売れるキモは、結局 "独自価値"。【基本すぎるマーケティングのお話/002】
最近「マルハラ」というのがあるらしいですね
メールやSNSの文章の最後に「。」をつけると、相手は強く言い切られた気がしてイヤな気持ちになるらしい
なるのはいいけど、それもハラスメントだそうです
世も末だ!と思う昭和な嘆きを必死に抑え、新しきは善だ、変化は進歩だ、と盲信するしかないと思ってます、、
(この先は「。」つけますよ)
①独自と②価値があれば、まず間違いなく売れる
マルハラ時代だとしても、ことマーケティングに関しては、「キモはとにかく独自価値だ。」と強く言い切りたい。
私はマーケティングのキモを8つに規定していますが(そのうちひとつずつ書くつもり)、その中でもダントツ、キモ中のキモ中のキモが「独自価値」。
「独自価値」は、①独自+②価値、でできています。当たり前ですけど。
「①独自」は簡単。類似(競合)の商品(サービス)と比べて、その商品だけが持っている、ユニークな要素があるかどうかということ。
「②価値」は少しややこしくて、その「独自っぷり」に「価値」を認める人がいるかどうかということ。「価値を認める」とはどういう状態?マーケティングにおいては、「それ、買います!」という状態のこと。
この2つの条件が揃えば、まず間違いなく売れます。そりゃそうだよね。その商品にしかないユニークなポイントに対して、「買おう!」って思う人がいる状態なのだから。(もちろん一人じゃなくて、何百人とか何千人とか何万人とかいないと商売にはならない。何百人でいいか、何万人必要かは、あなたのビジネスの規模による。)
この「”独自っぷり”をどう出すか」と、「その独自っぷりいいじゃん、買おう!って思ってくれる人をどう探すか」。これこそがマーケティングのキモ中のキモ中のキモ中のキモ中のキモ。
(実際は、商品の独自っぷりを考えながら、「この独自っぷりで買ってくれる人どのくらいいるかなあ」と考えたり、逆に「最近こういう嗜好の人が増えてるみたいだから、こういう独自っぷり作ればいけんじゃね?」とか、両者を両睨みしながら行ったり来たりしながら企画していくことになります。)
もちろん、これは簡単なことじゃないです。簡単じゃないから、みんな苦労する訳。私も含めて。
「空気清浄機付きテレビ」はなぜ売れなかったか?
以前の記事で、「空気清浄機付きテレビ」の話をしました。https://note.com/yudaneru_meiso/n/n7fa0672fa0d9
まったく売れなかった原因は、①独自にあるのか?②価値にあるのか?
「空気清浄機付きテレビ」の”独自っぷり”について、異論を唱える人はないだろう。だから原因は、「それを価値と認めてくれる人がいなかった」、「それを買おうと思ってくれる人がいなかった」ことにあります。
前の記事で「だったらこの良さを分かってくれる人を探すわ、という生き方もある」と書きました。もし「空気清浄機がついたテレビ」という独自っぷりを変えないのならば、活路を見出す方法はそれしかない。
たとえば、日本でダメだったのだから、海外に可能性を見出すか?など。「価値」観の違う国なら可能性があるかもしれないですね。「価値」の方が変わって、「独自」とミートするかも知れないから。
あるいは、この商品の何かを変えれば、「いいねー」と思ってくれる人が現れるかもしれない、かどうか。これは、”独自っぷり”の方を改良するケース。
しかし、あてどない海外行脚に出る前に、なんかヘンなものをくっつけちゃう前に(あるあるだ!)、まだ検討すべきことがあるんです。
その「独自っぷり」、ほんとにちゃんと届けた?
あんたの言い方が悪いんじゃないの?
「おい、その独自っぷりは、ちゃんと届いたのか?」です。「「いいねー」と思ってくれる人にちゃんと届けたのか?」です。
「いいねー」と思う人がいなかったんじゃなくて、いたんだけど、その人がこの商品の存在を知らなかっただけなのかもしれないじゃん!
