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全国屈指の高校女子チームの能力結果とは!?

ハンドボールの科学は毎週金曜日に公開!
院生時代の研究テーマが「ハンドボール選手の投球動作の3次元動作分析とバイオメカニクスを活用した指導法の構築」であったので,主にハンドボールの投げる動きに関しての記事が多くなっていくかと思います!しかし,ハンドボールの科学ですから,幅広い分野の研究を紹介していきたいと考えています.是非,明日の練習に!指導に!活かしてください!

文献情報

タイトル
全国トップレベル高校女子ハンドボールチームにおける形態および運動能力の特性:レギュラー選手と非レギュラー選手の比較から


著者
岡野憲一
九鬼靖太
吉田拓矢
谷川聡

ジャーナル
体育学研究 64 : 419-428 2019

結論


すべてのテストでレギュラー群が優位であるわけではなく,非レギュラー群と比較して差がないと言えるものもあった.SSC能力の指標であるRJ-INDEXおよびYo-Yoテスト,20M走,プロアジリティテストにおいてはレギュラー群の方が有意に高い値を示した.

方法
・測定項目は以下の通りです!
形態測定,筋力(握力),疾走能力(20M),方向転換走能力(プロアジリティテスト),跳躍能力(垂直跳,リバウンドジャンプ,立幅跳),投球能力(長座スロー),有酸素作業能力(YoーYoテスト)
・統計的手法はピアソンの積立相関分析,その平均値の等分散性のテストとしてF検定,2群の比較としてT検定を用いた(危険率5%未満)

わかったこと!


・関係性があると考えられ,なおかつ相関関係があったのは「プロアジリティテスト:20M走」,「RJ-INDEX:プロアジリティテスト」,「垂直跳:立ち幅跳び」であった.
・レギュラーの方が有意に高かったのは,「20M走,プロアジリティテスト,RJ-INDEX,Yo-Yoテスト」であった

この研究の現場への活かし方


 このようなトッププレイヤーの形態およびテスト結果のデータを自身のチームの指標や新たな選手の能力の評価方法になります.これらのテストは様々な研究結果からハンドボール競技の選手の能力を評価する上で妥当であると,あれ程度は認められているものです(今後,調査を重ねてパフォーマンスとの関連性などを継続的みていく必要はあるが).したがって,これらのテストを実施して見ることで,チームおよび選手にどのようなトレーニングを今処方すべきかが見えてくるでしょう!
 
 ただし,このようなテストの中にも機材がないと計測できないものもあります.例えば,この研究でのテストで言うと,プロアジリティテストやRJ-INDEXなんか,それに値します.光電管やマットスイッチは高価であり,専門の知識が多少なりとも必要になります.しかし,光電管のような疾走速度を計測する場合は,複数人数の測定の平均値とその誤差を検討したり,マットスイッチがなくても現在はiPhoneやiPadがあれば計算式を使えば算出できます!もしその手法に興味があれば,コメントください!

 ともあれ,高校女子トップレベルの今回のデータを先行研究と比較考察していくと,高校女子の場合は,全身持久力・方向転換能力・脚のSSC能力が特に必要な能力であると言えるでしょう!投球能力などよりも,その運動量(たくさん動けること)とその維持力,素早く動ける力が必要になると言うことです!形態的な能力が長けなくても,高校女子カテゴリーの場合は,勝つことはできるのかもしれません!ただし,今後もそのような方向性で選手を育てていいのかは,疑問です.タレント発掘も踏まえて,形態的な特徴ももう少し高いレベルにする必要があるのではないかと思います.
以上!

プロアジリティテスト
https://www.youtube.com/watch?v=xCI93j1q13I
RJ-INDEX
https://note.com/keidmatsu/n/n4d7d6c3de951


ハンドボールを徹底的に学び合えるオンラインスクール「kocs(コチ)」では,ハンドボールの投球動作に関する情報としてZOOMでセミナーしたりしてます!!もし,ご興味があれば,Facebookにてご連絡ください!また,公式Instagram,Twitterアカウントもあるので是非フォローを!


それでは!


 

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