見出し画像

失禁=アウト。はい、パッドにする?

これ、どういう意味だと思いますか?高齢者施設では、もしかしたら当たり前かもしれません。特に特別養護老人ホームなど、入所人数が多かったりするとやや、布ショーツの失禁増えてきたからと、案としてすぐ出てくるのは、リハビリパンツや、ショーツからはみ出そうな大きいパッドの使用の検討です。

状態によっては、必要なことなので否定しないけど、私が言いたいのは安易にそうしていいのか?って疑問なのです。

そんな、きれいごと並べては仕事にならない!ってなりそうですが。

数年前のお話です。

布ショーツで車椅子の利用者さん。最近、下着を少量だけど尿汚染することが増えてきました。意思疎通がしっかりできる方です。


そこでカンファレンスを行いました。

下着の汚染が多いことで、洗濯回数が多い。今後続くならご家族さんに追加でショーツを持ってきてもらうことになる。そうなると新しく購入してもらったり、ご家族さんの負担が増える。どうしていくか


職員のAさんは、失禁多いなら尿取りパッドの使用を提案。それなら、ショーツの汚染は必然的に減ります。私たちも介助は楽です。

私もその場にいて、言ってることはわかるし、それも一つの手段だけど。失禁してしまう行動は把握できているんですか?

間に合わない・終わる前に立ち上がることあるとか、必ず原因はあるから普段のトイレの動作はどうですか?

※ショーツの汚染がわかるから、トイレに座るまで付き添います。


そこから、見えてきたのはトイレに座るまでの行動が失禁につながっていたことや、ぎりぎりまで我慢していたことで下ろした瞬間に出てしまうこと


トイレに座るまで、便座や床をペーパーで下ろした状態で拭いたりするための失禁もありました。


ということは、失禁=パッド というものは今回は成立しなくて

ぎりぎりまで我慢してしまうなら、ある程度の時間で声をかけて誘導して、排尿の間隔をつかむこと

座るまでは見守りだけではなくて、目の前で職員が拭いてスムーズに座って排泄すれば、ある程度の汚染は防げるのではないか?

それを試して、問題が新たに生じるなら再度、検討となりました。

トイレに見守りに入ってるのに、動作を見てないの?って疑問に思うかもしれません。

最初は、利用者さんのルーティンだから止めてはよくないとスルーしていた職員もいました。中には、声掛けをして座ってもらい失禁を防いでいる職員もいて、分かれていたけど、忙しくて統一したケアになっていませんでした

また、皮膚の弱い方でもあり毎日、清拭して軟膏塗布があるため、これからの季節、梅雨だとパッドによる蒸れで皮膚状態が悪化する可能性もありました。実際、パッドの使用中にお風呂に当たった時に蒸れて少し発赤があり軟膏塗布しました。

カンファレンスした時に、いっそのことリハビリパンツにしたら?と取り替えるのは楽だしって、いかに自分たちの仕事を楽にするか考える職員も何人かいました。

そのため、カンファレンスの結果を不満に感じる職員もいました。確かに忙しいし、手間は省きたいのはわかります。

でも、安易に失禁=オムツ類 という選択は自分に置き換えてみれば、尊厳を傷つけられた!とか、もこもこしたのイヤってなりませんか?

病院で、それほどでもないのに入院って言われたら、何人かは自宅療養出来ないか頼んだりするのと変わらないと思います。

大規模施設では、難しいかもしれません。

私は、少人数の場所にいるので、そういうケアが出来ているだけの話です。


利用者さんの側に立ってケア出来たら、いいなっておもいます。


そして、利用者さんがいてくれるから介護の仕事が出来ているということを忘れてはいけませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?