SNSコメントへのお返事回
<参考資料>
日本加除出版「地下アイドルの法律相談」
深井剛志・姫乃たま・西島大介/著
https://idol-horitsu.com
深井剛志 X アカウント @TSUYOSHIFUKAI
https://x.com/tsuyoshifukai
寺嶋由芙 Xアカウント
@yufu_0708
https://twitter.com/yufu_0708
寺嶋 podcast「アイドルと法律」!
この番組では、ソロアイドル10年目、フリーランスのアイドルとして働く、ゆっふぃーこと寺嶋由芙が、アイドルの労働問題に詳しい弁護士としてご活躍の深井剛志先生から、 アイドルが知っておくべき法律を学びます。
日本加除出版株式会社から発売されている「地下アイドルの法律相談」著者でもある深井先生が、働くアイドルゆっふぃーに、アイドルが直面しがちな労働問題を分かりやすく説明してくださいます。
整えよう、あなたの推しの労働環境!
というわけで、今日もよろしくお願いします。古き良き時代から来ました、まじめなアイドル、まじめにアイドル!ゆっふぃーこと寺嶋由芙と
深井 弁護士の深井剛志です。よろしくお願いします。
寺嶋 おかげさまで、この番組に関する感想のpostやメッセージ、いろいろいただいてますので、今日はそうしたSNSの声をご紹介しつつ、皆さんの疑問にお答えしていく、そういう回にしようと思っております。たくさんありがとうございます。
では早速ご紹介していきますが、まずは【かまやん】さん。「ゆっふぃーのpodcast勉強になるな。初学者ゆっふぃーが差し込んでくる質問が絶妙。アイドルは自分の身を守るために聞いた方がいい」と書いてくれてます。ありがとうございます。います。これ、嬉しいことに、アイドルの方もそうですし、バンドをやってる子とかからも「いい番組だね」って言ってもらいました。
深井 なるほど。
寺嶋 嬉しい。
深井 そうですね。エンタメ業界でね、携わってる人にはためになることを喋っているつもりですので。
寺嶋 お役に立てれば何よりでございます。続きまして、 【#猫とタイカレー】さんから質問が来てますね。「アイドル側が事務所に対して月に〇〇円払うから私のマネジメントしてくださいという形の業務委託契約のパターンはあるんでしょうか。」
深井 うん、そうですね。アイドルが事務所に対して委託するってのはあんまり聞かないですよね。ただ、個人のマネージャーをやってる人とかに個人的にマネージメント頼んだりとか、 一定の業務を頼むということはあると思いますね。広告とかそういうマネジメント業務を依頼すると、そういうことはよく見たことがあります。あとは、エージェント契約みたいなことを聞いたことはありますけれども。アイドルが事務所にですね、専属的な契約じゃなくて、もうその 特定のレコード会社さんとの交渉だけ依頼するとか。そういった形での契約ってのはあるというように聞いていますが、ちょっと僕は見たことないですかね。
寺嶋 私、2020年の夏まではディアステージにマネジメントお願いして、レーベルさんの業務をテイチクさんにお願いしてたけど、そのあとマネジメントがフリーランスになってからも、引き続きテイチクさんにレーベル的なこととか、いろんなライブ業務のこととかをお世話になってるっていうのは、これは業務委託っていうことにきっとなるんですよね。
深井 そうなりますね。確かに。
寺嶋 とかとか、いろんなやり方は多分あるんだと思うんですけど、なんかやっぱソロが多いかも。個人でどこかに業務委託してたり、 個人でこの部分だけ、例えば物販のことだけ手伝ってくださいってこうバイトを頼むとか、それは業務委託になるのかな。おっきなライブやるときだけちょっとどこかの会社さんに手伝ってもらうとかってやってる子たちは、総じてソロとか、自分で自己プロデュースで活動してる子が多いかな。
深井 そういうのは聞いたことありますよね。確かにこの時だけこの会社に頼むと、イベントの時だけ頼むというのはあるというふうには聞いてます。
