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歩行補助具の選定について

脳外臨床研究会会長 作業療法士 山本秀一朗
セミナーレポート作成 言語聴覚士 yucco

フルリカバリーを目指し、全国のセラピストと共に成長し続ける脳外臨床大学校で活動するyuccoです。

脳外臨床大学校オンラインサロンでは、日々たくさんのセミナーが展開されており、オンラインサロン内だけで留めておくのはもったいない!!
全国の悩んでいるセラピストや困っている患者さんの力になる学びを届けたいと思い、セミナーレポートとともにお届けしています♪

《はじめに》

脳卒中の患者さんは、歩行機能が低下してしまい、
移動が難しくなり、移動手段の獲得として車椅子を使用します。
立位が取れて平行棒内でステップ可能であれば、歩行補助具を使用することもあると思います。

《歩行の補助をするとは何か?》


歩行は、支持基底面の変化と重心の軌跡が起こります。
支持基底面に重心がとどまっていますか?
位置エネルギーと運動エネルギーという関係性でエネルギーを作り出して、支持基底面から重心を逸脱させていきながら運動していきます。

脳卒中になることによって、重心のコントロール、支持基底面と重心の関係性、位置エネルギーの関係性ががうまく作れないことで、
バランスを崩してしまい、転倒してしまいます。
だから歩けないんです!!
これをサポートしたい、その道具を歩行補助具といいます。

重心を上げ下げする、位置エネルギーを作ることを介助することで重心コントロールをしています。
いつもセラピストがついておくことが難しいから、支持基底面を増やすんです。
本当は、歩行は不安定であるべきですが、コントロールが難しいから安定にかえましょう。
そのために支持基底面を増やすことで重心が逸脱しにくくなり、転倒しにくいですよね。

《歩行補助具の選定》

支持基底面の安定性がどうなのか、支持基底面の役割がどれだけあるのかが歩行補助具のランクになります。
バランスがいい人、悪い人で変わってきます。

ピックアップ歩行器は支持基底面が1番増えます。
しかし、片麻痺があると両手で支えられません。
4点杖、支持面が増えるわけではないけど支持するものの安定性が高いです。
T字杖だと上からうまく押さないと点に力をかけられないのでうまく使えません。

T字杖の次は独歩!!のイメージですが、全然違うんです!!

支持基底面をアップさせる考え方なのですが、
支持基底面は下肢が作っています。
支持基底面を増やすには足をワイドにする、座位にするなど下肢で支持基底面を作ります。
本来下肢で作るべき支持基底面を、歩行補助具は大半が上肢でしています。
本来下肢で作るべき物を上肢で作っています。
下肢2本+α上肢!!

《独歩を目指すためには?》


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