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指人形、はじめましたの行為と記録 Vol.112「金魚とクリオネ」

ゆびにん制作日記(2023.11.06 - 11.12)
11/6 (月)
- 7 (火) 甘噛みホオジロザメ進める。
11/8 (水) - 9 (木)
 制作休み。
11/10 (金) 甘噛みホオジロザメ進める。
11/11 (土) 芸術の森美術館で開催されている深堀隆介展に行く。
金魚酒の試行錯誤と進化の様子がわかる展示を見て、私も腐らずがんばろう…と思う。

撮影OKゾーン。ここぞとばかりに側面を激写
上から見るとこう

展覧会の帰りのバスの中で思いついたクリオネの指人形を制作開始。
11/12 (日) クリオネ完成。販売開始。

キュートな表面
側面
バッカルコーンな裏面
捕食
ちょっと小さめの作り
ちょっと変わったものを贈りたい方いかがでしょうか


今週読んだ本
「大家さんと僕」と僕/矢部太郎 ほか(新潮社)

読了。
「大家さんと僕」と「大家さんと僕 これから」の間に発売された番外編。
雑誌やテレビ番組で発表された漫画の他に、手塚るみ子さん・お父さん・電波少年のTプロデューサーと矢部さんの対談や、矢部さんと交流のある人からの文章、週刊新潮の架空の表紙制作などなど、楽しいページがぎゅうぎゅうに詰まった1冊でした。
この本を作る上で一番大変だっただろうな…と思ったのは、文章を寄せてくれた人にひとつひとつ似顔絵が付いていたこと…15人分描かれてたから最低でも15枚は描いたってことですからね。これは大変な労力だ…糸井重里とか岩井俊二とかおぎやはぎの矢作とか特徴つかみつつ可愛く書かれてたなあ…あと、平愛梨!美人って描くの難しいと思うんですけど似てるし可愛かったですねえ。

漫画はちょこっとしか載ってないんですが、どれも濃い作品で、最後のしあわせについて書かれた漫画が好きでした。『ぼくのお父さん』を読んだ時も思ったけれど、矢部さんは強運の持ち主ですね。矢部さんにとっては芸人として売れることが一番の夢なのかもしれませんが、漫画に描きたい題材が現れて、漫画の才能を見出してくれる人と出会えて、才能を発揮する場が設けられる、っていうはなかなか得難いものですから…
きっと人間には一人一人に一番向いていることがあって、私にももしかしたら指人形以上に向いている何かがあるのかもしれませんが、今のところその兆候はありません。でも、高専時代に彫刻・陶芸とかフレスコ画・水彩画・グラフィックとか建築図面・模型とかあらゆる芸術・デザイン分野をやってみて、一番向いていると思った制作方法がフェルトの立体だからなあ…深堀隆介さんみたいに1テーマで色々実験してみるしかないんでしょうね…

今週観た映画
11/9に札幌国際短編映画祭の先行上映会に行ってきました。
パスマーケットでチケットを申し込めば誰でも参加できる無料の上映会だったのですが大々的に宣伝している印象はなかったのに満席でした。みんな目ざといな…
ちなみに11/23の授賞式(受賞作が上映される予定)も無料なので気になる方はぜひ。

・『ストラクチャー』『PARKING』
(上映予定:北海道セレクション・プログラム 11/24 21:00の回)

『ストラクチャー』は札幌のPVって感じ。
北海道セレクションに毎回1本は入っている、音楽や環境音のみで映像が流れていくタイプの作品でした。光の処理の仕方がこだわりのようでしたがよくわからず…後述の『PARKING』みたいに監督からの説明があったら、また何か違ったのかもしれません。でもなあ…『PARKING』は説明なしの状態で観ても面白かったしな…

『PARKING』は昨年閉店した4プラを舞台にしたアニメーション作品。
西林と思しき喫茶店や自由市場が登場し、観ていてうるっと来てしまいました…この日は監督がいらしていたので、上映後に作品の説明があったのですが、監督は実際に4プラの駐車場に勤務されていたそうで、バックヤードのディテールの細かさは納得でした。「札幌出身ではないので中高生時代に4プラに通ったみたいな思い出はないのですが…」とおっしゃっていましたが、製作にあたって大通地区の百貨店について調べられたとのことで、4プラ開業時に3人の女性がオープンカーに乗って宣伝していたことや、最初は4プラが建つ前にあったお店の寄り合いで出来ていたというお話など、ただ買い物に行っていただけでは知りえなかったエピソードが聞けて面白かったです。そして、調べたことがちゃんと作品に反映されているという…私も指人形作る時にちゃんと調べないとな…と思いました。