寺嶋 なので、「なくはないけど、多くはない」っていうか。
深井 そうですね。うん。
寺嶋 続いて【まく】さん。「水着グラビアが自己実現と積極的な子と、いやいややっているケース。あと、自撮りの無断転載で勝手に収入を得ているケースと、推しの知名度を上げようと拡散しているオタクボーダーがあいまいだからこそ、法律を基準にして考えるのは大事。書き起こしありがたい」ということで。そう、曖昧なんだよな〜。
深井 水着グラビアもね、自分から「やりたいです」ということでやっているようなていであっても、内心どうかっていう問題は…
寺嶋 勿論そう。
深井 あったりしますもんね。
寺嶋 あと、後々考えたらどうかっていう話。
深井 そうなんですよね、あります。
寺嶋 でも、やりたいのに、「じゃあ全部そういうの禁止にしようよ」って言っていいのかもちょっとわかんない。私は別に(水着仕事が)なくなっても、「なくなっちゃった」って思って終わるだけのタイプのアイドルだけど。その、水着グラビアが自己実現じゃないっていうか、そこに活動の重きを置いてないから言えちゃうけどね、っていうとこですよね。
深井 そうですね。あとはもうひとつの(無断転載で)収入を得ているケースと、拡散しているだけのファンの方と、 やっぱそこは結構明確な線引きあるかもしれないですね。やっぱそれで自分で収入を得ているってなると、やっぱりちょっとどうかなって感じはしますけどね。単に知名度上げたくて拡散してるだけのものを事務所側が取り締まったりとか、そういうことは普通はしないですよね。だから、そこは結構大きな線引きはあるのかなという気はしてますけど。
寺嶋 勝手に商売を始めちゃったら、ちょっと話が変わってくるぞっていうことなんでしょうね。
深井 ですかね。
寺嶋 うん。そして、まだまだいただいていますよ。【MAYO】さんかな。
「恋愛させないためにあえて仕事を多くして仕事に集中させるって聞くけど、今もある慣習なのかしら」。これ確かに、昔こういうのあったとか聞きますけど、ほんと都市伝説的に聞きますけど…
深井 恋愛をさせないために仕事多くしてるっていうよりは、なんかもう基本的に地下アイドルって仕事多いですよね。
寺嶋 そうですね。
深井 ライブの日数も多いし。
寺嶋 多分この、【MAYO】さんが言ってんのは、もうちょっと昭和のアイドルとかな気がする。「スケジュールをパンパンにして余計なことを考えさせないぞ」みたいな。
深井 なるほど。でもね、やっぱり地下アイドルの方が恋愛関係になっちゃう相手って、どっちかっていうと やっぱファン。
寺嶋 アイドル同士とかじゃなさそうですね。今のとこ問題になってるの。
深井 そうするとね、仕事をパンパンにするとむしろそのファンとの接触が増えて…っていうことになるんですかね?
寺嶋 いや、ならないんじゃないですか!?
深井 そこはそっか、あんまり関係ないか。うん、
寺嶋 そうね。なんか私は…アイドルやってる側として、 繋がる…ファンの人と恋愛関係になったメンバーがグループにいたら、やっぱちょっと嫌かも。情報が漏れたりするかもって思っちゃう。
深井 だからやっぱり「地下アイドルの法律相談」にもちょっと書いたんですけど、恋愛をね、ファンとするのはやめてくれというのは、多少合理性はあるんじゃないかなっていう気は…
寺嶋 なんか、そうですね。いろんなことがうまくいかなくなるし、その2人がずっと幸せでいてくれればいいけど、わかんないからね、人間何があるか。ってなった時に、「俺はあそこの裏事情を知ってるぜ」になっちゃったりとか、「ゆっふぃーの本名知ってるぜ」とか、「住所知ってるぜ」みたいになったら嫌だなって思うっていう懸念があるから、割とそこ厳しくする事務所さんが多いのかなっていう印象です、私の。
あとは、「実際のところ、アイドルは恋愛禁止であるべきって考える人って今でも多いのかな」っていう【#猫とタイカレー】さん。どうですかね?
