指人形、はじめましたの行為と記録 Vol.158「まだまだノベルティ制作中」
ゆびにん制作日記(2024.09.23 - 09.29)
今週もノベルティを作っていましたが、まだまだ完成には遠い状況です。
9/23 (月) - 29 (日) ノベルティ制作。
今週観た映画
・ふれる。(感想) ☞ 試写会
・札幌国際短編映画祭・先行上映会
毎年なんだかんだ参加している短編映画祭。今年も先行上映会に行かせていただきました。会期中は『こまねこのかいがいりょこう』が上映されるファミリー&チルドレンプログラムに行きます。
今回初めてチケットを買って行こうと思っている方には迷いなくインターナショナルプログラム(I-A~I-E)をおすすめします。レアな国の作品が観られたり、掘り出し物がありますので。4プログラム券とかありますが、インターナショナルプログラムに全振りでいいと思います。
あと配信でいい方には11/1~17のオンライン上映がおすすめ。
チケットやプログラムの情報は公式サイトをご覧ください。
北海道セレクションプログラムから
夏の記憶のようなもの(青木デイヴィッド監督)
MV作品。
女性の映像と風景がひたすら流れ続け、退屈な作品だなあ…と思いながら観ていました。口の動きと歌がだいぶ合っていないところにも違和感を覚え、釈然としない気持ちでいたところ、監督が札幌在住ということで舞台挨拶があり、ご本人の作品解説を聞いて謎が解けました。本作は女性も風景も音楽も生成AIで作成したもので、すべて実在しないものとのこと。だから口パクが合っていなかったのですね。最新技術を使用している点が選出に繋がったのでしょう。AIの技術に感心しつつ、だったらもっと生身の人間には出来ないことをさせた作品を作った方が面白かったのでは…と思いました。
「SOMETHING LIKE THE MEMORIES OF LAST SUMMER aoki」で検索すると引っかかったので、以前はYouTubeに上がっていたようなのですが、映画祭に合わせてか現在は非公開にしているみたいです。そのうちまたこちらのチャンネルで公開されると思います。
ちなみに監督ですが、顔出しNGなのかVRゴーグルを着用した姿で登場。司会者につっこまれて「バーチャルの世界に生きているものですから」と答えるも、お客さんが一人も笑わず会場全体に気まずい空気が流れました…
そしてゴーグルを外さないまま挨拶終了。そんなに顔出したくないならいっそのこと舞台に上がらなければ良かったのになあ…素人がすべるの見てらんないよ…
EXTREME FLASHBACKER(原風海也監督)
ダウ90000園田出演。
コンビニのカウンターの下にある緊急時に押すボタンを題材にしたSF的な作品なのですが、いまいちアイデアを活かし切れていない感じがしました。YouTubeにありましたので気になる方は観てみてください。
ナショナルプログラムから
逆さまの天才(西遼太郎監督)
特殊な器具を使って逆立ちで生活している学者が主人公の物語。
美術や衣装が凝っていて、エンドロールも通常と逆さまの2種類が同時で流れるという徹底ぶり。
仕掛けに工夫があるし驚きもあるものの、ストーリーがいまいち面白くなかったかなあ…あの仕掛けを描きたいがために後付けで作られたストーリーに見えてしまってなんとも。
短編映画祭らしい着想の作品ではありました。
こちらもYouTubeにありますので気になる方はご覧ください。
Shoe Lover(松本サキ監督)
1950~70年代を舞台に女性の社会進出を描いた作品。
「どんな時代に生きていても自分のやりたいことを貫け」というメッセージを伝えたいのはわかるし、美術や衣装へのこだわりも強く感じましたが、小道具の多さが観客の集中力を削ぐ要因になってしまい、こだわりが裏目に出ていると思いました。というのも、私の見間違いだったら申し訳ないのですが、1950年代の靴工房の棚に1970年発売のマルマンのクロッキーブック(青色の方)が置かれていたんです。(1970年代のシーンに登場するオレンジと黒の表紙のスケッチブックは1958年発売なので存在する。ただしデザインはマイナーチェンジしている可能性あり)
