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島ひるごはん vol.2「小豆島の魅惑の香り」

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今回の島びとは、小豆島を代表する産業の一つ佃煮の会社に製造兼広報担当としてお勤めの正面道子さんです。
いつも元気で明るく、常に周囲に気を配り、会うと必ず私も元気を貰える(浴びすぎると日射病の危険もある程!)夏の太陽のようにエネルギッシュな道子さん。

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大阪でのデスクワークを離れ、自ら強く希望し製造現場に配属されるも、張り切り過ぎたせいか一時は歩くのも困難なほど膝を痛めてしまったそう。
聞くとこれまで遠泳やフルマラソンなどプライベートでもかなり追い込み型の道子さん。長年の膝の酷使も響いたのかもしれません。
「会社や他の現場の社員に迷惑をかけたくない」とさすがの道子さんも落ち込み、辞職も考えていた彼女に松本佐代社長からある提案が出されました。

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数年前、27歳で家業を継ぐことになった松本佐代社長。週休二日制や機械の導入など新たな改革を積極的に取り入れてきた先代たちの方針は、彼女の代にも受け継がれています。
業界未経験の道子さんの中途採用時から、本人希望の製造以上に広報の適性を見抜いていた松本社長は、道子さんに「島乃香」初の広報担当を打診したのです。
これぞ怪我の功名でしょうか、道子さんは膝への負担を最小限に製造の作業は続けながら、広報の仕事にも携わるという働き方改革が一気に進むことになりました。

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まずは公式インスタをスタート。一つ間違えば信用問題に関わる責任の重さを感じながらも新たな挑戦に張り切る道子さんは慎重に言葉と写真を選び、松本社長の確認を通し、毎日の投稿を続けています。
今やストーリー投稿による“朝のあいさつ“と通常投稿は道子さんのルーティーンとなりつつあります。

島乃香株式会社インスタグラムはこちらから↓

島乃香インスタグラム リンク

それでもやっぱり現場の職人さんがかっこいい!という現場が好きな道子さんの案内で醤(ひしお)の郷にある製造工場の内部を見学させていただきました。

タイマーとローリングブラシ

工場内に入る前には、全職員手洗いはもちろん、全身のローラー掛けが徹底されています。
もちろん見学の私も新品の白衣とキャップをお借りし、タイマーを計って30秒ずつ手洗いとローラー掛けを行ってからいよいよ工場内に潜入です。

島乃香 工場内風景

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湯気を上げひじきが大神まで煮られている

蒸気と芳しい香りの立ち込める工場内にテンションが上がり、少し浮かれ気味なのは私だけのようでした。
お中元シーズンの準備で特に忙しいこの時期、職人の皆さんは無駄のない動きと息のあった連携で黙々と作業を進めていきます。

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そして何と言っても、さすがは小豆島!この工場には近くの醤油蔵からパイプで繋がっていて、ひねれば醤油が出る蛇口がいくつかあるとのこと!
煮詰められていく醤油や砂糖、ごま油の香りがブレンドされた香ばしい蒸気に包まれていると白いご飯が頭に浮かんで食欲が刺激されます。
佃煮の昆布やしじみ、生姜など様々な主原料が照りのある魅惑の液体に丁寧に絡められていく様子にはつい見惚れてしまいました。
この香りばかりは、いくらオンラインが主流になった今でも島外の方には残念ながらお伝え出来ません。(が、小豆島の「醤の郷」エリアでは工場や蔵の外でも醤油や佃煮の香ばしい香りがあちこちから漂ってきます!)

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朝8時から始まる午前の作業は12時に終わり、現場の職人の方々は食堂に向かいます。

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清潔な島乃香の社員食堂感染症対策を考慮した座席配置になっています。

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お昼は地元の仕出し屋「はまゆう」さんから毎日届けられます。
ただし、ご飯は各自持参。これによってフードロス軽減にも大きく貢献しているはずです。

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黙食中でも明るさ全開の道子さん。

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道子さんにこの日以外のお昼ごはんの写真を送ってもらったのでまとめてご紹介。
仕出し屋さんの日替わりのおかずは毎日蓋を開くのが楽しみになりそうな内容です!
自前のご飯にも日替わりで島乃香の製品の佃煮やお漬物が添えられていて、どの日のお昼ごはんもとても美味しそう!

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お昼休みが終わりに近づくと、「本当はもっとゆっくり見学して欲しかったけどー」と忙しい中取材を申し込んでしまった私に最後まで心配りの言葉をかけ、道子さんは大好きな現場に戻っていきました。

伝統的な日本の食品という印象の強い佃煮ですが、視点を変えれば「手軽・長期保存・アレンジ多数」と今の時代に求められる要素を多く持つ、現在だからこそ利用したい食品と言えるかもしれません。
今回の取材を機に、私にとっての佃煮の地位は大幅に上り、あの日以来冷蔵庫で暫く眠っていた佃煮を手に取らない日はありません。自分史上、最も佃煮のことを考え続けた一週間を過ごしたせいか、添えられたご飯がちょっと幸せそうな気さえして来ました。

ここまで読んでくださったみなさんもぜひ近いうちに佃煮(できれば小豆島産の)を味わってみて頂けたら嬉しいです。

小豆島の空と海と道子さんの片足ポーズ

最後に、道子さんの「お気に入り」の写真をご紹介!
移住から2年経った今も、小豆島の海を見ると心が躍るそう。
膝の調子も良さそうで良かったです。

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