深井 いや、もう、すごく多いんじゃないんですか。結構、取り扱った案件でもありますけど。運営が「恋愛禁止破ったから解雇しました」とかそういう内容をSNSで発表すると、結構「なんてひどいアイドル」みたいな書き込みする人いますよね。
寺嶋 そう、アイドルに近いところで仕事したりSNS見たりしてるとそう思うんですけど、 全然関係ない職種の人と喋ると「まだそんなこと言ってんの」みたいな反応の人も結構いる。
深井 なるほど、そうか。アイドル業界にどっぷり使ってる人にとっては
寺嶋 そう。
深井 「常識でしょ」みたいな。
寺嶋 常識っていうか、「そういうもんだ」って思っちゃってるけど、ひとつ外の人と話すと「え、なんかちょっとそれ気持ち悪い」みたいな反応の時もむしろあるっていうか。でもその人たち、アイドルに全然興味ないから、なんていうか、責任もないというか。別にその、愛情もなく。ただもう反応として「えー、そんなこと言ったってしょうがないでしょう」みたいな。「そんなの人権侵害でしょう」って言って終わり。正しいんですけど、なんかそれだけで割り切れないのが、多分中にいる人たちの、懸けてきちゃった気持ちとか時間っていうのがあるんだと。
深井 なるほど。
寺嶋 続きましては、【#あすぱら。】さんですね。「グループとして公に恋愛禁止を歌って売り出しているのに、メンバーが隠れて恋愛をしていた場合って、法的に問題あったりしないのかなって思うことがある。原材料表示違反、産地偽装?ゆっふぃーが千葉県出身じゃなかったらどうしよう」って書いてあるけど、これ、詐欺とかあるんですか。
深井 産地偽装ってちょっとね、言い方が良くないけど。仮にですけど、出身地をちょっと偽っていた程度のことであればね。じゃあ、それがファンに応援してもらう本質的な部分じゃないじゃないですか。「この人千葉県出身だから応援しよう」とか多少あるかもしれない、「同郷だから応援する」ってあるかもしれないけど、やっぱね、パフォーマンスとかサービスを売ってるわけだから。
寺嶋 はい。でもこれが、私が「千葉県親善大使」みたいな、「 千葉県なんちゃらアイドル」みたいな肩書きをもって千葉を背負って活動してたら、話は変わってきますか?
深井 その仕事を振った方というか使ってる方が、「この人千葉県出身だから、 この人に親善大使お願いしよう」と考えたんであればね、それが「嘘でした」っていうことになると、ちょっと。
寺嶋 「ほんとは沖縄でした(゚ω゚)🌺」
深井 それはちょっとね、なんかあるかもしんないですけどね。じゃあ、恋愛禁止の場合はどうかと。
寺嶋 はい。
深井 うん、でも確かにね、「このアイドルは恋愛禁止だ」と、「恋愛をしてないんだ」ということだから応援しているという人ってまだ一定層いるんですかね。やっぱりね、
寺嶋 その1点張りで売ろうとしたアイドルもすごいですけどね。
深井 うん、そこ。それをもし産地偽装の話で言うならば、「騙してた」みたいな感じで、じゃあなんか法的な責任が発生するものかどうかっていうと、別にそうではないんじゃないかなと思いますけど。ちょっと「え。」って思うそのファンの心理はわかんなくはないかなと思います。
寺嶋 「本当じゃないことを言っちゃってた」っていうことで問題になるのってどういう場合ですか?食品だったら、産地偽造は絶対ダメじゃないですか。人間がやる仕事の場合で偽装してはいけないものって、 弁護士の資格持ってないのに「弁護士です」って言って実は仕事受けてたとか、お医者さんとか学校の先生とかはダメな気がするけど。アイドル、資格がないので。
深井 今のね、3つの職業は全部資格が必要な仕事なので、その資格がないのにやったっていう取り締まりの対象になる行為になりますけど。じゃあ、例えばなんか閉店セールみたいな。
寺嶋 いつでも閉店してるやつ!
深井 いつでも閉店してるセール的なやつね。それは法律に違反しないのかって言ったら、一応そういうのを取り締まる法律はありますよ。
寺嶋 あるんだ!
深井 うん。
寺嶋 じゃあ、分かった!アイドルが「もう卒業します、最後のライブかもしれません」って言ってずっといる…みたいなのは?
深井 それは似たような話になります。
寺嶋 ダメなんだ!