・『でんちのおかあさん』
(上映予定:ファミリー&チルドレンプログラム 11/26 11:00の回)
韓国のストップモーションアニメ。
人形が羊毛フェルトで出来ていて、作るの大変だっただろうなあ…と思いました。保育園のシャボン玉製造機や電動マドラーや体温計の中で一生懸命働く電池が主人公なんですが、やることなすことがいちいち可愛いんですよね…セットとか登場する小道具もシンプルな中に温かみがあって、ちょっと『こまねこ』を思い出しました。
他にどういうのを作っている監督なのか調べたら『BATTERY DADDY』(でんちのおとうさん)も存在していました。なぜそんなに電池への思い入れが…?

・『ストレンジ』
(上映予定:ナショナル・プログラム 11/24 13:00の回、11/26 13:00の回)
男子高校生とドラァグ・クイーンの交流を描いた作品。
2人の関係性はとても良かったんですが、主人公の母親の描写がステレオタイプすぎるな…と思いました。あれだと70歳以上の人みたい。年齢的にもう少し理解が進んでいる気がしたんですけど、まあああいう人もいるのか…?
SNS上で「実写化してたんだ!」と言っている方がいて気になったので調べてみたら、長編作品のようなしっかりしたHPがあって驚きました。原作の漫画は有名なのかな?ちなみにドラァグ・クイーン役はドリアン・ロロブリジーダさんが演じています。

・『PLSTC』
(上映予定:インターナショナル・プログラム I-B 11/24 17:00の回)
生成AIを使用して作られたフランスの実験映画。
プラスチックと融合した魚やシロクマなどの映像が1分ほどの間に立て続けに流れる作品です。上映前の説明で生成AIで作られたと聞いていたので、作り物だとわかっている状態で観られましたが、知らずに観ていたら実際の映像と思ってしまったかも。AIだったらいくらでも悲惨な写真とか映像を偽造出来てしまうわけで、自然や動物を守ろう的なメッセージにこういう映像が使われたら厄介だなと思いました。もう何も信じられない…

・『ファイヤー・ファイター』
(上映予定:インターナショナル・プログラム I-E 11/26 15:00の回)
フランスのラブコメ作品。
途中からオチが見えてしまうし、ちょっと冗長かな…15分以内にしてくれたらもう少しすっきり観られた気がします。こういうタイプの展開でハッピーなオチになっている作品は短編映画祭では毎回1本は見かけますね。

・『ザ・ウィナー』
(上映予定:インターナショナル・プログラム I-D 11/25 17:00の回)
イランのドラマ作品。
イランからは本映画祭に毎回大量の応募があるそうで、今回は200本の中から残った唯一の作品がこちらだそうです。これほど大量に応募されるのもすごいですが、それだけ活発に短編作品が作られているのがすごい…
本作は自転車レースに参加したい主人公のために父親が借金してまで自転車を買ってきてくれるが…というお話。札幌国際短編映画祭のディレクターの方が「大々的には言っていないが、今回の全体のテーマは『平和』」というようなことをおっしゃられていて、本作はまさにそのテーマにぴったりな作品でした。考えさせられたし、大人は親としての威厳なんか捨てて、子どものためにしっかりしてくれよ!と思わされましたねえ…ごまかさずに本当のことを言わなきゃいけない時ってあるんだよ…

映画館(サツゲキ)での上映はパスマーケットで前売券をご購入いただけます。

全作品見放題のオンライン上映もあります。こちらは12/8から開催予定。
劇場での鑑賞は1プログラム6本前後で前売1,300円・当日1,500円、ただしファミリー&チルドレンのみ前売・当日ともに500円、アワードプログラムは前売1,500円・当日1,800円。オンラインでの鑑賞は2,000円で全作品観られるので、オンラインの方が断然お得…オンライン上映はまだ申し込みが始まっていないので、気になる方は12/8付近に公式サイトをチェックしてみてください。

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