見出し画像

1日2万歩ロンドン:最終日

現地にいた冬の終わりをとうにすぎ季節は夏になったが、今もまだとても瑞々しい記憶である。
5日じゃ足りない!けど5日でもあの場所にいられたことが嬉しい!
そんな愛憎入り混じるロンドン旅行最終日、大満喫の道中の記録はこちらからぜひご覧ください

最終日だけ違うホテルに泊まったので朝食がないプランだった。しかし幸いなことにすぐ近くに朝早くから営業しているカフェがあったので、そこで調達することに。
伺ったところかけていただいた第一声が「Good morning!」、お店を出る時は「Have a nice day!」だったのだが、夫はそのことにいたく感動していた。「店員さんとお客さんの事務的なやり取りではなく、対人間の生きたコミュニケーションって感じですごく嬉しかった」とのことだが、なるほどな、と思わされた。買ったサンドウィッチの美味しさもひとしおだったことだろう(実際、とっても美味しかった)。

帰りの飛行機が19時台の便だったので1日遊べるじゃん!ということで最終日も博物館に行った。訪れたのは自然史博物館で、「あのクジラの骨が見てみたい」という理由だった。
上野の科学博物館も大好きなのでとてもワクワクしながら行ったのだが、想像を遥かに超えたスケールに入り口から呆気に取られてしまった。何よりもまず建築が素晴らしい。思わず購入した自然史博物館の建築ガイドブックのタイトルが『Nature's Cathedral(自然の大聖堂)』なのだが、その呼び名がしっくりくるような豪奢さ。大小さまざまの動物モチーフの彫刻が梁や柱にあしらわれており、ユニークながら長い伝統を誇る壮大さに感動した。

展示の内容も面白かった。剥製や標本の数が桁違いで、まだまだあるんですか!?という感じ。広さ、密度ともにこれまで体感したことのない規模で、午前中なのにヘトヘトになりかねなかった…が、アドレナリンがそうさせてくれない。どこの部屋もワクワクしたが、私はだだっ広い部屋にずらずらずらと鉱物標本が並んでいる部屋がたまらなく好きだった。

そして、見たかった「あのクジラ」。


訪れるまで知らなかったのだが、「Hope」という名前がつけられていた。
希望の名前を冠した鯨が宙を泳ぐ巨大博物館。この世界にはそんなロマンティックな場所が存在するんだということに感動し、しばらく呆然と眺めてしまった。

そんなこんなでぐるりと満喫したのだが、私たち夫婦の後ろ髪をめちゃくちゃ強い力で引っ張る存在があった。V&A博物館である。
あまりに魅了されたのと、やはりどうしても見られなかった部屋を最後に見たいねという意見が合致して向かうことにした。
幸いすぐ近くに位置するため徒歩で移動し、念願の地下フロアや彫刻エリアを歩いた。


最終日に見つけた不思議な魅力の部屋

こんなふうに楽しめるのはすごくすごくありがたい。大満足でサウスケンジントンの街を後にした。

最後に向かったのは、マンダリンオリエンタルのアフタヌーンティーだった。本場のアフタヌーンティーを楽しみたい!どうせ行くなら美味しそうなところに行きたい!と色々調べて予約したのだが、本当に本当に素敵だった。春節が近い時期だったのでエントランスには赤いお花が飾られ、目が覚めるみたいに美しい。ロンドンにあるけれど少しエキゾチックな雰囲気がおしゃれで唸ってしまった。アフタヌーンティーのお味も素晴らしくて、セイボリーもケーキもスコーンもうっとりしながらいただいた。紅茶だけでなく中国茶なども選ぶことができ、そのどれもが宝石を飲んだらこんなふうかしらと思うほど透き通った美味しさだった。


お皿まで可愛い
可愛さに動揺して手ブレ



ロンドン最後のお食事がアフタヌーンティーだったこと、本当に今でも嬉しい。結婚して間も無くコロナ禍になってしまったので、あちこち一緒にいきたいね、と話していたけれど海外旅行は新婚旅行以来になった。日々のあれこれも楽しいが、こんなに美しい街での非日常というのはやはりなかなかに特別で、久しぶりの遠出がロンドンで嬉しいねと紅茶を飲みながらしみじみ語り合った。

帰りの空港へは電車で向かった。地下鉄が多いロンドンだが帰りは地上の線路を行く電車だったと思う(おぼろげ)。煙突が並ぶ縦長の家々、豊かな緑、煉瓦造りの建物たちが作る街並み、そういった景色が本当に名残惜しかった。あらゆる何気ない場所がどれもこれも美しくて、今も写真フォルダの無加工写真を見てうっとりしてしまう。


たった数日だったのに大好きになって、必ずまた来たいと強く強く願った。唯一の心残りといえば、重たい思いをしながら買ったフォートナム&メイソンのあれこれが空港の免税店でも買えたことである。実にささやかだが、正直あの素敵なデパートであの瞬間にお買い物できたことが嬉しいのだ!と自分を宥めたものの安からぬ税金の国でもあったのでちょっぴり悔しかった。次回はここでお土産を買おう。

ロンドン、大好き。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?