深井 だから、不正競争防止法とかね、景表法って言うんですけど、そういう法律に反したりとかっていうことはありうるので、じゃ、それと恋愛禁止が同じで言えるかっていうと、どうかなって感じです。
寺嶋 なるほど。あとはですね、noteにもメッセージをいただいてて、noteに書き起こし記事をね、 毎週載せてるんですけど、そちらではこの今喋ってることの書き起こしに加えて、私の感想と、あと深井先生からの補足情報だったり、いろんな豆知識、お役立ち情報がプラスされています。ひとこと情報と言いつつ、合わせて読むと2000字ぐらいのボリューミーなものに最近はなっているので、ぜひその部分も読んでいただけたらなと思うんですけれども。そんなnoteにいただいた【#GEM】さんからのメッセージです。「元になった本にも興味があり、発行された当時購入して読んでおりましたが、改めて毎回の予習がてらに読み直していこうと思います。」これ、「地下アイドルの法律相談」のことですよね。本のこと。
深井 はい、ありがとうございます。
寺嶋 「今後突っ込んで話してもらいたい話題は、事務所とアイドル、事務作業や集客等での協力と線引きについて、そして、ビラ配り、客引き、呼び込み等、 違法になることやする上での注意点などです。」
深井 うん、事務所とアイドル、事務作業や集客等での協力と線引きと。ちょっとこれ難しいですよね。その事務作業、例えばですけど、いわゆるチェキを販売するとかグッズを販売するとかって時に、その撮影を事務所でしたりとか、グッズを作るための動画を撮るとか。「そういうのは自分でやんなよみたいな」ふうに指示出してる事務所もあれば、きちっと事務所が管理して、事務所が撮影してくれてたたりとか。やっぱ事務所の規模によるんじゃないですかね。
寺嶋 そうですね。
深井 アイドルにもカメラ渡して、「空き時間にこれでチェキ撮っとけ」っていう風に(するとか)。
寺嶋 あ!それはね、グループだからできるんですよ。私にはできないです(゚ω゚)
深井 とかね。そういう事務所は見たことあるんで、それは、僕は、マネージャーとかがちゃんと撮ってあげるべきじゃないかなって思うんですけど。
寺嶋 でもね、 アイドル同士の方が上手な時あります。
深井 そういうこと!?
寺嶋 やっぱ撮られる側は撮ることも上手だったりするんですよ。
深井 なるほどね。
寺嶋 だから、その負担を本人たちにかけてるっていう意味で肯定していいかわかんないけど、アイドル同士が撮った方が、仲良くキャピキャピした感じで撮れたり、距離が近いチェキが撮れたりして、撮れ高がいいっていう問題はあるかもしれないです。
深井 質を良くするためにってことなんですかね。
寺嶋 経費削減だったら問題ですけど。
深井 あとはやっぱりSNSでの広告とか。基本、事務所が宣伝してるんでしょうけど、それをきちんとアイドルがリツイートしないとダメだみたいな指示を出してる事務所は見たことありますけれども。で、それで集客がないとアイドルのせいにしたりとか、そういう事務所はありましたけどね。でも、基本はやっぱそういう作業とか仕事っていうのは、事務所の仕事だと、僕は思ってますけどね。
寺嶋 そうですよね。やっぱりそういうことをやってもらえるから、マネージメント会社に身を預けてるっていうことでもあるから、アイドル側としては任せたい気持ちもある。ただ、公式の情報を本人がリツイートするとか拡散するとか、「言われなくてもするけどなー」って私、結構思っちゃうタイプ。だって(イベントに)来てほしいし、みんなに。
深井 そうですね。
寺嶋 情報届けたいし。ただね、SNS苦手な子がいるのもすごいわかる。元々発信すること、言葉で発信することが苦手だったり、SNSってもの自体にちょっと苦手意識があったりする子に「必ずやれよ」っていうのは辛いかなとか。だから、人による、何事も。
深井 そうですね。だから、そういう苦手な子が僕んとこに相談に来て、広報を全然やってないこととか、お客さんを集められないことについて、事務所からすごく詰められたりしてるLINEは見たことありますね。
寺嶋 そこでひどい言い方しなきゃいいのになって思いますけど。「こういう事情でここは協力してもらわないと困るからよろしくね」って、 お互い納得する形で話せる環境じゃないのが問題ですよね。やるやらないとかじゃなくて。
深井 そうですね。あと、ビラ配り、客引き、呼び込みと違法になることや、する上での注意点。まあまあよくね。客引き、呼び込み等は規制の対象になってるんで、迷惑防止条例とか…
寺嶋 「ついていっちゃダメよ〜♪」って歌流れてる。歌舞伎町。あれですか?