実際のマーケティングでは、「広告を打ったけど、量が足りなくて届かなかったか、媒体を間違えて届かなかったか」という状態。媒体を間違えたというのは、たとえば、この商品を「いいねー」と思う人が一日中インスタばっかり見てる人なのに、雑誌に広告流しちゃった、みたいな状態。そりゃ届かないわ。
原因候補はもうひとつあります。
「一応言ったは言ったけど、言い方が悪かったんじゃね?」です。
広告の量も十分この人たちに届くくらいあって、媒体も間違ってなくて、確かにこの人たちに「空気清浄機付きテレビ」の存在は分からせたんだけど、言い方が悪くて相手がピンと来なかった、という状態。(言われてない?「アンタ、言い方が悪いの、いっつも!」って)
そもそも、「空気清浄機付きテレビどうですか?」ってストレートに言ったって、誰も買う気にはなりません。相手の”ココロに火をつけ”てないからです。
ココロに火をつけろ!
”ココロに火をつける”っていうのは、
英会話スクールが、「英語喋れるようになったら良くないですか?」って誘うんじゃなくて、「英語喋れたら外国人の彼氏できるかもよ」って誘ったり、スキンケア商品が、「若い頃の肌を取り戻せますよ」じゃなくて、「同窓会でみんなから若いわねーって言われますよ」って誘ったり。。
あー、私のたとえ話は下手すぎる。。下世話すぎる。。レベル低すぎる。。こういう優れものの事例の前ではただただ恥ずかしすぎる。。↓↓↓
特殊なペダル機構によって、下半身麻痺の人の機能を改善できる車椅子というのがあります。「COGY(コギー)」と言います。最初、「下半身麻痺の人の機能を改善できる車椅子」と打ち出したけれど、あまり売れませんでした。キャッチコピーを変えました。
「あきらめない人の車いす」
何倍も売れました。(あーほんとに素晴らしい!めちゃくちゃに賛辞を送りたい!こういう才能が私にも欲しい!)
これが、”ココロに火をつける”、です。
「インサイト」だとか、「機能価値じゃなくて情緒価値を押し出さないとダメだ」とか、いろんな言い方をされますが、要はこういう感じ。こういう感じで”ココロに火をつけろ”です。
村上隆氏は、自らの作品を「スーパーフラット」と呼び、浮世絵を始めとする日本の伝統文化の本流を余すところなく受け継ぎ、最先端の表現に昇華させたのがこのスーパーフラットである、とプレゼンテーションすることで、世界のアートバイヤーを刮目させ、グローバルな評価を得たのは有名な話。
これもアートバイヤーたちの ”ココロに火をつけた” です。 たぶん、何の説明もなしにただ売りに出したら、ただのオタクのイラストだと思われて埋没したことでしょう。
何度でも言います。”ココロに火をつける”です。
たぶん、これができた時ほど、マーケターがカタルシスを感じる瞬間はないんじゃないか?脳内のドーパミン量ハンパないぜきっと(ドーパミンで合ってますか??)。
話が長くなってしまった。
まとめると、
◯マーケティングのキモ中のキモ中のキモは「独自価値」だ。
◯なぜなら、①独自性があり、②その独自性を価値と認める(買おうと思う)人が十分な人数いれば、その商品はほぼ間違いなく売れるからだ。
◯売れない場合は、A)独自性が価値と認められていないか(認めている人の数が十分じゃないか)、B)独自性がそれを価値と認める人に届いていないか、C)届いているが言い方が悪いか、だ。
(あと、D)独自性が十分でない、というのもあるな。これは、似たような独自性を持った商品が割とあって、そっちに流れちゃう状態。)
はい、
【それを価値と認める人が十分いる独自性を作れているか?】
これを確認しましょう。できてないとしたら頑張って作りましょう。商品を世に出す前に。
そして、そういう商品を作ることと、その独自価値をどう伝えて見込み客の"ココロに火をつける"かは、表裏一体、不可分なもの。
だから、
マーケティングのキモ中のキモ中のキモ中のキモ中のキモ中のキモ中のキモは、「独自価値」じゃなくて、
【独自価値とその伝達】
です。
続きへ急げ!
https://note.com/yudaneru_meiso/n/n5454d0101dd5
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