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島ひるごはん vol.5「空にいちばん近い島 in 瀬戸内」

「次の休みどこにいく、海、山?」
「山と海、どちらの方が好きですか?」

ありがちな「海」「山」の2択の質問。
これに1つ足して3択にするとしたら、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?

ここ小豆島では島内のどの山よりも認知度が高く、他の有名観光スポットと並んで人気なのが寒霞渓(かんかけい)の名で知られる東西7キロ、南北4キロに及ぶ「谷」です。

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日本三大渓谷美のひとつに数えられるほどの特異な地形や、日本書紀にも記述されるくらい歴史のある寒霞渓。

人気観光地となって久しい今現在も多くの人の手によって守られています。
今回の「島びと」三浦さんは試行錯誤しながら時代にあった方法で寒霞渓を守り、次の世代に繋げようと尽力されている方々の中のひとりです。

小豆島で生まれ育ち大阪で旅行業について学ばれた三浦さんは、小豆島で寒霞渓ロープウェイ運営など様々な観光開発を行う会社に就職されました。

寒霞渓ロープウェイ頂上駅にある事務所を職場とし、寒霞渓に通い続けて20年。
日々寒霞渓に身を置きながら、これまで多くの人々の手によって守られてきた寒霞渓の歴史や背景を学ばれてきた三浦さん。
勤続年数を重ねるにつれ、様々な顔を見せる寒霞渓の素晴らしさをより深く感じるようになり、今でも新たな寒霞渓の魅力を発見することもあるそうです。

1934年、日本で初めて登録された国立公園のひとつ・瀬戸内海国立公園の中心に位置し、瀬戸内で最も高い山・星ヶ城山(816m)と標高777mの美しの原高原に囲まれた風光明媚な渓谷・寒霞渓。

そのままの自然美で見応えも訪れる価値も充分ですが、今やその魅力を多くの人にいかに伝えるかの工夫も求められる時代です。

三浦さんは、単に利用客数の増加だけでなく、滞在時間やリピート率のアップが寒霞渓のファンを増やし、それがやがてはこの遺産を次の世代に引き継ぐことに繋がると考えます。
そのため、去年からのやむを得ずキャンセルや延長を選択せざるを得ない状況下でも様々な計画をいくつも進められていました。

「寒霞渓スピリチュアルナイトツアー」もそのひとつ。
瀬戸内海諸島で最も高い場所である寒霞渓は、瀬戸内海で最も星に近く夜空を眺めるには絶好の場所でもあります。
悠久の時を経て自然に造詣されたパワースポット寒霞渓で、メディテーション(瞑想)やロープウェイの特別夜間飛行を含む体験型ツアーです。

残念ながら9月からの開催は見送られましたが、10月からの開催を目指して計画を再調整されているところです。
私もぜひ参加したいと考えているので無事開催できる状況に戻ることを願うばかりです。

デスクワークが基本という三浦さんの普段のお昼ごはんはお弁当が多いとのこと。
卵好きな三浦さんの為に、この日奥様が用意されたお弁当は焼き加減が絶妙で美味しそうな特製オムライスでした!

仕事中は2重マスクでしっかり覆われた三浦さんの口元がこの時ばかりは緩んでいるように見えます。

オフィスを飛び出し、youtubeで様々な角度から小豆島の魅力を伝える動画配信も続けられていている三浦さん。
観光客目線の分かりやすい説明が好評で、確実にファンも増えているようです。

さらに、本格的な動画撮影にも挑まれると伺い後日、撮影現場にお邪魔してきました。

寒霞渓周辺の見所の多い特異な地形について広く知ってもらうことを目的に、地質を研究されている教授を島外からお招きし、対話形式の分かりやすい動画を制作されていまました。

天気予報とスタッフ全員の予定が合う日となるとなかなか難しかったようで、日程調整を数ヶ月繰り返しようやく実現した撮影当日は見事な快晴!

日傘や帽子着用の観光客が目立つ真夏日ながら、出演者である三浦さんたちに日陰はNGです。
プロの撮影部隊かと見紛うほど、厳しいチェックと撮り直しを繰り返しながら撮影が進められていきます。

そんな三浦さんたちの待ちに待ったお昼休み。

三浦さんがこの日のお昼のごはんに選んだのは、
寒霞渓山頂駅前でしか入手出来ないご当地バーガー「オリーブ牛コロッケバーガー」です。

この日の撮影スタッフ全員が、ボリューム満点で寒霞渓で1番人気のこのハンバーガーを選んでいたことからも、午前の撮影で相当体力を消耗されていたことが想像できます。

お昼休み後、日差しの強さはそのまま。
むしろ午前にはあった風が止み、体感気温がさらに高くなった気さえする中、撮影が続けられました。

瀬戸内の海と寒霞渓周辺の山肌をバッグに続いたこの日の撮影がようやく終わったのは、夕方5時を過ぎた頃。
その後も気を緩める間もなく反省会。さらに厚い台本の続きの撮影日時等の打ち合わせを終えて、ようやく解散となりました。

この日は8月最後の日曜日。
これから寒霞渓が最も綺麗だと言われる紅葉のシーズンを迎えることになります。

控えめな気質の方が多い小豆島の人びとも、寒霞渓の紅葉だけは「綺麗だよ!」「絶対観るべき!」と口を揃えて賞賛する景色を、今年初めに移住した私ももうすぐ見ることができます。

最後に、三浦さんに寒霞渓でいちばん好きなところ・おすすめの見どころについて伺いました。

寒霞渓を20年ほぼ毎日見続けて来られた三浦さんは少し迷った後、

「荒々しい岩と瀬戸内海の穏やかな海。
悠久の時間をかけて自然が織りなしたこのコントラストを是非体感して欲しい」
と答えてくれました。

そんな雄大な対比は写真だけではどうしても伝えきれません。

ここまで読んで下さった皆さん!
是非、寒霞渓のパワーを直接体感しに、
この状況がおさまったら行ってみたい場所リスト」に小豆島を書き加えてみてはいかがでしょうか?

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