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既婚ゲイの眼光

休日がとても辛い。最近の平日は外勤が多くなってきたので、妻と顔をあまり合わせなくて済む。在宅勤務でもずっと書斎にこもっているので、顔を合わせなくて良い。休日はそうはいかない。これがまた疲れる。イライラする。妻は「久しぶりに外出しよう」と袖を引っ張るが、僕はずっと部屋にこもって本を読んだり、趣味と副業を兼ねた翻訳とか物書き(何かを書いているときが本当に好きなんです、僕)に集中したい。つまり、会いたくない。

勉強とか読書の邪魔も平気でしてくる。
「それは、私たちの時間を割いてまで、必要な読書なのか」、「そんな勉強をして、何の役に立つのか」、「仕事に関係する勉強でもしたらどうか」、「そもそも、こんな歳までなって、部屋に閉じこもるなんて……」。そういう時は、目で殺さんばかりに睨みつける。

何の勉強をしようが、どんな本を読もうが勝手だろうと思いながら、キリッと睨みながら、僕は自室に入る。最近は、好きな音楽(ECM系)を聴きながら、フランス語とか精神病理学(ひっ、引かないで笑)の勉強をしたり、朗読CDを聞いたり、書き物(noteの下書き的なもの)をしている。ときどき(いや、最近はずっと)、しょーもないお笑いの動画を見て、ゲラゲラもしている。学生時代のように、窓から朝焼けの光が差し込むまで好きなことをやっていたいけれど、そうはいかない。平日は特にそう。12時の鐘がなったら、ベットに入らないといけない。机の上には、本とCDがうず高く積み上がっている。その間には、実は某芸能人の写真集が混ざっていたりする。

もちろん僕だって外に出て気分転換をしたいけれども、一人でしたい。散歩は夜にしたい。一人で。考えごとをしながら。買い物(とくに服)も集中して、店員さんと色々と話をしながら、一緒に考えながらしたい。「SSのコレクション素敵ですよねー」的な。だから僕は、平日の閉店1時間前くらいに、人が少ないタイミングを狙って駆け込む。店員さんからしたら、いい迷惑かもしれない。映画も、好きなメゾンのコレクションDVDも一人で観たい。彼女は一緒に観たがるし、ついでにそこにいて結果的に一緒に見ている時が多い。けれども僕は、集中して一人で観たい。なんども見直したい映画は特にそうだ。よくわからないけれども。

最近「嫌悪感」と「一人になりたい」が、限りなくoverlapしている気がする。数学的には何て言うのだろうか。空集合φ=0とか?

この先、完全に一人になれるのは、通勤電車の中くらいなのだろうか。ゾッとする。もしくは水曜日と金曜日は定時で会社を脱出して、遅くまでやっている喫茶店で読書でもするのが関の山なのかしら。やっぱりゾッとする。こういう風に、一人の世界に恋い焦がれるとき、疼く。食べたくなる。もちろん相手はいないし、そんな甲斐性はない。だから溜まる。だから、ため息ばかりが出る。そして視線がよりきつくなる。

ここまで土曜日の夜に書いた。ここから書き始めている今は、日曜日の夜、ああやっと解放される。明日は在宅勤務だし、たくさんの音楽を自由に聞けるし、仕事の合間に本も読めるし、たいちくんの続きでも書こうと思います。もちろん仕事もしながら。テンションが上がるゆういちでした。

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