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一期一会。背中を押してもらう。

8月に入ってくらいから調子が悪かった。体も痛い。メンタルも不安定。転職活動が停滞気味だったこと、今の職場での苦痛(基本毎日)、不毛な関係を続けてる自分。色んなことがうまくいかなくなって、もがいてもがいて沼にはまってく感じがあった。

しかしながら、休職のときに通院していた心療内科に行きたくなくて。行かない期間が長くなりすぎて、ますます行きたくなくなっていて、それも心の中で引っかかっていた。

患者に怒鳴る、精神科医。やばい(笑)

ちょうど二週間くらい前、仕事中に何度かロッカーに駆け込み泣くことが続き、やばいと思い、仕事中に心療内科を探しまくった。しかし、ない。口コミが怪しかったり、遠かったり、初診の予約を受け付けていなかったり。

何日か探し続けた結果、気になるクリニック名が。私が好きなワードが入っていたのでHPを見たら、詳しくは書けないけど私とものすごい共通点を持った人だった。経歴を見ると、社会人になってから医学部に行って医者になったという、すごいガッツがある人だった。速攻で予約を取りたい旨メールした。

そして金曜日、そのクリニックに行ってきた。

初めて行ったのに初めてじゃないみたいに落ち着く空間。そしてふんわりとした雰囲気のその先生は、事前にウェブ上で回答した問診票を見て、私との大きな共通点に気づいているのにもかかわらず、そこには触れずに淡々とまずは診察してくれた。今の気持ち、どうしてそう感じるのか、どういった症状があるのか、一つずつ質問してきた。少し事務的な感じもしたが、あとからその意味が分かった。

とりあえず、私は症状から判断するに「抑うつ状態」であることは間違いないと。ただし軽度ではあるのと、眠れていることから薬の服用は必要ないこと。また、休職して復職したらまた症状が出てきだしたのは、分かりやすい「適応障害」であるから、今の職場から離れることが一番の解決策であること。今元気になりつつあるのは内定をもらったという事実があるからということ。

一つずつ、順序立てて、かみ砕いて説明してくれた。心療内科の診察がすごく曖昧であり、よって診断基準は医師の考え方によってかなり異なるということも教えてくれた。あの短時間で、私が知りたかったことのほとんどを教えてくれたと思う。以前通院していた心療内科の先生から怒鳴られた件についても、苦笑いしながら「それは大変でした」と言ってくれ、その先生の診断や薬の処方で気になっていたことも、同じ専門家としての意見を率直に述べてくれた。

最後の最後に、先生と私の共通点に触れ、その話で盛り上がった。その瞬間はもう医者と患者というより、その共通点であるものに対しての想いをただただ話す時間だった。単純に嬉しかった。こんなところで自分に共通点のある人に出会えたことが。

最後に何か聞いておきたいことはありますか?と聞かれたので、私が一番知りたかったこと(一番だけど二つある)を聞いた。

私、内定もらった仕事、今の体調でできるんでしょうか?
あなたの経歴を見て今日お話を伺った限り、海外生活が長いこともあって、日本で普通に働くのは難しいと思いますよ。海外に出た方がきっと活躍できるし、元気になると思います。僕は仕事柄もう海外に行く機会はほとんどなくてちょっと淋しいですが、あなたはそれができるし向いてるんだから。

日本で普通に働くのは難しいって、頭で分かっていたけど私はなんとなくそれが受け入れられなくて、でもこの先生にそう改めて言われてみて、そうなんだってすんなりと受け入れることができた。やっと腑に落ちてくれた。

次の仕事を始めるまで、私は今の会社に出勤し続けられる自信がないのですが・・・
私も基本的にはお勧めしませんね(笑)有給も残っていないみたいなので、出勤するしかないみたいですが、例えば欠勤してしまうというのも手です。またはどうしてもという場合には私がここで診断書を出して休職してそのまま辞めるということもできます。ただ、診断書は安易に出すものではないし、私が見る限り、あなたは大丈夫です。もしどうしても辛くてたまらなくなったらまた相談してください。でもその必要はないと思いますよ。大丈夫。

優しく、でも力強く背中を押された感じだった。あぁ、私、がんばれそう。この人がそう言ってくれるなら、きっと大丈夫。今の仕事もきれいに辞められる。次の仕事も不安はあるけどできる。そう思わせてくれた。

支払いを済ませ、最後にお礼を伝えて「きつくなったらまた来ます」と先生に言ったら、「たぶんないですよ(ニコリ)」と言われた。思わず私もニコリとマスクの下で笑ってしまった。

一期一会。この一度しか会わずに終わったとしても、先生のことは忘れないだろうな。感謝しています。ありがとうございました。