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【論文紹介】球速UPのためのベーシックロジック

このハンドボールの科学のマガジンも毎週金曜日に公開することにしました!
研究領域が投球動作であったので,「いかにシュートを速くするか」,「いかにシュートを効果的に決めるか」などのテーマを論文ベースで書いていこうと思います!
是非,明日の練習に!指導に活かしてください!

文献情報

タイトル
Relationship between isokinetic strength of the internal and external shoulder rotators and ball velocity in team handball

著者
Ioannis A Bayios, Konstantinos Boudolos

ジャーナル
The Journal of sports medicine and physical fitness (2001)


研究方法

方法
・上肢用のバイオデックスを使用
・肩の内外旋のピークトルク,角速度を調査
・設定:60, 180, 300 deg/sec
・ギリシャ1部リーグ男子選手:15名
・ギリシャ2部リーグ男子選手:12名
・健康な体育学生(男子):15名
・ボール速度はスピードガンで測定
・7スロー,クロスステップからのステップシュート,ジャンプシュートを対象
・距離は7メートルから,ゴールポスト目掛けてシュートさせた
・統計処理:ピアソン,ANOVA(p<0.05)


この論文からのわかったこと

わかったこと!
・ボールスピードと肩の内外旋のピークトルクは有意な相関関係はなかった.
・ジャンプシュートのみ,相関関係がみられた.
・3投球方法の肩の内外旋ピークトルクの軍艦の差は無かった
・3投球方法では,ボール速度に有意な差が生じ,ステップシュートが最も大きく,ジャンプシュートが最も小さかった


鈴木の解釈とトレーニングへのアドバイス

どうしてボール速度に差が生まれるのか?
ずばり,それは地面を使えるか,使えないかで分かれます.地面に対し,適切に力を伝え,その反作用から下半身にエネルギーを伝達し,それをボールへと流せるステップシュートや7Mスローはボール速度を高める上で効果的な投球方法でしょう.つまり,クイックでも打ちやすく,ブラインドもしやすく,球速も高いステップシュート戦術のマスターは,個人戦術の幅を広げると言っても過言ではありません!
一方,ジャンプシュートは空中で巧み身体を操作し,ボールに力を伝えなければならないだけでなく,状況の判断も不可となるため,地上のシュートよりは難易度が高いと言えますね!

内旋のトルクはボール速度に貢献するんじゃなかったの!?

投球動作において肩関節の内旋という動きは,大きなボール速度を生み出すのに最も貢献すると言われています.現にこの論文で先行研究として使用されていたToyoshima et al.(1973)の研究によると,「オーバーヘッド動作,すなわち投動作では投擲物の速度生成において,53.1%が腕の動き,残りの46.9%がステップ動作や体幹の回転運動が貢献しているとされています.
著者らは,考察でこのように提言しています.「本実験で行った等速の角速度も従来のものよりは高速度であるが,実際の投球動作には到底及ばない.つまり,肩の内外旋単体のトルクの大きさよりも他の要因が大きなボール速度に貢献しているはずだ.しかし,被験者の特徴も考慮した上でさらに調査する必要がある」.つまり,高速の内旋角速度,大きなトルクを生み出す要因は肩のない閃トルク単体ではなく,その他の動きによるものであるといえるでしょう!
そこで,キューバンプレスやチューブインターナルローテーションなどにより,ローテータカフなどの肩の内旋作用筋群を鍛えても,障害予防には貢献するが球速には直結しない可能性が高いのです!
しかし,ジャンプシュートではボール速度との関係性があったことを考えると,空中のようなふあtんていな状況でのシュートでは肩などの上肢単体で生み出す力を必要とするのかもしれません!実際に,Wagner et al.(2007)の研究では試合中の約75%がジャンプシュートであることを考慮すると・・・
肩の内旋筋群は鍛える必要があるかも知れません・・・

まとめ


肩の外旋,特に内旋作用のある筋肉は鍛えておいてほうがいいかも知れない!
また,球速に自信がない人こそ,ステップシュート戦術を身につけよう!


ハンドボールを徹底的に学び合えるオンラインスクール「kocs(コチ)」では,ハンドボールの投球動作に関する情報としてZOOMでセミナーしたりしてます!!もし,ご興味があれば,Facebookにてご連絡ください!また,公式Instagram,Twitterアカウントもあるので是非フォローを!


それでは!


 

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