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ひとり→出会い→結婚→離婚→またひとり

私、バツイチ。

離婚してからそんなに経っていないけど、すごく遠い昔のことのように感じる。今の一人の生活が日常になりすぎて、そして楽すぎて、リラックスできすぎて、結婚していた事実を忘れるほど。

ひとり

20代。ちゃんと恋愛をした期間もあれば、なんとなく恋愛をしたというか肉体関係を持った男女関係だった人がいたこともあれば、いわゆる不倫みたいな関係もあった。ちょっと冒険しすぎた部分もあったかもだけど、それなりに色んな人と出会い別れを繰り返していたと思う。

でも基本的には一人だった。一人がなんだかんだと楽だった。いたらいたで楽しかったのかもしれないけど、私の基本的な性質として、付き合うまでのあーだこーだが楽しくて、付き合っちゃうと冷めるの早め。自分でも厄介だと思う。

誰かを好きになって一喜一憂している自分を楽しんでいた。

友達以上恋人未満みたいな微妙な関係性が楽しすぎた。明らかに一歩踏み込んだ話とかをしていても、一線を越えることなく、意識だけはお互いするみたいな。そんなのを楽しんでいたなぁと思う。でも本当にその人を好きで彼氏にしたかったのかと今問われると正直分からない。たぶん違う(苦笑)

でも28歳のとき、急に恋愛したくなった。それでネットで「恋愛したいときに読む小説」を検索しまくって、山本文緒さんの恋愛中毒とか、石田衣良さんの眠れぬ真珠(これ私のバイブル)とか、辻仁成さんのサヨナライツカとか、あまり手を出してこなかったTHE恋愛小説を読み漁った。そして恋愛したいモードに自分をもっていっていた。

そしたら海外で仕事をしたときに、好きになった人がいた。しかも自分的には結構本気で。でもその人、最初言わなかったけど既婚者だった。既婚者と分かって、あぁダメかと思っていたけど、一回デートみたいなことをして、当時はまだLINEが一般的でなくてFacebookか何かのチャットで盛り上がって、私が一時帰国するときに突然空港に来てくれて初めてハグした。それ以上はない。好きになってしまっていた。

ただ、もちろんうまくいくわけもなく、多分だけど奥さんにバレかけて(ちょっと大変だった)、それでもやっぱり好きで、とあるお祭り?イベントのようなものに参加した時に、人ごみに紛れて手を繋いだ。それ以上ないってわかってたけど、その瞬間だけはすごく幸せだった。

もちろんこのまま関係が続くわけでもなく、私は仕事を終えて帰国することになり、そのまま関係はフェードアウト。でもその人のおかげで私は恋愛したいってちゃんと思えるようになった。

出会い

そして海外赴任の話が出て、迷わず赴任。そこで元夫に出会う。

正直、運命的だった。久々に出会ったフリー(彼女も奥さんもいない)の人。私の好きな気持ちと同じように相手も好きになってくれていた。告白は私からしたけど、完全に両思いだという感触があった。

海外に住むこと、留学自体は経験があったが、長期間で仕事をするのは初めて。しかも途上国。最初は何もかもが新鮮だったけど、日本人の上司と合わなかったり、地方にいたこともあり他に頼る先がなかなかなくて辛いとき、元夫が支えてくれた。あの人がいたから私はなんとか頑張れた。

でも同時に深く依存関係にあった。

当時の私にはその人以外に頼る先がないくらいに依存先が一点集中していた。だから、一瞬でも、ほんのわずかでも彼の気持ちが変わったと感じた瞬間に私は狂ってしまうのではないかというほど取り乱した。彼はよくも悪くも私を甘やかした。なんでもやってくれた。なんでも私を優先してくれた。それに私も甘えていた。頼りきっていた。ある意味、彼のほうもそうだったのかもしれない。

ちゃんと好きだった。それだけは今振り返ってもわかる。だから結婚したいという気持ちがお互いにあったと思うし、それに向けて取り組めたんだと思う。

結婚(結婚までも含めて)

大変だった時を支えてくれた人。運命的な出会いをした人。それだけでその人と結婚しなければならないと思い込んでいた。この人が運命の人なんだと思うことで折り合いをつけていた。

でも実際は、私はその人に対してすごく不満に思うこともあったし、許せないこともあったし、相手からしても同じように思っていた(本人は私に対してそれを言ってこなかった)が、それでもお互いに関係を保つことが正しいと思っていた。何度ぶつかっても、もう修復不能だと思っても、それでも関係を切ることができなかった。少なくとも私はできなかった。

運命の人だから結婚しなければならない、別れてはいけない
この先きっと、この人より私を好きになってくれる人はいない


この呪縛に私は長い期間縛られていたんだと思う。もしかしたら元夫も同じように。

同時に私は幸せだったんだと思う。好きになって、付き合って、結婚の話が出て、結婚に向けて準備をしていって、同棲して、家族や友人に紹介して・されて、ごく一般的な幸せの形を初めて手に入れたような感じがあったから。やっと訪れた普通にすがりついていたのかもしれない。

