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【治療レポート②】右視床出血による低緊張への荷重アプローチ

脳外臨床研究会会長 作業療法士 山本秀一朗
セミナーレポート作成 言語聴覚士 yucco

フルリカバリーを目指し、全国のセラピストと共に成長し続ける脳外臨床大学校で学ぶyuccoです。
脳外臨床大学校、脳外臨床研究会にてセラピストを育成し、自費診療で患者さんをフルリカバリーへと導いている山本先生の治療をレポート化しました。
全国の悩んでいるセラピストや困っている患者さんの力になる学びを届けたいと思いお届けしています♪
皆さんの治療が1ミリでも変わり、患者さんの人生が変わりますように‼︎

《症例紹介》

60代・男性
疾患:右視床出血(保存的治療)
障害:左上下肢麻痺、弛緩性麻痺(急性期入院時はMMT1)
現病歴:仕事中にゴルフカートに乗っている時に急にふらつき転倒し、左上下肢の麻痺発症し救急搬送。
回復期退院後は、独居にて週2回のヘルパーを利用しながら生活している。
発症からは8ヶ月が経過して介入開始。
趣味:ゴルフ

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《3つの治療部位》

「真っ直ぐ座ってください、今真っ直ぐですか!?」
身体が右重心になっています。
左側が重たく感じるのは低緊張で左肩の亜脱臼と股関節の低緊張で重たく感じます。
足の指と手の指の痙性っていう筋緊張の問題があります。

治療部位は3つ
●肩と股関節の低緊張
●手指と肘が曲がってくる痙性
●左上下肢の運動麻痺

感覚は大きく低下はしていないけど低緊張があるので分かりにくいです。
荷重が右寄りなのは低緊張が原因です、逆に言うと低緊張は左に体重を乗せていかないと良くなりません。
まずは筋緊張を上げる治療が必要です。

《肩と股関節の低緊張への治療》

まずは左荷重ができるようになることが大事です。
低緊張は筋の張りが弱くなっています。
重力に対する持ち上げる力のことを張力(筋の張り:筋緊張)といいます。
脳卒中の影響で低緊張になっており、左が重いと思っているから左に荷物を持っているような感覚だから右側に体重が寄っています。

これは筋肉トレーニングでは良くなりません。
どのようなアプローチが必要なのでしょうか!?

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