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ゆべ小説

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ゆべしちゃんが書いた小説とかです。 幻想怪奇っぽくなってたらいいなあ。
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#ホラー小説

雨の日に来る

雨の日に来る

 初夏、灰色の雲が低く垂れ籠める、ひどい雨の日の午後にだけ来る幽霊がいる。

 まだ幼子だった私が微睡みに招かれ青くさい畳の上に横になっていた時に、それは来た。

ざあああああああ
ざあああああああ

 という雨の音の中に、玄関の引き戸の硝子をカシャンカシャンと叩く音が聞こえる。
 私が寝ている間に家族は買い物にでもでかけたようだ。
 私の他に誰も出るものがいない。
 寝ていた居間から顔を出すと、

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晩餐の仔羊

晩餐の仔羊

イザベルは十二人姉妹の六女。
来月には五女になる。再来月は四女。そのまた次の月には三女。
イザベルには毎月妹が一人増え、姉が一人減る。

これは別に「なぞなぞ」や「とんち」などではない。

イザベルの引き取られた孤児院には、きっかり12人の少女達がいて、毎月一人が引き取られ、一人が里子に出されるのだ。
そして、年齢に関係なく、引き取られた時期が早いものが「姉」とされる。

奇妙な制度ではあるが、母

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磯姫奇譚

磯姫奇譚

「月の引力で浮かんでくるのさ」
 そう言って父は、揺れる小舟の上で注意して立ちあがり、竹竿を構えた。
「だから満月の夜にはこうやって押し戻さねばならん」
 水面にぷかりと浮いてきたのは死んだ魚の腹のように白い女の顔だ。
父はその頭を竹竿で突き、海中へ押しやった。
 女の黒髪が水中でふうわりと舞い、みなもに花開くように広がった。

 海面から手だけを出し、むなしく空をかく女を眺める。私

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