僕《星☆月矢》です。No.1ホストの【雪❅冬矢】さんに憧れてホスト🌹になりました☆そしたら冬矢さんが《ここ》に行って来るといいからって言われて来ました。あの---〈カフェ57冬矢☆(月矢)7前編〉
カラン、カラーン。
ドアが開いて、店に入って来たのは若いシルバーに染めた髪の男の子。そのシルバーに染めた髪の横にダークなブルーのメッシュが入っている。
服装はジーンズに紺色の薄手のトレーナー。
--- わっ!。また、凄い髪の色。
何だか、頭の先から爪先まで真っ白だった冬矢君を思い出す。
--- 元気かな。
すると
「あの」
何だか、イメージと違って弱々しい声。
「いらっしゃいませ。どうぞ」
私が、そう言うと
「あの、雪❅冬矢さんに言われて来ました」
「えっ」
--- 冬矢君?。
私が、ちょっと驚いている間に、その男の子はカウンターの左側に座った。
とりあえず、
「いらっしゃいませ」
私は、いつものように、おしぼりと水の入ったグラスをカウンターに置いた。
確かに、この髪の色はホストらしい?。
すると、やっぱり男の子も棚に置いてある〈雪❅冬矢〉君のマイカップに目をやった。
棚にあるお客さんのマイカップは、確かに目を引く。
「コーヒーしかありませんが、コーヒーで大丈夫ですか?」
「はい。冬矢さんに聞いて来ましたから、お願いします」
「わかりました。ちょっとお待ち下さいね」
すると、男の子はジーッと冬矢君のマイカップを見ながら言った。
「実は、僕もホストなんです。《星☆月矢》(ほし☆つきや)って言います。冬矢さんと同じ店です」
「あら。冬矢君と?。冬矢君、元気?」
「はい、めちゃくちゃ元気です。でも、忙しいです」
「そうみたいね。最近は来ないからちょっと淋しいのよ」
私は、そう言ってから
「コーヒー、好きな色のカップに入れましょうか?。七色あるんですよ。虹の色の」
すると
「はい。それも冬矢さんに聞いてます。僕は、青でお願いします」
そう言うから、私は淡い青色のカップにコーヒーを入れて、淡い青色のコースターを敷いて置いた。
「どうぞ」
「ありがとうございます。頂きます」
月矢君は、静かにカップを口に持って行って、コーヒーを一口。
「美味しい。本当に美味しいです」
そう言って、もう一口飲んでカップを置いた。
「ありがとう。ねぇ、冬矢君と同じお店なの?。《俺も1番!🌹君も1番!》て言う?」
「はい。実は僕はあの店の前に飾ってかるNo.1ホストの写真を見て、冬矢さんに憧れてあのお店に入店したんです」
「へぇ。あの写真格好いいものね」
「ママさんも、知ってますか?」
「えぇ。私も見に行っちゃいましたから」
私はくすっと笑った。
「そうなんですよ。僕もあの写真見て憧れて。ホストの世界に入ったんですが、3ヶ月過ぎてもヘルプばかりで指名が入らないんです。あのお店は指名が無くても、それなりにはちゃんと補償もしてくれます。でも、やっぱり指名が欲しくて、冬矢さんに聞いたんです。そしたら冬矢さんが、《ここ》に行って来いよって。誰にも秘密だぞって。それしか言わないんですが、だから来てみたんです」
月矢君は、ちょっと困った様な照れた様な表現をした。
「あらま。そうなの?。冬矢君ったら」
私は、何だか冬矢君らしいかなと思った。
「ねぇ、冬矢君はあなたが憧れているって事は知っているの?」
私は聞いてみた。
「はい。入店して直ぐに言いに行きました。No.1の人に失礼かもと思ったんですが、話したかったし」
「へぇ。冬矢君、喜んだでしょう」
私は、その情景がなんとなく浮かんだ。
「そうなんですよ。正直、生意気だとか叱られるかと思ったんですが。冬矢さん、凄く喜んでくれて〈宜しくな〉って。僕、更に憧れちゃって」
嬉しそうに話す月矢君。
「へぇ。もしかして、名前、冬矢君が考えてくれたんじゃない?」
「そうなんですよ。よくわかりますね。冬矢さん、話してませんよね?」
「えぇ、最近は来ないから。でも、なんとなくね。名前が似てるし。もしかしたら、月矢君だよね。星と月が好きなんじゃない」
「そうなんですよ。どうして、わかるんですか?」
ちょっと不思議そうな顔をする月矢君。
すると
「なるほどね。冬矢さんが《ここ》に行って来いよって言った意味がなんとなくわかるような気がして来ました。名前を決める時に冬矢さんが〈好きなものは〉って聞いたから〈星と月かな〉って言ったんです。それで冬矢さんが〈セイヤって名前は居るから、星☆月、じゃ俺の矢を付けて《星☆月矢》に決まりだなって。僕、めちゃくちゃ嬉しくて。この人は凄い人だと思ったんです。何故って、こんな僕を嬉しくさせるんですから」
なるほどね、と私は思った。
「素敵な名前よ。良かったわね。冬矢君も、知っていると思うけど〈真っ白い雪と冬〉が好きなのよね。好きなものほど強いものは無いって。月矢君の事を応援しているのね。冬矢君」
「そうなんですか?」
「そうよ」
私は、そっと微笑んだ。
だって、じゃ無きゃこの場所を教えないから。
「ねぇ。じゃ、冬矢君のお客さんのヘルプに入った事はあるの?」
「もちろん、毎回ありますよ」
「どこか、他のホストのお客さんと違うところがある?」
「お客さんですか?」
ちょっと、月矢君は不思議そうな顔をした。
「そうよ。お客さん」
すると、少し考えて、
「優しいかな。皆さん。うーん、確かに何か違うんだよなぁ」
「アハハ、今まで緊張してたでしょう。普通に話して大丈夫よ」
私は、そう言った。
「ママさんって、何でもわかるんだね」
月矢君は、今までよりはちょっと柔らかい表情になった。
「何でもはわからないわよ。なんとなくね。優しいんだ。冬矢君のお客さん」
そう言うと月矢君が突然言い出した。
「そうそう。実は驚いたと言うか、僕が感動した話があったんですよ。それが、冬矢さんはお客さんが〈飲み物を飲ませてあげる喜び〉って言うのかなぁ。ホストじゃなくて、お客さんがホストに飲み物を飲ませる喜びですよ?。ヘルプに着いた時のある女の子に聞いたんですが、凄いなぁって思った話があるんですよ」
月矢君は、急になんだかわくわくしながら話し始めた。
🌹続く🌹
🌈🌹冬矢君のストーリーはマガジンにまとめました🍀
お時間あったら覗いて見て下さい🌈
宜しくお願いします🌹
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🌈☕いらっしゃいませ☕🌈コーヒーだけですが、ゆっくりして行って下さいね☘️☕🌈