マルマンという企業自体は100周年を超えているので勘違いしたのかもしれませんが、時間も予算も限られている中だと時代考証にも限界があるだろうし、描きたい題材のために舞台を1970年代に設定した上で回想シーンで50年代に遡らせてさらに60年代も描くというのはさすがに無茶だと思いましたね…先日観た『侍タイムスリッパー』は主人公を江戸時代から現代にタイムスリップさせることでそこらへんを上手くクリアしていたし、『ぼくのお日さま』も90年代の描き方が上手かったので、本作には余計に違和感を覚えてしまいました。これだけ物量があると、服飾に詳しい人であればこの素材はこの時代にはまだないとか、家電に詳しい人であればこの商品はこの頃は発売されていないとか、それぞれ「あれ?」と思う部分が出てきてしまうと思うんです。本作は美術や衣装にも注目してもらえるような作り方をしているわけだから、そんな細かいところを見ずにストーリーを見て!と言うのはだいぶ苦しい…
イメージ映像ではなく映画なので、メッセージを伝えるためには『侍タイムスリッパー』のように舞台を現代にして作った方が良かったのではないかと思いました。
インターナショナルプログラムから
戦場の音(原題『Blitzmusik』マーティン・アミオット Martin Amiot 監督)
上映は「I-C」10/12(土) 15:00 – 16:30 サツゲキ地下1階シアター4。
カナダの作品。
音・音楽に比重が置かれている作品なのですが、戦闘中に建物内にあったレコードがたまたま回り出し、敵同士がドラムと金管楽器(トランペット?)でセッションするというお話でした。いやそうはならんやろ!とつっこみを入れざるを得ない…本当にあんなことがあったらいいけれど、何とも平和ボケな…と思ってしまいました。テンポもいいし、エンドロールとかもおしゃれなんだけれども、そのおしゃれさもウクライナとかガザ地区の人からしたらふざけんなよって感じじゃないかな。
コロナ前、ドラム缶の爆弾を落とされている戦地の短編ドキュメンタリーなどもありましたが、この頃は見かけないのでそういうのも出せないくらい逼迫した状況なんでしょうね…
ハート・オブ・ストーン(原題『Hearts of Stone』トム・ヴァン・アバルマエト Tom Van Avermaet 監督)
上映は「I-A」10/12(土) 11:00 – 12:30 サツゲキ地下1階シアター4。
ベルギーの作品。主演はノオミ・ラパス。
石像が置かれた公園で日々生きた彫像として銅像になりきる主人公・ポーラと、「アガサ」という名前がつけられた石像との交流を描いた物語。
銅像や石像になりきった人が大勢参加するイベントが登場するのですが、そこでの美術も衣装もメイクも素晴らしく、さらにアガサに命が宿る部分のCGも巧みで、アナログ手法とデジタル技術の両方の良さが活かされています。
全体的に無駄のないストーリーで、特にポーラとアガサの会話の一言一言が丁寧かつウィットに富んでいて心に残りました。結末も好み。劇中の彫刻公園の静けさに、学生時代に過ごした芸術の森野外美術館を思い起こさせられて懐かしく温かい気持ちにもなりましたねえ…29分55秒の作品ですが、長編作品を観た後のような満足感がありまして、これを観られただけでも先行上映会行ってよかった…!
『バベットの晩餐会』のような静謐で温かい作品が好きな方におすすめです。
今週読んだ本・今読んでいる本
『みんなのひとり上手手帖』クリハラタカシ(ナナロク社)
読了。
以前ニュースタイルで買って積読していたのをやっと読みました。
ヨシタケシンスケさんの『もりあがれ!タイダーン』でクリハラさんとの対談を読んだ時は「この人の絵本読んだことないなあ」なんて思っていたのですが、実はその時点ですでに持ってたという…全く気付かなかった…
装丁が3パターンあるのですが、私が購入した時は赤いベロア素材の表紙か黒い合成皮革の表紙の2種類が販売されていて、学生手帳パターンはありませんでした。ベロアの方がちょっと擦れている感じだったので黒い方を選択。
生徒手帳のやつあったらそれがよかったなあ…縦開きの昔のアドレス帳のような見た目の不思議な本でして、暇つぶしアイテムとしてスマホが台頭して以来、絶滅しかけている一人遊びがまとめられています。
FILE_002「文字の線で囲われている部分を塗りつぶす」とかFILE_005「部屋のカドを手前にとびだしているものと思いこむ」などやったことのあるものもちらほらと載っていました。やってみたいと思ったのはFILE_006「豆腐の上面と側面をつなぐ穴をあけて醤油をかける」、FILE_039「雑誌の中の人を穴をあけて表紙に出してあげる」など。FILE_024「テキトウな形の生物を描く それをたくさん描いて群れにするとなんだか説得力が出てくる」は5ページに渡って謎の生き物が描かれていて、表紙の裏にも起用する徹底ぶり…
