出張料理教室レポ 30代男性一人暮らしの場合
私の友達の友達の家(仮にAさんとします)で出張料理教室をやることになった。Aさんは30代の男性で都内で一人暮らしをしている。
普段の夕食は
・鍋キューブを使って鍋を作る
・レトルトパックを使って麻婆豆腐などを作る
・帰り道のスーパーで買うお弁当
の3択だそう。もう少しバリエーションを増やしたいと思い、私の友人経由で話がきた。友達の友達(仮にBさんとします)も同じ状況ということで2人に教えることになった。
Aさんはこの日が初対面だったのだが、いきなり家に上がらせてもらって料理を教えるというちょっと図々しい展開。
さっそく、キッチンを拝見。一人暮らしにしては十分広いキッチンで、整理整頓されていて使いやすい。調味料もしっかり揃っている。自炊はあまりしないけど健康には気を使っているそうで、調味料とともにサプリが置いてある。
一つだけ驚いたのは、炊飯器がないこと。レトルトご飯で十分だそうだ。Bさんも炊飯器は持っているもののほとんど使わないから、Aさんに「あげましょうか」と冗談交じりで言っていた。
ちなみにある調査によると炊飯器の普及率は約80%だそう。たしかにそんなに自炊しないならレトルトご飯で十分なのかも?
私の教え方は週3レシピでもそうしているように、レシピありきではなく、食材からレシピを組み立てるやり方だ。なので、キッチンの仕様がわかったところで買い出しへ。
スーパーに入るとさっそく私がAさんとBさんに「好きな食材をカゴに入れてください」と伝えた。少し戸惑った様子で「いつもはレトルトパックの裏を見ながら必要な食材を買っている。買い物リストがない買い物が初めてでどうしてよいのかわからない」とのこと。
私が旬の野菜の説明などをしながら、野菜系とタンパク質系の食材、だし類を購入。
帰宅し、買った食材をテーブルに広げる。ここでお手製のスープアイデアツール(良い名前ください)が登場。
このツールは4層に分かれていて、下地に買ってきた食材や味付けを書き、小窓をスライドさせながら食材を選ぶスープ作りのアイデアツール。
最初はAさんから。選んだのは、ごぼうと卵の和風スープ。
だしパックでだしをとり、それだけを味見してもらうと「めっちゃ和風〜ほっとする」と頰が緩んだ。だしを少しだけ椀に取り、塩と醤油を垂らしてお吸物にして飲んでみてもらった。「すごい。お吸い物になった!おいしい」と言ってくれて、こちらも楽しくなってきた。
だしができたところで、ささがきにしたごぼうと卵でスープを作った。Aさんの希望で、だし感を残すためにみそ汁ではなく塩で味をつけた。
スープを飲んだ感想は「おいしいけど、ごぼうが強くて、卵やだしをあまり感じられない」だった。飲ませてもらうと確かにそう感じた。ごぼうは味が濃い食材なので、味付けも負けないようにしないとバランスが崩れてしまうのだなと改めて感じた。
そこで、ごぼうのきんぴらを作った。やはり甘辛のインパクトある味付けと、ごぼうの風味はよく合う。今回のようにランダムな組み合わせで料理を作ることで、普段は「ごぼうにはパンチのある味付け」と感覚的に調整していることが大きな発見だった。
お次はBさん。選んだのはネギとベーコンの中華スープ。
ネギに少し焼き目をつけた後、ベーコンを加えて炒め中華スープを作ることにした。
完成系がこちら。おいしくできたのだが、ベーコンを少し多めに入れたこともあり中華らしい味がせずコンソメスープのようになった。ベーコンを少なくする、あるいは卵などに変えたらもっと中華らしくなったねと話した。
最後に週3レシピでも紹介した、ナスのくたくたスープとそぼろ和え麺を作った。ナスのスープは、塩だけでも立派なスープになると知って欲しかったので作ってみた。そぼろ和え麺は間違いない組み合わせなので、もちろん大好評。そぼろ様様です。
ここで料理教室は終わり。Aさんからは「普段はレシピありきの料理しかしたことがないので最初は不安だったが、組み合わせを作り出せることがわかって面白かった。いろんな食材を使って、合う組み合わせを模索するのが楽しそう」とありがたい感想をもらった。
私自身も学びが多く、人に教えることは自分が学ぶことだと思った。もっといろんな人のキッチンでやってみたい。どなたか「うちにも来て!」という方いらっしゃれば、ご連絡ください。
追伸:
12/11の料理ワークショップ@千駄木は、こんな感じの流れで進めていく予定です。ご参加される皆さん、お楽しみに!
みなさんのサポートが励みになります。 「おいしい」の入り口を開拓すべく、精進します!