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『ビバラバ』感想文🍮

ただ今上映中の、サンリオピューロランドさんと劇団ノーミーツさんのコラボ公演『VIVA LA VALENTINE(ビバ ラ バレンタイン)』!
皆様もうご覧になりまして…?

ノーミーツさんは、「NO密で濃密なひとときを」をテーマに、オンライン演劇を主軸に活動するオンライン劇団さんなんだそうです。閉園後のピューロランドからの、ワンカット生配信…!楽曲もカメラワークも素晴らしいです。開演前の影ナレからもうかわいかったり、チャット欄にキャラクターが登場したり、応援用にあのアイテムが登場したりと、オンラインならではの楽しみがたくさんでとても書ききれないのですが…!

このnoteでは、主に、作品から受け取れるメッセージに関して、(あまりに感動したので)感想文を残しておきます…!ネタバレになるようなことも書いてしまったので、まだご覧になってない方は取り急ぎここから観劇していただいて、その後またこの記事に戻ってきていただけたら幸いです(強引なヲタク)。






すぅー…はぁー…(深呼吸)


では、参ります。


お話は、ピューロランドのみんながバレンタイン用のショーを準備しているところから始まります。今回のテーマは「素直」。それぞれが衣装や楽曲を自作して、気合いを入れて準備をしていました。ところが、スポンサーの「バイアス製菓」さんの要望で、本番直前に急遽内容を変更しなくてはならないことに。みんなの思い、自分の思い、スポンサーからの圧力…板挟みになった演出家ダニエルはどんな選択をするのか?一緒にショーを作るスタッフさんたちの反応は?ピューロの仲間はなんて声をかけるのか、そしてずっとそばで見てきたキティは一体…?

リアルタイムで展開するオンライン演劇。人間の役者さんの演技に対して、共演するキャラクターたちは表情が変わりません。しかし不思議と違和感なく、劇中のセリフを借りれば、「いるんだなぁ」という感じで受け入れられるのがすごい。
最近、お仕事の関係で神楽を鑑賞(という言い方でいいのかな?)した際に、お面をつけて神様に扮した人の舞や仕草でストーリーを理解する、という構図が、どこかゆるキャラやピューロランドのみんなと重なって、「あぁやっぱりあの子たちは神様なんだなぁ」と思った次第なのですが(この話もどこかでまた詳しくお話ししたい)、今回の演劇も、(セリフがあるとはいえ)キャラたちの表現力の豊かさに驚くと同時に、私たち側にそれをすんなり受け取って理解するだけの、素養といいますか、そういうものが備わっている不思議さを自覚させられました。

と、いきなり脱線してすみません。話を戻しますが、『ビバラバ』では、見た目が黒色だからと安易に悪役を任されたクロミちゃんが「バレンタインくらい白くてふわふわな衣装が着たい」と主張したり、いつもはかわいい担当のシナモンが「たまにはかっこいいって言われたいよぉ!」って素直な気持ちを伝えてくれたり…。みんなの本音がとても「かわいい」!本当の気持ちを伝えることは、わがままでもなければ迷惑でもなく、世界を豊かにするプラス要素でしかないのだと気付かされます。
だからこそ、私たちの生きる世界でも、みんながもっと素直になって、「自分はもっとこういうことがしたい」と主張、尊重しあえるようになったら、もっと息がしやすくなるんじゃないかなと、自然と思えるのです。

「男の子なのにかわいいものが好きなの?」とか、「大人なのにキャラクターが好きなの?」とか…あるいは、「女性はこういうものだ」とか「普通はこうなんだ」とか、枚挙にいとまがないですが、これまでそういうこと言われて辛かった方も、つい言っちゃってた方も、ぜひ『ビバラバ』を…!キティちゃんの言葉には、救いと気づきへのヒントが詰まっています…!多様性が大事とか、バイアスかけずに素直な気持ちを尊重しようとか、大切なことだと頭ではわかっていても、言葉だけだとどうしても固く見えたり、意識の高い人たちだけのもの、って思えたりするかもしれないことを、キティちゃんたちはいつもすごく自然に伝えてくれる。子供にもわかる易しさで大人の目をも覚まさせる。尊敬…!

それから、「好きなことを仕事にできるのなんて一握りの人間だ」という思い込みはどうでしょうか。多分あの一連のシーンは、「好き」をお仕事にすることを諦めてしまっている方の背中を押す意図があってのものだろうなと思いつつ、ありがたいことに「好き」を仕事にできている私にとっても、ドキッとするシーンだったので、ぜひ書き残しておきたく…。自分が今、大好きなアイドルやゆるキャラに関することを仕事にできていることは奇跡で、だからこれ以上多くを望んではいけないと思ってしまう節があったけど、でも、本当にそうなのかしら…。プリンが、あの呑気な調子で、「素直な気持ちを大切に生きたいと思うのは自然なことだ」って教えてくれたおかげで、「好き」を仕事にしているがゆえの後ろめたさのようなものがスッと軽くなりました。恵まれた環境への感謝と謙虚さは大事だけど、必要以上に卑屈になる必要はないのだ、よりよくなること、もっともっと幸せになることを目指していいのだと、他ならぬ推しが気づかせてくれました(ありがとう引き続き一生推すね)。

かわいいショーを観たくて気軽にアクセスしたらすごくいい学びがあった、発見があったという素晴らしい体験は、ピューロに通っているとこれまでも何度もありましたが、とはいえやっぱりそこには「ピューロに行く」という最初のハードルがあったわけです。でも、今回はオンライン演劇なのでもはやそれすらない!かわいい空間に一人で出かけるのが恥ずかしかった方も、おうちにいながらピューロが楽しめます。

そして楽しんだ後はきっと、「かわいい空間に一人で出かけるのが恥ずかしい」のはなぜだったのか、そこにかかってるバイアスはなんだったのか、考えるようになっていると思います。もしかしたら、その思い込みを取っ払って、いよいよ現場に踏み出せるようにすらなるかもしれない…そんな、誰かの人生を変えてしまうほどのパワーを持つ、素晴らしい作品なんです…出会えてよかった…!

さらにさらに!自分の素直な気持ちに気づけたら、きっと他者の気持ちにも思いを馳せられるようになる。キャラ達が見せてくれる、その連鎖が素晴らしい…!

誰かの思いや権利を抑圧することは、結局全体の不利益となり、巡り巡って自分の首も締めるのだということに、今、社会が気づきはじめ、変わりはじめているように思います。とはいえ当たり前にあった「これまで」との決別は不安も伴う訳ですが、『ビバラバ』は、そんな気づきはじめた私たちの背中をそっと押してくれる作品だと思うのです。

コロナ禍でみんな辛いからこそ、「こっちもこんなに我慢してるのに」とか、「あの人たちだけ助けてもらってずるい」とか言いたくなってしまうけど、誰かの気持ちを押し込めることで我慢合戦になってみんなで下がっていくんじゃなく、全体の平均値を、より幸福度や満足度が高いところに持っていく意識で生きていかないといけないなと、改めて思います。こういう気づきや学びのあるエンタメを、自分も作っていきたいです。

あの、決して、私がピューロヲタクだからこんなに深読みしてるわけじゃないと思います。本当にそれだけのメッセージ性を持った作品なのだということを確かめていただくべく、あのですね、あとたった2回しかない観劇チャンスを、どうぞ、どうぞ逃さないでください…!


以上です!

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