『魔女のあとおし』中山有香里(幻冬舎)
読了。
人の事ばかり気遣い疲れてしまっている看護師が、夢の中で魔女に出会い
少しずつ自分を大事にする術を身に着けていく漫画。
私は気疲れするタイプの人間ではないので、こういう人は大変だろうなあ…と思いました。作中でも描かれていますが、優しすぎると付け狙う奴が寄ってきちゃいますからね…最低限舐められないようにしないと。
子どもの頃にしたかったことを思い出して叶えていくのが良かったです。
あとシチューが食べたくなる。
『神経症的な美しさ アウトサイダーがみた日本』
モリス・バーマン 著、込山宏太 編・訳(慶應義塾大学出版会)
読んでいる最中。
Eテレの世界サブカルチャー史 欲望の系譜の思考のオルタナティブ編で語っているのを見て、著書を読んでみたいと思い借りました。市内に1冊しかないので半年以上は待ったかな…400ページ以上あるのでこれは時間がかかるぞ…と覚悟はしていたのですが、実際に読んでみると一つ一つ咀嚼していたらとても2週間では読み切れなさそうに感じたので、立ち止まらずに一気に読んでいく戦法を採っています。
最近行った講演・展覧会
・ギリヤーク尼ヶ崎 55周年記念「祈りの踊り」(9/16 円山公園・自由広場)
開始15分前くらいに辿り着いたらすでに人の輪が出来ていて、隙間から何とか観ました。
鼓童のライブの前に行ったので1時間しかいられなかったのですが、私が観た時点までは観客と手を取り合って回った以外は特に踊りらしい踊りはしていませんでした。喋っている言葉もよく聞きとれず、観客に向けて黒子さんが訳している状態で何とも気まずい気持ちに…離脱者も多数…これまでも病気を抱えながらやってきたわけだし、死ぬまでやりたいんだろうとは思うのですが、観ていて痛々しくてさすがに引退した方がいいのでは…と思いました。外見的に即身仏のような趣はあるんですけどね…観た人の感想だと私が立ち去った後にしっかり踊ってたようなのですが、ちょっとにわかには信じがたい…"しっかり"の基準は人それぞれですからね…
・鼓童 ワン・アース・ツアー2024(9/16 Kitara)
コロナ禍に豊田利晃監督の映画『戦慄せしめよ』を配信で観て、いつか実際に演奏を観に行こうと思っていた鼓童。
ギリヤーク尼ヶ崎の直後に観ているので余計に溢れんばかりの生命力を感じました。生演奏は体にもびんびん響いてきますし、やはり迫力が段違いで生で観られて本当に良かったです。特に小さめの太鼓を使った演奏の際、小さな音からどんどん大きな音になっていく様が、霧雨が豪雨に変わっていくようで目を見張りました。そもそも太鼓で身を立てていること自体がすごい…
私は体力もないし、まずもって集団生活の時点で脱落必至なので心の底から尊敬します。
ロビーに一人一人のタペストリーが展示されていて、横で写真を撮っている方も結構いて、太鼓の世界でもみんな推しがいるんだなあ…と、なんだか新しい世界を見た気持ちになりました。観客はお子さんがちらほらいるくらいで、あとはほとんど高齢の方のようで不思議な客層でしたね。私と同じ30代くらいの人は見つけられなかったなあ…鼓童のメンバーには同世代もいそうなのに。
・Perfume Costume Museum(東1丁目劇場施設)
Perfumeの衣裳展。
私は音楽はシングル曲くらいしか聞いたことがなく、ライブもJOIN ALIVEでしか見たことがないのですが、とにかくPerfumeの衣装が好きで「Perfume COSTUME BOOK 2005-2020」は持っています。札幌まで来てくれて本当にありがたいイベントでした。
ピノのCM衣装は万博のユニフォームっぽさもあって可愛いし、「Next Stage with YOU」の衣装は近未来感があってかっこいいし、本当に素敵な衣装ばかりでしたが、特に「ClingCling」の2種類の衣裳が最高でした。総柄の豪奢な赤い衣装も素敵だし、タッセルやパイピングが施されたターコイズブルーの衣装も素敵。アジアンな衣装って何気に少ないですよね。種村有菜が描く不思議な服を具現化したらこんな感じだろうなっていうのもありますし…もしかして小学生の頃に刷り込まれてるからこういう衣装が好きなのか!?