深井 うん、流れてますよね。すすきのとか中洲でもよく流れてるんですけど、基本的に「つきまとって客引きとかしちゃいけない」っていうのがルールであるんで。なんか「30メータールール」とか言うらしいんですけど、30メートルついて行っちゃダメとかね。
寺嶋 へえ!
深井 えー、30メーターだったかな、ちょっと何メーターか忘れましたけど。うん、なんか何メータールールみたいなのがある。
寺嶋 そうなんだ、決まってるんだ!
深井 うん、確かにね。僕も10メーターぐらいだったらついてこられたことなんていくらでもあるし、多分その(決められた)距離で、離れたんでしょうね。おそらく。もうこれ以上ついてったらダメになっちゃうから、とかね、多分そう。そういうのやんないでしょ、アイドルは。
寺嶋 アイドルは、そうですね、渋谷の駅前とかで配ってて、通り過ぎていく人たちに声をかける感じ。
深井 うん、ですよね。だからつきまといはしないと思うんで大丈夫だと思うんですけど。あとは公共の場なんで、写真を勝手に撮られて(ネットに)あげられる可能性があるとか、そういうことはやっぱ注意してもらいたい。
寺嶋 ですよね。あと、冷やかしみたいな人も結構多いから。「アイドルがチラシ配ってるから応援したくてもらいに行くぞーっていう人ばかりじゃないじゃないですか、普通に街にいる人たちは。
っていう時に、自分たちの活動に全然リスペクトがない人たちからひどいこと言われたりとか、馬鹿にされたこと言われるところにわざわざ行かなきゃいけないっていうのは、結構メンバーに負担が多い活動だなと、ビラ配りは私見てて思うんですけど。
深井 そうですね、そういうね、なんていうのかな、自分の肖像っていうかね、この前パブリシティー権の話ありましたけど、それを商品にして売ってるっていうかね、そういう仕事である ことからすれば、やっぱ公共の場でなんかやるってのは、結構リスクですよね。
寺嶋 そうですよね、うん、やっぱり。でも、効果があるからみんなやるのか?
深井 やっぱりそういうビラ配りとかしてるシーンをSNSにあげて、「頑張ってます」っていうことで、おそらくそれも広報の一環でやってんじゃないかなと思いますけどね。
寺嶋 もうちょっと親和性の高い場所でビラ配りできたら いいのになとか思って見てる。例えばアイドルフェスとかで、まだおっきなステージをもらってない子たちがビラ配りしてたりとかするの見ると、そこにいる人たちってみんなアイドルに理解度が高い人たちだから、すごく効果があるのかなと思うし、怖い思いしないで済むんだろうけど、そうじゃない場所に果敢に出ていく子たち、 立派だけど、ちゃんとケアしてあげてねって思ってました。
深井 そうですね。うん。
寺嶋 続いて【YU】さんですね。「第2回の感想ですが、お金がどう回っているのかってとても関心の高い話。ご本人らの労働環境がちゃんとしているかを知れば安心できるという気持ちがあるから、できる範囲でなるべくオープンな方が助かるな」とツイートしてくださってます。
深井 うん、なかなかね、アイドルの労働環境とかお給料事情をファンに話すってのは抵抗あるかもしれないんですけど、「ちゃんともらってますよ」ぐらいはわかった方がいいかも。
寺嶋 安心して大丈夫かどうかぐらいは分かりたいですよね。うん。
深井 やっぱり結構心配とかされてるって話も聞きますもんね。
寺嶋 うーん、そうなんですよね。あと、やっぱ心配してくれる優しい人たちがいるのは心苦しいし、それにつけいる悪い人がいるのも嫌じゃないですか。例えばなんかこう、「困ってるんでしょう?」みたいな、「僕がなんとかしてやるよ」みたいな悪い誘い…
深井 パパ活を持ちかけるとか?
