見出し画像

街の研究

スカしていないけれど落ち着いた街が好きだ。

私は雨女だから、数少ない外出の日は7割型雨だ。雨の日は夜になると信号やビルの光が反射して綺麗だ。じめっとしているというのかもしれないが、汗をかいたあとだと、雨の湿気が身体にまとわりついてそれなりに心地よい。大抵、好きな人と一緒にいる時以外はやはり1人の方が気楽で良い。街そのものを感じ取るには1人の方がやり易い。目的はないけれど…

わたしは意味もなく同じ場所を歩き回るのが好きだ。意図的にしている。落ち着かない時は手遊びをすると落ち着く事を高校生の頃学んだ。頭を小刻みに振ると頭が紛れる。そういう癖があるというようにふるまっていたら。そういう人間になってしまった。

草が生えているのが好きだ。川も好きだ。見ているだけで楽しい。今はそこまででは無いが、知らない住宅街を歩くのがたまらなく恐ろしいと思っていた時期がある。自らの状況があまりにもつまらないということに気づいてしまうから。暮らしができていない。隠居したと思って生きるのは辛かった。

最近はたくさん出かけている。私と一緒にずっと居てくれる人が初めてできたからだ。とても楽しい。行ったことのない街にでも二人なら行くことがどこにだって、行くことができるようになった。

都会の町でもいろいろある。一つの町でもいろいろな顔を持っている。日時時間帯が変われば同じ町でも、全く違う。誰と一緒に居るかでも印象は変わる。好きな街が増えたのは好きな人と一緒にいるせいなのだろう。

「都会といえば?」といって頭にぱっと浮かぶ街は、いまのところ渋谷だ。渋谷には通信制高校のスクーリングのためにほんの少し通っていたことがある。朝7時ぐらいの渋谷はとても面白い。急ぐ人々、意識せずとも連なる人々、もはや無意識に歩いているのでは?と思ってしまうほど、死んだ目をしているサラリーマン。それも私にとって、馴染みのないものだった。

草や木や川が好きだと自覚したのは最近のことである。私の大学はわりと山中にある。そのため、最寄駅から学バスに乗って学校まで登校する、その道中には大きな屋敷や工場造園業者、川、などがある。私にとって目新しくロマンを感じるものばかりだ。草木が生い茂っている様子を見て「見ているだけで本当に楽しい」と友達に話すと、「!」みたいな反応をされるかドン引きされるかのどちらかなのだが、それも含めて本当に楽しい。会話がこんなにも有意義で素晴らしいものだったと初めて認識した。

田舎も都会も好きなのだと思う。

たくさん出かけて、たくさんの物事を経験したいって最近は思います。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?