久々のハンドボールの球速のためのトレーニングシリーズ!:メディシンボールの有効性
ハンドボールの科学は毎週金曜日に公開!
院生時代の研究テーマが「ハンドボール選手の投球動作の3次元動作分析とバイオメカニクスを活用した指導法の構築」であったので,主にハンドボールの投げる動きに関しての記事が多くなっていくかと思います!しかし,ハンドボールの科学ですから,幅広い分野の研究を紹介していきたいと考えています.是非,明日の練習に!指導に!活かしてください!
文献情報
タイトル
中学・高校野球選手の伸張-短縮サイクル運動を含むパワー発揮能力と投球スピードとの関係とその発達特性〜上肢と体幹に着目して〜
著者
比留間浩介
尾縣貢
ジャーナル
トレーニング科学 22 (3) : 2010
結論
肩の水平内転および体幹の捻転におけるSSC運動を利用したパワー発揮能力と投球スピードとの間には高い相関関係があるが,中学生に比べて高校生はその関係性が弱い可能性がある!
方法
・硬式野球チームに所属している中学生(36名)と高校生(36名)を対象
・ワンステップのみを助走として許し,塁間距離のボール速度を2次元分析から算出
・上肢および体幹の短縮性収縮によるパワー発揮とSSC運動利用によるパワー発揮の測定のために,下記の画像の様なテストをメディシンボールを用いて実施した.
・メディシンボールの重さは1キロとし,計3回行った
・メディシンボールの分析も2次元解析をした
・下記の式から,メディシンボールスロー時の力学的エネルギーを算出し,そのパワーとパワーの増加率も算出した.
わかったこと!
・加速局面での投球動作時間は中高生の間に差がなかった.
・投球スピードと身長・体重が相関関係を示したのは,中学生のみであった.
・Pushスローでは中学生は,投球スピードと高い相関関係をCT,RTともに認められた.しかい,高校生ではCTとの相関は低く,RTとの間いには相関は認めれなかった.
・肩の水平内転と体幹の捻転のCT,RT,Augmentationはそれぞれ投球スピードとの間に相関関係が認められた.中学生よりも,高校生はその関係性が弱かった.
この研究の現場への活かし方
ハンドボールも同様の投球動作を含む競技であり,この研究から得られた知見は,トレーニングなどに応用ができるのではないでしょうか?野球では勝亦ら(2008)が7〜24歳までの計319名の投球スピードを調査し,年齢の増加とともに投球スピードが増大することを報告していまう.では,ハンドボールでも同じ様なことがいえるのでしょうか?もし,完全に同じ様な年齢的推移パターンにならずとも,似た様なパターンであると仮定するとしたら,本論の考察でも述べられているように,中学生くらいまでは身長・体重の増加とともに,肩の水平内転および体幹の捻転における短縮性収縮とそSSC利用運動能力も向上する可能性があります!つまり,中学生くらいまでは球が速いのは体幹に依存する可能性が高いということです!一方,高校生ではそのようなことが言えないかというとそうではなく,本論の結果から推測するに,体格への依存率は減少するだけであるといえるでしょう!なので,高校生は肩の水平内転動作,体幹の捻転動作の力発揮技術の向上とともに,中学生と同様身体も大きく強くしたいですね!
本論では肩の水平内転と体幹の捻転におけるCTに対するRTのコンセントリック局面のパワー増加率に中学生.高校生とも正の相関関係が認めれました.すなわち,肩関節周辺筋群や上胴付近,腰部付近の筋群などのSS C利用能力を高めることは,球速UP!につながる可能性があるということになります!ですので,きちんとしたプロトコル内での今回のテストで実施した動きをそのままトレーニングに応用することができると鈴木は考えます!
ハンドボールを徹底的に学び合えるオンラインスクール「kocs(コチ)」では,ハンドボールの投球動作に関する情報としてZOOMでセミナーしたりしてます!!もし,ご興味があれば,Facebookにてご連絡ください!また,公式Instagram,Twitterアカウントもあるので是非フォローを!
それでは!
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