結婚にあたって障害がありまくって、それでもなんとか一番大きかった相手の家族の承諾を得るという障害をクリアして、結婚に至った。

でも私は自分の結婚式がしんどすぎた。結婚式とは幸せなものではないのだろうか?なぜあんなに苦痛だったのか。

一つは母の対応が嫌だった。母は祝福していたのだろうけど、ところどころで相手の家族の嫌味のようなことを言ってきて、そんなことを今言われても困るタイミングで私を苛立たせ、疲れさせた。不思議なことに、私が大嫌いな母親のことを、元夫は大好きだった。母も元夫のことをすごくかわいがっていた。今ならはっきりわかる、それも気持ちが悪かった。

そんなしんどい結婚式をなんとか乗り切り、夫婦にはなったものの、私たちの関係はあまり変わらなかった。結婚したら分かり合える、落ち着くだろうと思っていた諸々がさらに目につくようになった。それはお互いに。でも私たちは表面的には良い夫婦を演じていた。

幸せな瞬間もたくさんあった。貴重な時間を一緒に過ごした相手として私はこの人で良かったと今でもちゃんと思う。ただ、少しずつ少しずつズレが大きくなっていっていた。

離婚

単身赴任のような形で私が数か月家を出ることになった。

淋しくなるのかと思っていたが、びっくりするほどの解放感。一人はこんなにも楽だったか。夫のことを考えなくていい、自分がしたいことを優先してできる、自分の時間をすべて自分のために使えることをあんなに求めていただなんて。

気の合う友人に出会ってしまったのもあると思う。そこでの生活が純粋に楽しかった。独身時代に自由にやっていたときの感覚が戻ってきてしまった。近況報告は常にしていたが、少しずつ夫と連絡を取るのが少なくなっていった。

今思うと、完全にマジックだったのだけど、単身赴任を終えて夫のもとへ帰る直前に、勢いで身近にいた男の子と関係を持ってしまった。あれは私が自分自身に言い訳をつけるために起こしたことだったのではと思う。初めて夫を裏切ってしまった、その事実が重くのしかかってきて罪悪感を感じたのと同時に、私はそれを理由に別れたいと思った。

さすがに自分一人では考えて答えを出すものではないと思い、夫のこともよく知っている友人や昔からの友人に相談した。面白いことに、ほとんどの男友達には止められ、女友達には止められなかった(笑)

夫と話し合いを持つ中で、私は夫のことを男としてはもう好きではないことに気づいた。人として尊敬していた。今も友人としては好きである。そこに変わりはない。でも一生一緒にいるパートナーとしては違うってはっきりと分かった。

私はこの人に甘えてしまう。頼ってしまう。自分でできることを自分でしなくなっていた。二人でいるときに彼は私のことを優先してくれた。それが私は嫌だった。二人のことなのに常に優先されるのは私の意見だった。それが嫌だと伝えても、「僕のことはいい、あなたのために」そういわれることが苦痛だった。

すごく誠実で優しい人だった。そして、その誠実さと優しさに依存していた自分が嫌いだったんだと思う。甘やかされることに嫌悪感を持っていたのに、私はその状況を受け入れていた。その矛盾に気づいたときに、この人と一緒にいたらダメだと思った。

本当であれば長い時間をかけて協議すべきだったのかもしれないが、コロナのこともあり、すごいスピードで離婚届提出まで進んだ。

私は自分の中ではある程度の落としどころをその時見つけられていたが、夫は違ったと思う。夫自身の気持ちが整理しきれないまま去っていった私のことをただ見送るしかなかった状況を作ってしまったことは、私の中で後悔として残っている。

そしてまたひとり

元夫からは何度か未練があるのだろうなという連絡が来たけれど、あまり感情的にならないように返事を返していた。私が一方的に別れを切り出して、やや強引に別れる形をとったのに、彼はまだ私のことを好きでいてくれた。そういうところがよく分からない。なぜこんな私が好きなのだろう。不思議で仕方がない。

バツイチって思っていたよりも気楽である。年齢的に結婚していてもおかしくないので、聞かれたら軽い感じで「私、バツイチなんです~」って答えるようにしてるけど、それに対して相手が世間体を気にするような発言をしてきたら若干攻撃するが(笑)、基本他人には首を突っ込まれる筋合いはない話なので軽く対応する。

ひとりに戻って、ひとりをまた一からやり直してみて、自分には結婚てあまり向いてないんだろうなと思った。それは例のごとく毒親である母のことがあり、誰かと結婚するときにまたこの人とゴタゴタするのかと思うと煩わしいし、結婚も子どもを持つことも幸せの方程式にまったくもって当てはまらないことを身をもって体験している私には、必要条件ではないことがよく分かった。

だからと言って、人を好きにならないわけでも、絶対に結婚を考えないわけでもない。ただ、世間一般の結婚はもういいかなって思う。パートナーの形も、家族の形も、人が決めた枠の中でする必要はないって分かったから。

私は、結婚したことも、離婚したことも、ひとりでいることも、どれも後悔していない。でも失敗した部分はたくさんあって、そこから学んだからそれでいい。

超長くなってしまいましたが、読んでくれた方、ありがとうございました。

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