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ペインレス。痛みの意味。

天童荒太さんのペインレスを読んだ。じつはすでに2回目。noteのお友達に紹介いただいた本で、興味を持って読み始めたのだが、予想を超えた内容と展開で不思議な読後感。天童さんの本で長年愛読していた永遠の仔とはまた違う深さだった。

心に痛みを感じないペインクリニックの女医と、怪我で身体に痛みを感じなくなった男性の話。どっちが想像つきやすいかと言われたら、わかんないなと思った。どちらかというと体の痛みだろうか。想像しやすいのは体の肉体的な痛みだと思った。というのもちょうど謎の脇腹痛に悩まされていて、おそらく休職してた時と同じ肋間神経痛なのだけど、痛いなぁぁぁぁってのがずーっとあるからか、これを感じないを求めてる状態である。

反対に心の痛みって本の中でも出てきたけど、人の死で悲しむこと、誰かが傷ついているのを見ること、嫉妬すること、ある種の怒り、かなり幅広くて1回目に読んだときにそこがスッと入ってこなかった。そっか、痛みって苦しい時だけじゃなくて、悲しみや怒りにも繋がっているのだと気づかされた。そう考えると、人って結構な頻度で心に痛みを感じながら過ごしているのだと思った。

前も書いたが、人の痛みって分からない。特に傷ついた経験については、同じようなことを経験した人であれば共感はできるかもしれないが、同じように心が痛んだかどうかは分からない。たまに、「あ、この人私と似たような体験してる」と思う人っているが、受け止め方とかが「え、それだけ?」みたいなことが結構ある。反対に私から見たら些細な事であっても心を痛み苦しんでる人がいる。出来事は出来事でしかなく、そこからの痛み方に正解も間違いもないのだと思った。だからこそ勝手に周りが判断してはいけないとも。

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最近仲良くなった人がいる。アプリで知り合った人で地方在住のため会ったことがないのだけど、不思議とゆるく長くやりとりが続いている。どう思われてるのか正直よくわからない。が、アプリで知り合ってる時点でお互い男女の関係を意識してるため、そういった会話もする。

この人と話すのは楽しいのだけど、同時にたまに痛い。チクリと言う感じで嫌な痛みではない。発言に傷つくとか言い方がきついとかではなく、言うことが刺さってくる感じなのだ。

不思議なのが、この感じはたしかに痛みなのだけど、それをもらいにいってしまっている部分があること。痛みを求めているのではなく、痛みのリスクを持ってでもかかわりたいって思ってると言う方が正しいかもしれない。

そしてこの刺さる系の痛みをくれる相手の方からの方が学べると思ってしまう。自分にとって言われて痛いことだから、自覚あるダメなところだったりするし。相手はそういうつもりで言ってないようだけど、話題然り、考え方然り、たまーにチクリと刺さってくる。

次の海外渡航前に会ってみたいということを改めて伝え、休みがとれなさそうな相手に来てもらう代わりに、まさかの私が行くという。いや、ついでに観光するし、温泉付き宿取ったから全然いいんだけどさ。しかも確実に空いてるのがクリスマスの週末のため、まさかのクリスマスによく知らない男に会いに新幹線に乗るという。何やってんだかって感じだけど、まあそれもいっか。

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ん、何の話?あ、ペインレス。仕事でペインフルだからよ、せめて何かしらの楽しみをプライベートに持っておきたいのよ。

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