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視床性失立症とは?

みなさま、はじめまして
見て頂いてありがとうございます🙇

今回は・・
視床性失立症
についてまとめていきたいと思います。

※できるだけ正しい情報の発信に努めていますが、あくまで個人のまとめ、私の臨床経験や考えも含みますので、より正確な情報を知りたい方は、原著論文や書籍の確認をお願いします。

みなさん、視床性失立症という言葉をご存じですか?
視床性失立症(Thalamic Astasia)
TAと略されることもあります。
この視床性失立症
どのような症状かと言うと・・👇

▶一側の視床病変によって前庭神経系障害に類似した立位保持困難の特徴を示し, 通常数日から数週間で自然軽快する症候である.運動麻痺, 感覚障害,運動失調は認めず, あっても軽度であるとされる。
とされています。

報告自体も多くはなく、比較的臨床で見る機会は少ないのではないでしょうか?
この視床性失立症を今回まとめようと思ったきっかけは・・

▼視床の病変は多岐に渡るが、その判断基準・知識を得ることで評価項目を増やすこと
▼急性期でよく経験する座位保持や立位保持困難なケースに対し、リーズ二ングに活かすこと
などがあります。

特に座位保持困難なケースはよく経験しますよね?
この場合に、座位がとれない原因を考えていく時にこんなやりとりが良くあります。
「この人はプッシングがあるね。」
「いやいや、姿勢コントロールの問題じゃない?」
「体幹が弱いのもあるね」

など、、
一体どれが原因なのか?と思いますよね。
この部分は明確にしておく必要があると思っています。

そうでなければ、評価の誤りから誤った解釈➜訓練という流れになってしまう可能性があります😰
色々な可能性を探る際に、主観的な決めつけや感覚的な判断では適切な病態解釈に繋がらないと考えているので、この視床性失立症について知っておくことは大事ではないかと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、この視床性失立症についてまとめていきましょう

改めてどのような特徴があるのか?

視床性失立症とは

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ここでは立位保持困難と記していますが、座位でも起こるのでしょうか?

➢Masdeu (1988)によると、体幹機能障害が著明となるために立位のみならず座位保持も困難となるとしています
(Dr. Joseph C. Masdeu MD:Thalamic astasia: Inability to stand after unilateral thalamic lesions.Annals of neurology23:596-603,1988)

では、座位保持困難とありますが、どのように困難なのか?
これも同様にMasdeu (1988)によると、後方もしくは病巣側に倒れる徴候としています。
つまり、
右の脳損傷で左片麻痺であれば右側(非麻痺側)
左の脳損傷で右片麻痺であれば左側(非麻痺側)

となります。
どちらも非麻痺側に倒れ、なおかつ後方ということになります
実際の臨床場面で、これが全て当てはまるかは疑問がある所です。
その為、このような特徴に加え、脳画像も評価していく必要があります。

では、どの部位を損傷すると起こるのか?

視床性失立症の責任病巣は?

画像2

視床VL核の後方とされています
が、、
あれ?
このVL核って小脳性の運動失調が出現しやすい領域じゃなかったっけ?
と思いませんでしたか??
これには運動失調と失立症に関与する経路の違いが関係しています。

画像3

失立症はこの
前庭神経核➜室頂核➜VL核の経路の破綻で起こるとされています。
前庭小脳からは両側に投射されるため、一側に破綻が生じても機能代償から短期間で失立症は自然軽快するとされています。
この両側性というのがポイントですね🙆

ケースレポートの論文ですが、両側性に病変が生じた場合は立位保持困難が遷延したと報告するしています。
もしかしたら、この症状は短期間のため見逃している可能性もあります。
まずは、画像で確認していくことをお勧めします(^^)

さて、最後になりますが、どのような評価を行うほうが良いのか?
これはVL核付近の解剖学的位置を考えると、この評価が必要かなぁと思い載せているので、ご参考までにお願い致しますm(__)m

どのような評価が必要か?

画像4

以下にまとめます👇

・運動失調の評価
・運動麻痺
・感覚障害
・座位保持(どちらに倒れるか?)
・立位保持(どちらに倒れるか?)
・閉眼での立位保持
・脳画像評価(VL核)
など・・
これらを評価していくのも1つかと思います。

以上となります。
お忙しい中、読んで頂き本当にありがとうございました(^^♪

【参考・引用文献,書籍】

[1]Dr. Joseph C. Masdeu MD:Thalamic astasia: Inability to stand after unilateral thalamic lesions.Annals of neurology23:596-603,1988

[2]山本 哲, 岡本 善敬, 武下 直樹, 對間 博之, 津田 啓介, 沼田 憲治:両側の視床梗塞によりThalamic Astasiaが遷延した症例.脳科学とリハビリテーション,13 巻 p. 23-28,2013

[3]沼田 憲治:脳機能の基礎知識と神経症候ケーススタディ−脳血管障害を中心に.MEDICAL VIEW,2017

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