寺嶋 とか、なんか危ないバイトとか、なくはないから。そういうのに巻き込まれる入口になってほしくないんですよ、アイドルが。
深井 なるほど。
寺嶋 っていうのは、すごく…
深井 ファンがね、持ちかけるじゃなく。
寺嶋 そうそう、ファンじゃなくても。
深井 やっぱお金が大変だと、そういう仕事に手を出さなきゃいけないアイドルさんもいるやに聞いてますので、やっぱりお金がちゃんとしてるかどうかってのは大事なことかなと思います。
寺嶋 うん、本当にそう思います。続いて【かすてるさん(50)】さん。「ハッシュタグアイドルと法律、ドルオタも聞いた方がいいネタが色々とありまする」って書いてくださっていて、ファン側の方もね、聞いた方がいいと言ってくれてますね。
深井 ありがとうございます。
寺嶋 ありがとうございます。なんか、「そういう話は聞きたくないみたいな人がいたらごめん」って思いながら喋ってるんですけど。でも、聞いてもらって、一緒に考えてもらえたらありがたい。本来はね、そこまで別にファンの人にさせることじゃないんですけど。うん、ありがたいなとは思います。
深井 そうですね。よくアイドルが辞める時なんかに、うん、事務所が解雇理由を発表したりとか、「繋がりがあったから解雇しました」とかね、そういうことを言いますけど、それが結構僕は人権侵害だと思っているので、そういう意識をファンが持ってもらうことで、「いや、その対応はおかしいんじゃないか」という声を運営側、事務所側に(対して)あげてもらうことで、そういうことを辞めさせるというか、そういうこと許さない社会の空気ってのを作っていくことが大事なのかなと思いますけど。
寺嶋 ほんとそうなんですよ。それがすごくできる可能性がある界隈だと私は思っていて。アイドルヲタクの方って推しへの愛情がすごい強いから、 「推しが困ってたらなんとかしてあげたい」とか、推しがより良い環境に行けるように…それは働く環境もそうだけど、普通にこう、アイドルとして大きなステージに立てるようにっていう意味も含めて、「より良くなれるように応援したい」っていうモチベーションで見てくれてる方が多いからこそ、こういう話をした時に「じゃあ一緒に考えるよ」とか、あとアイドルに限らず、女性の人権とか権利みたいな話になった時も。アイドルって、(私たちの場合は)女の子が多くて、異性の男性のファンが多いって環境だからこそ、「実は女性って結構こういうことで苦労してるんです」とか、 「嫌な思いをしてる部分があるから改善したいんです」って発信した時に、「そんなことになってるとは知らなかった。じゃあ一緒に考えようね」って言ってくれる男の人って、意外とアイドルヲタクなんじゃないかなって私は結構思っていて。だから、アイドルっていう仕組みだけ見ると、「女の子から搾取して」とか「なんか可愛い女の子のこと見れればいいんでしょ」みたいに思う人もいるかもしれないけど、 多分それだけじゃない関係性だから、もうちょっと、なんて言うんですかね、社会的なこととか話しても大丈夫なんじゃないかなって思ってる。
深井 うんうん、そうですね。結構ね、女性の権利とか、女性が差別されてることをSNSとかで言うと、すごい数の「男だってこんなに大変なんだ!」、と、ミソジニーとかって言ったりしますけど、そういう声が届きますよね。で、それがアイドル界隈ではあんまり感じないと。そういうことでですかね。
寺嶋 そんな気がするんですよ。なんかね、「推しが言うことなら」っていう入り口があるから。だから、知らない女の人が言ってることだったら、「僕には関係ない」って思っちゃうかもしれないけど、「推しが言うなら」っていうことで耳を傾けてくれる人たちならば、なんかこう、 入口に…なんて言うんだろうな、可能性があるなって、すごく(思う)。
深井 うん、なるほど。まあね、姫乃さんも確かこの本の結構後ろの方のコラムだったと思いますけど、 実はアイドルを守ってくれるのがファンだったり。ファン自体、ファン同士で結構その警備…警備じゃないけどね、環境を良くするための取り締まりをしてくれてるみたいなことを書いてくれてましたけど、まさにそんな感じ。
寺嶋 そうですね、なんか「みんなのなんとかちゃん」、「みんなのゆっふぃー」って思ってくれてる環境だと、 お互いに、自浄作用じゃないな…なんか牽制とも違うんですけど、 ちょっとはみ出しそうな人がいたら、「それはダメじゃん」っていうのを、集団の中でちゃんとそう言う空気ができていくみたいなことって今までも見てきたから。その理解度の高さというか、愛情の深さというかみたいなものが、 もっといい方向に働くやり方、きっとあるし、この番組がその1つになったらいいなと思ってます。
