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( 引用 )綿矢りさ 『しょうがの味は熱い』

背を向けて眠ったあなたを暗闇のなか眺め続けて
あなたに内蔵されたい
あなたの身体大きいから私を十分まるめこめる
いつも一緒 暖かい内側 直に響くあなたの声 あなたに守られて
同じ物を見、同じ気分でい続ける
それが無理なら 私が死んだら 骨のかけらをあなたの身体に収めてほしい
いつもつないでいた左手の薬指の骨 そしたらあなたに内蔵されて
カルシウムになれる
私あなたのカルシウムになりたい

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