あと、本のP.232に載っている2017年のCDTVスペシャルの衣裳も見たかったのですが、残念ながらありませんでした。あの不思議な色味見てみたかったなあ…
・錦鯉が行く!のりのり散歩フェス 第2部(9/22 hitaru)
HTBで放送しているお散歩番組「錦鯉が行く!のりのり散歩」のフェス。
番組のファンミーティングが第1部にありまして、第2部でお笑いライブが行われました。司会は番組の進行役も務めている田口アナ。
当初は錦鯉、モグライダー、ヤーレンズが出演予定だったのですが、シークレットゲストとして虹の黄昏が出演しました。何年も前からこの4組で行われている「反野内豊史」というライブを、先日HTBスタッフが観に行ったそうで、そこで直々にオファーしたとのこと。虹の黄昏と言えばモダンタイムスと組んで老害マックスというカルテットでM-1に出場したくらいの地下芸人…札幌で登場するなんて激レア!と思っていたら、昨年琴似で単独ライブやってたんですね。全く知らなんだ…私はシンクロニシティがよく話題に出していたのでモダンタイムスはちょくちょく観ていたし、馴染み深いのですが、虹の黄昏の芸風はよく知らずたぶん初見でした。一気に場が荒れて大丈夫か!?と思いましたが、コーナーでは普通に大喜利していたので4組のチームワークの良さを感じましたね。おおむねモグライダーの芝さんとヤーレンズのお2人が回していた感じ。モグライダーはジョンソンにぶち込まれたのは不憫としか言いようがなく、むしろこの4組で番組作ればいいのに!と思いました。
即興芝居のコーナーでは虹の黄昏の小道具の三角コーンをヤーレンズ楢原さんがとっさにお墓に見立てるという活躍ぶり。ヤーレンズは漫才にM-1でもやっていた「バナナと言ったら丸美屋♪」を入れていて、サービス精神の旺盛さも感じてますます好きになりました。
錦鯉は独演会に行ったので観るのは2回目でしたが、今回は他の3組に任せていて隆さんは楽そうで、まさのりさんは多方面から無茶ぶりされてて大変そうでしたw
「反野内豊史」の4組を揃えて札幌でライブを実現したHTBスタッフさんめっちゃ有能!ありがとうございました。今度はぜひとものりのり散歩にヤーレンズを呼んで欲しいな…
・爆笑!!お笑いフェス in 札幌(9/29 hitaru)
お見送り芸人しんいち・や団・ゆめちゃん・トム・ブラウン・カミナリ・やす子・東京ホテイソン・ロッチ・ニッチェ・どぶろっく・ラバーガール・ウエストランド・U字工事・ナイツという豪華な面々によるお笑いライブ。
吉本芸人が0なのが特徴ですね。
ほとんど好きな芸人だったのですが、や団、トム・ブラウン、ナイツが特にお目当てでした。
や団はショートコント2つと、見覚えのある1万円を取った犯人を捜すコント。そういえばコントってもの自体、人生で初めて生で見た気がする…
ロングさんを始めとして3人とも演技が上手く、コントというより演劇を見ているような気持ちになりました。小道具が結構散らばるネタだったんですが片付けがめっちゃ早くて笑いました。あと本間さんかわいい。叶うことなら単独見てみたいなーKOC取って札幌込みでツアーしてほしいです。無理だったら錦鯉と抱き合わせでもいいし…!
トム・ブラウンは札幌出身ということもあって登場時に一番湧いてました。
ネタはここ最近よくやっている2人とも死ぬやつでした。ホストクラブに通う女の子の肝臓を守りたいっていう内容だったので、デュエットするやつとは違いましたが2人とも死ぬのは同じw合体は見られないのかーと思っていたらナイツがやってくれたので良かったです。(捕まった有名人の名前を5人くらい出して完成するのが羽賀研二っていう時事ネタ…)
出演者の中で唯一見たことがあったのは、昨年のM-1ツアーに来ていたウエストランド。Mツではお花が届いたぞーのネタだったので、今回あるなしクイズが見られて良かったです。あと、河本さんに対する煽りでM-1のめくりからの涙ツーにタクシーを蹴る動作が加わってたのがタイムリーでしたw
最後、東京ホテイソン司会で全員集合してチケットアプリKIPPの宣伝があったのですが、画面に映ったアプリ画面で「○○の下の写真の人って顔出していいの?」って誰かがつっこむのが2回くらいあって、スピードワゴンとランジャタイだったのが印象的でした…
それにしてもM-1、KOC、R-1の王者が揃っていたのはすごいですね。これだけの規模のものが札幌で行われて、しかも満席だったのって、札幌にも相当お笑いが浸透しているってことですから本当にすごいことだと思います。こういうライブがこれからもあるといいなあ。
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