな響木アオちゃんは10月6日にデビュー記念ライブのトリを飾った新曲『スタートの合図』の MV をリリース。同時に、自身が司会を務めるラジオにて「12月までに『100万再生』いかなければラジオ終了!」と発表した。

曲は疾走感あふれるパワフルなギターが引っ張りつつ、一方でポップな雰囲気を演出しながら高鳴るシンセと金管、歌い出しに一度きり入るだけで曲の印象を砕けたものにする小鼓(ヨォ~っと合いの手を入れたくなるアレだ)など、これぞ響木アオというアイデアに溢れたサウンド。その上で歌われる決意表明と受け取れる歌詞。聞いた人全ての背中を押す名曲となっている。

ラジオについても、今後は Vtuber をゲストとして迎えていく予定とのこと。Vtuber ファンであれば要チェックの内容となっているため、是非とも先程の新曲『スタートの合図』を一度視聴して響木アオちゃんの今後の活躍を応援してみよう。一体どのようにしたらこの高い目標は達成できるのか、記事にしてみるのも面白いかもしれない。

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面白いものを観たので記事にしてみようと思い立ったのだが、 100 万再生企画が始まったのでタイムリーな記事になった。
個人的には、そして多くのファンが同意することだと思うが、このような打切企画は好きではない。人気投票などの数字至上主義も受け入れがたいのだが、それを置いても。

今回の企画で一般視聴者に出来ることは限られている。手の届く範囲に布教したとして、それがどの程度の再生数に貢献するのだろうか。
おそらく、穿った見方をするなら、本来 12 月までで放送終了のところを延長する企画として今回の企画は打ち出されたのではないか。今後はプロデュース側で動画の再生数を伸ばす企画を発表していくのだろう。 Vtuber に歌ってみたを投稿してもらう、とか。それにしても好きなものを質に入れられて何も出来ない無力感というのは腹ただしいものだ。
100 万再生と簡単にいうが Vtuber 界隈で三ヶ月以内という期間にこの数字を達成した動画は非常に少ない。無策で発表するような数字ではないはずなので今後に期待したい。

それにしたってアオちゃんは面白い。
2月に動画投稿を始めた頃からチャンネル登録をしていたが、興味を持ったのは当時は珍しかったリアルイベントの様子を拝見してからだ。

あまりにもシュールな光景に最先端の何かを感じて、そこからは活動の様子を逐一チェックするようになりアオちゃんの魅力に取り憑かれてしまった。

彼女がどのようなアイドルなのか、どのようなところに魅力があるのか。
高品質な楽曲はもちろん、下の動画で語られる内容に特別なものを感じる。

どうやったらオセロをやってくれるような友だちができるか。リアルイベントをやれば友だちになってくれるだろうか。そういう素朴な悩みが素晴らしい楽曲の数々やシュールなリアルイベント、 avex からのダブルデビューに繋がっているという物語には強い力があるように思う。

全国ツアーのクラウドファンディングページも見事だ。
今までアイドル活動のための下積みをどのように積んできたのか、実績として分かりやすく纏まっている。100 日間毎日投稿され続けていた謎動画に、このような意味があったとは。このレベルの企画書を提出されたらちょっと感心してしまう。

語彙力が低いと言われているが、コメントへの応答として時折飛び出すどこから引っ張ってきたのか分からない切り返しは魅力の一つと言っていい。おそらく、ふわっと一人で話す時に何をどう組み立てるか頭の中で纏まらないのではないだろうか。人狼企画などで複数で話す様子からは、進行に配慮して順序立てて話そうとする意図を感じ、とても好感が持てる。

ついつい長く書いてしまった。
100 万再生を無事達成し、件の『響木アオを応援するラジオ』が末永く続く番組になること、そしてアオちゃんの目標である「響木アオという概念になる」という目標がいつか叶うことを祈って結びの言葉としたいと思う。

後日談を書きました。

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