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本当は可愛くないフィンランド?

『ほんとはかわいくないフィンランド』という本を読んでいる。北欧に憧れている私は、その題名にまんまとひっかかった。著者はフィンランド人と結婚してヘルシンキに在住の日本人女性。北欧礼賛を蹴散らす現実暴露的な1冊なのでは? という不安を抱きながら、好奇心で読み始めた。まず各章がキャッチーなタイトルで、文章も内容もユーモラス。しかも章の1つ1つがスリムで読みやすい。

巷にあふれている北欧賛美本とは一線を画し、北欧諸国への憧れや理想像を見事に打ち砕くエッセイ本だけれど、いちいちがっかりするよりも、フィンランドのユニークさにますます感心したり、逆に親近感を覚えたりする。幻滅もありながら、やっぱりフィンランドに行ってみたい。まんまと作者の術中にはまった。

なかには重いエピソードもあって、大きな家やアパートの地下には防空壕が備えられ、戦争時に市民がみな避難できるようになっているという。徴兵制もある。福祉大国と戦争というのは意外な組み合わせだと思ったけれど、有事対策も国民を守る福祉の一端なのかもしれない。

仮にサンタやサウナ、オーロラやムーミンやマリメッコがなかったとしても、私が行ってみたい国の第1位は今でもフィンランド。

ちなみに、この投稿の見出し写真 ↑ はフィンランドではなくイギリスです。

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