深井 はい。
寺嶋 では、【#猫とタイカレー】さん。いつもありがとうございます。いっぱいお名前呼びますね。
深井 うん、よく見る方ですね。ありがとうございます。
寺嶋 「アイドルが仕事を断れるか断れないかという話題。アイドルに限らず、雇う側と雇われる側の相互理解が大事だし、それを大事だと考える会社に雇われるのが幸せだと思う。ゆっふぃーはソロになってからそういう環境で働けてるようなので嬉しい(゚ω゚)」と、この平和な顔文字(゚ω゚)とともにありがとうございます。
深井 そうですね、雇う側と雇われる側の相互理解。これアイドルに限らずってことでね、書いてくれてますけど、一般の労働問題でもそうですね。やっぱり基本的には雇う側、雇われる側ってのは、双方平等な関係であるべきで、そういう風に考えてくれてる使用者に雇われると、非常に労働者も幸せじゃないかなと思います。
寺嶋 その話とずれちゃうかもしれないんですけど、私がソロになって1番最初にお世話になり、今もずっとお世話になってるプロデューサーの方、加茂さんが出会った当初言ってて超びっくりしたのは、「僕たちの仕事はアーティストがいないと成り立たないですからね」って普通に言ったんですよ!でもその時、加茂さんってユニバーサルミュージックの新人発掘のとこで偉い人で、 もちろん今までいろんなアーティストも発掘してきて実績もある人が、まだ何にも、何になるかもわからん私にそれをさらっと言うのすごいなと思って。そういう人が残っていくというか、偉くなっていく業界になってほしいな思いました。
深井 結構ね、パワハラ的なプロデューサーの件もね、結構 話題になりますんでね。そういう人がアイドルだったり、そういうタレントを下に見てるみたいな風潮がまだあるなという風に思っているところで、そういう声があるのは非常に嬉しい。
寺嶋 そんなこと考えたこともなかったです。私たちが何かをもたらしてるって思ったことなかったから、スタッフさんに対して。
深井 なるほど、
寺嶋 加茂さんがそれ言ってくれた時に、「そっちの方向の考え方あるんだ」!と思って、ほんと、超びっくりしました。うん
深井 ね、どの世界でもね、社長だけでね、うん、その会社回すことできませんから。極論したらね、会社ってものはそういうものなんだということになりますよね。
寺嶋 そうなんだな、いやはや〜。加茂さん、聞いてるかな。これ。聞いてなさそう。聞いてね(゚ω゚)
というわけで、今日はSNSに寄せていただいた皆さんのご感想やご質問に答えていきました。たくさんいただきましたね。
深井 そうですね。僕も結構感想が気になって毎日ハッシュタグで検索かけちゃってるんですけれども、たくさんお寄せいただいてるので非常に励みになります。ありがとうございます。
寺嶋 ありがとうございます。ぜひ私と深井先生のSNSにフォローなどしていただけますと嬉しいです。よろしくお願いします。
というわけで、今回はSNSにお寄せいただいた皆さんのご感想や質問、ご質問にお返事をしていく会でした。いかがでしたでしょうか。こんな感じでまた時々皆さんからのお声を拾っていけたらと思っていますので、よろしくお願いいたします。よろしくお願いします。
SNSで公開せずに深井先生に相談したいことがあるアイドルさんは深井先生にdmをしていいんですよね。
深井 はい。DM解放してますのでお願いします。
寺嶋 あと、番組で取り上げてもらいたい匿名相談などがある場合も深井先生にDMをして大丈夫です。はい。そして、もし万が一、何かの間違いでゆっふぃーに話をしたいという方がいらしたら、お役に立てるかわからないんですけれども、infoからご連絡いただければ、もう是非アイドルさんのお役に立ちたいと思ってますので、よろしくお願いいたします。
この番組でお話ししたことは後日noteで公開予定です。そして、このnoteには+αで私の感想と深井先生からの補足情報、お役立ち情報などが載ってますので、そちらも併せてぜひお楽しみください。
この番組のご感想は、ハッシュタグアイドルの法律でぜひたくさんポストしてください。
それでは、今回もありがとうございました。以上、ゆっふぃーこと寺嶋由芙と、
深井 弁護士の深井剛志でした。
深井・寺嶋 ありがとうございました〜。
以下、有料部分では、深井先生による、解雇理由の公表の問題、ゆっふぃーによるアイドルヲタクへの信頼と感謝などをお読みいただけます。(2238字)
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