不登校・ひきこもり経験者で支援者の、藤原秀博さん講演会@Miraieを拝聴して
横須賀市の古民家「Miraie」で、不登校・引きこもり経験者で支援者でもある、藤原秀博さんの講演会に参加しました。
https://assystarsproject.net/fujihide.html
講演を拝聴して感じたことを記録しつつ、講演内容と通じるような本を紹介します。
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講演で一番印象に残っているのは、藤原さんのもとでAA(Alcoholics Anonymous)プログラムを受けられた、元アルコール依存症患者さんの体験談です。
「何かあるとお酒に逃げていたけれど、プログラムを終えて、自分に感情があることがわかった。」
と仰っており、とても興味深く感じました。
怖い、悲しい、つまらない
嬉しい、楽しい、なんだか笑える
天にも昇る気持ち
地獄に突き落とされるような感覚
感情を表す語彙はたくさんありますが、自分のポジティブ・ネガティブな感情に気づき色を付けてあげる行為が、記憶された痛みを癒すことに繋がるというのです。
記憶は痛むもの
「記憶は痛むもの」と書いた本があります。著者は、小児科医の熊谷晋一郎さんとの対談で「人はだれも、傷と癖で運命づけられている」とも語っています。
【暇と退屈の倫理学】
「人は羊水の外に出た瞬間に最初の傷を負う」と解く【WHOLE BRAIN(ホール・ブレイン) 心が軽くなる「脳」の動かし方】は、マインドフルネスにもつながる考え方です。
脳神経解剖学者の著者が左脳に脳出血を起こし、徐々に左脳の機能が落ちていくのを内側から感じ、右脳機能だけになったあと、数ヶ月で回復した経験をもとに書かれています。
人の脳は左右別々ではなく、左右の脳の皮質と辺縁系、計4つの「キャラ」が連携して動いていることを明らかにしました。どれかのキャラが活発なときは他のキャラが抑制されていると知っておけると、沸き起こった感情について、4つのキャラに「脳内会議」させることができる。とてもおもしろい本です。
また【僕らはそれに抵抗できない 「依存症ビジネス」のつくられかた】は、藤原さんがお話されたこととかなり近いことが書かれています。
講演中何度も出てきた、「依存とつながり」についてはとても納得します。「依存」への対処について、世界的なエビデンスは排除よりも包摂です。
【本当の依存症の話をしよう -ラットパークと薬物戦争- スチュアート・マクミラン
ひきこもれないやつなんて!!
「『ひきこもれないやつなんてダメだ!!なにすんなり生きてんだよ!』と思うことがある」と話されていた藤原さん。自己開示できているのも、それだけでとてもすごいことです。
吉本隆明は著書【ひきこもれ】で、同じようなことを書いています。
仕事をする中で、専門性を身につけるうえで「ひきこもる」ことは必須だと解きます。コミュニケーションに長けたアナウンサーでも、です。
藤原さんの「ひきこもれないやつなんて!!」は真理だと思います。
Addiction(依存症)の反対はConnection(繋がり)
最後に、私の大好きな記事をご紹介します。本当に、何度も何度も読み返してきました。NPO法人日本ホームスクール支援協会さんで、タンキュークエストのモリソンが連載されていた記事です。
おまけの2冊
子どもとネット・ゲームの世界を理解するのに、これほど最適な本はないと思います。未読の方はぜひ。
講演後、Miraie管理人さんのお一人・ユウさんからご紹介していただいたこちらも読んでみようと思っています。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/4805883782/ref=ox_sc_act_title_1?smid=A2HQJFSQOUL3ZT&psc=1
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