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構音障害の脳内メカニズム②〜構音障害の評価〜

皆さん、こんにちは!!
急性期でスーパーSTを目指すyuccoです。
STの仕事と育児、脳外臨床研究会での活動に奮闘中です♫

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 《はじめに》

今回は、構音障害の評価を脳内メカニズムから考えていきたいと思います。
脳卒中の症状として呂律が回らない、舌がもつれる、言語が不明瞭になることがあります。
この現象を構音障害と呼んでいます。
構音障害の訓練というと、思い浮かぶのが、「口の体操」「音読訓練」ではないでしょうか?

以前のブログでは【口の体操の意義】を明確にし、自信を持って構音障害への介入ができるようお伝えました。
今回は、そもそも構音障害の評価が脳機能のどこを評価しているのかを考えていきたいと思います。


《構音とは?》

言葉を話すためには、音を作り出す口唇・下顎・舌などの器官に脳から指令を
送ります

指令を受けると、肺から呼気を出し、喉頭にある声帯を振動させて声を作り、最後に舌の形を変えたり、口を動かすことで思い通りの音を作る過程のことを構音という。

《構音障害の評価チャートとは?》

構音障害の評価チャートはいくつかありますが、標準ディサースリア検査(AMSD)を例に考えていきます。
検査項目としては、【呼吸機能】【発声機能】【鼻音腔閉鎖機能】【口腔運動機能(運動範囲)(交互反復運動での速度)(筋力)】【プロソディ機能・構音機能】があります。

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《口腔運動機能の評価》

まず、呂律が回らない、構音障害の患者さんを評価するときに、口腔運動機能から評価することが多いと思います。
表情筋の麻痺はないのか?舌の麻痺はないのか?
軟口蓋や下顎、声帯に関しては両側性支配
であり、上位運動ニューロンの障害では症状が出ることは少ないです。ただし、急性期では一過性に一側からの電気指令がこないことによる機能低下を認めますが対側が補うことですぐに改善することが多いです。

脳の部位で考えると、これらの発語器官の運動麻痺の評価は、4野から皮質延髄路(顔面神経・舌下神経・三叉神経・舌咽神経・迷走神経)の問題を脳画像と臨床症状から評価します。
下記項目を評価し、点数を記入するだけでなく、評価時のポイントとして、前回のblogで下記ご紹介しています。詳しくはご参照ください。
●安静時の姿勢とアライメントを評価
●代償運動に着目
●情動性経路や随意性経路を使った時の差異や、口頭指示と模倣での差異など良い筋収縮のアウトプットがあるかの評価をします。

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