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跳べないブタから跳べるミケルハンセンになるための示唆①

 ハンドボールの科学は週に2〜3回に更新にします!頑張って書き上げていくので,是非シェアしていただけると嬉しいです!

 ハンドボールの科学は,エビデンスベースでハンドボールに関わらず,幅広い分野の研究からハンドボールに応用して

☑︎明日の練習に生かす!
☑︎明日の指導に生かす!

ためのnoteです!是非,ご活用ください!

 また,ハンドボーラーのためのオンラインスクール『Kocs-コチ-』で運営にも携わっております.そこでは,様々な選手やコーチ,保護者の方々と意見交換しながら,よりよりコーチング方法やスキルアップ方法をインプット⇄アウトプットしています.ご興味がある方は,公式SNSからDM✉️お待ちしています!

文献情報

タイトル
助走付き片脚跳躍における助走スピードと身体重心に作用する外力との関係


著者
柴田 篤志,鈴木 雄太,木越 清信,榎本 靖士

ジャーナル
バイオメカニクス研究,24: 57-70, 2020

リンク
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbse/24/0/24_2020_006/_article/-char/ja/

わかったこと!

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この研究の現場への活かし方

 やっとレビュー論文を一通りまとめることができました!また今日から,様々な観点からハンドボールを科学していこうと思います!

 今日は,「ジャンプ」についてです.ハンドボールで最も試合中に起こるシュート方法は「ジャンプシュート」です(wagner et al., 2007).まぁ,ハンドボールをやったことがある方であれば,直感的に理解できるでしょう!ここまで,ハンドボールの投球動作,特に球速をいかに上げるかについて論じてきましたが,自分のこれまでの研究と先行研究を見ると,トップ選手に限りますが,データ上はあまり大きな球速差は生じないことが予想されます.ですが,育成年代だけでなく,成人の方々においても伸ばせるだけ球速は伸ばしましょう!これは,シュート成功率を少しでも上げるためです.

 スズキが考えるに,ジャンプシュートの決定要因は,「①シュートタイミング」,「②球速」,「③高さ」,「④ポジション」に依存すると考えています.しかし,どれもゴールの中に入れなければならないので,「ボールコントロール」が土台となります.

 ①と④は,状況判断力や経験など,多様な因果関係が生じるため,ここはまさにブラックボックスです.日本と海外にこの部分に差があると言い切ることは不可能に近いです.しかし,②と③に関しては,個人単体が行うものなので,その結果を生み出すための因果にもこれまた沢山の要素が絡んできますが,比較がしやすいパフォーマンス指標です.先述の通り,球速に関しては,あまり国内外の選手で差が生じない部分である可能性があります(もっと研究したいです).なので,国際試合で日本人が海外選手とジャンプシュートで勝負するには,「高さ」で勝負するべきでは?と考えました.

 「高さ」とは,個人の持つ絶対値(身長やアームスパンなど)と身体操作(体幹の操作や腕の使い方).そして跳躍高によって決定されるでしょう.

 跳躍高,すなわち片脚でのジャンプ高を伸ばすために,様々なトレーニングを施している指導者は多くいますが,跳躍高を伸ばすためにも,「体力的側面」「力学的側面」の2アプローチを考える必要があります.簡単にいうと,体力とフォームです.

 また,「高さ」が変われば自然とシュートバリエーションも多くなります.高さという変数のバリエーションを増やせるように,トレーニングしましょう!

 今回,参考にした論文は,ハンドボール選手を対象としていません.そのデータから,ハンドボール選手に置き換えたらの妄想です!なので,エビデンスベースかと言われたら???ですので,ご注意を.

 何noteか前にも述べましたが,助走スピードは球速にもポジティブな影響を及ぼしますが,跳躍高にも同様のことが,ある程度言えます.直線的もしくは曲線的な助走で得られた水平方向へのスピード(進行方向みたいなイメージでOK)をいかにして,効率良く踏切局面(片脚がついてから離れるまで)で鉛直方向(上方向)に変換するかで,跳躍高は決まります.

 これは,ただの事実ですが,引用されている文献データに走幅跳の世界一流選手の助走スピードは,約10m/s(時速36キロ)くらいだそうです.ハンドボールの試合中のシュート(この場合,大学女子でかつ中央でのミドルシュート)では,おおよそ4m/s(時速15キロ)くらいなので,およそ半分の助走スピードであることが予想されます.

 この論文でも,述べられていますが,「高さ」を目的とした場合,助走スピードが高ければいいわけじゃないということが示唆されていますが,ハンドボールで考えると,球速も上がるし,助走万歳!ですが,DFさん達は簡単に予想してそれを防いできます.なので,ハンドボールにおいては,「いかに短い助走で,スピードを産み出し,高く跳躍できるか」が最重要課題となります.筋力トレーニングやプライオメトリクストレーニングなどの体力トレーニングアプローチだけでは,伸び悩む可能性も考えられますので,ハンドボールのジャンプシュートでいかに高く跳べるかも,文献研究と研究を進めていきたいところです!

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それでは!

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■ 名前
鈴木 雄大(すずき ゆうだい),MS,NSCA CSCS

■履歴
・日本体育大学 体育学部 健康学科(体育学)
・日本体育大学大学院 コーチング学専攻 博士前期課程(コーチング学)
・現職 青森県スポーツ科学センター スポーツ科学専門員(動作分析分野)

■大学院博士前期課程での研究テーマ
「ハンドボール選手の投球動作の3次元動作分析とバイオメカニクスを活用した指導法の構築」

■研究業績
・試合における大学女子ハンドボール選手のジャンプシュート動作の3次元分析(単著)_ハンドボールリサーチ,2020

■ハンドボール指導歴
・高校男子(2014〜2015)→ 高校女子(2015〜2020)
・日本体育大学女子ハンドボール部 アナリスト(2018〜2020)


 

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