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ドゥブロヴニク旅行記 17歳のお土産店員

大学の時にひとり旅をしたクロアチアのドゥブロヴニクで立ち寄ったお土産屋での出来事です。

部屋中にお土産屋のアルバイト店員が肌につけている白ワインのコロンの匂いが漂っていた。彼女の年齢を聞いた時、俺はまぁびっくりした。
「本当にまだ17歳なの!!」

「よく言われるわ。姉と一緒に歩いてたらどっちがお姉ちゃんなのか分かんないとかさ。可愛く見られないのよ。」
声に高校生離れした気品さを感じた。彼女は高校を卒業ばかりだそうだ

「大人っぽいってことだろ。」

「どうもありがとう。」

クロアチアの地酒と思われるボトルに貼らたラベルには”NATURA ANTUNOVIC”と書かれたいた。棚に並べられたボトルをパッっと見ると様々な色のバリエーションがあり、赤とかオレンジとか、緑とか、様々だ。

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"NATURA ANTUNOVIC"
http://www.natura-antunovic.com/en/products

「そのリキュール人気なのよね。ペリェシャツ半島のお酒よ。」
彼女の身長は170センチ前後で、茶髪をくくりポニーテールに仕立てていた。ミリタリー系のアウターとダメージジーンズを着こなし、頭の上にはサングラスをのせていた。

「ペリェシャツ半島ってどこにあるの?」
「ダルマチア南部にある半島よ。結構大きい島でね、クロアチアで二番目に大きいの。ワインなんかで有名よ。」

種類が多くて選べそうにない。
「どれが美味しいの?」と彼女に尋ねた。
「観光客さん、あなたお酒強い?」

割と強いほうと答えると、
そう、と言って棚の一番下にある在庫が収納されあ引き出しから緑色のボトルを取り出して自分の顔の横まで持ち上げた。これなんかどう?とお勧めしてくれた。

「度数は高いけど、あなた向けよ。けど、注意してね。本当にアルコール強いと思うから。」
その新品だったボトルを開けてくれて、カウンターからもってきてくれた試飲用のプラスチックカップに注いでくれた。液体の色は、白ぶどうのジュースのような白と緑が混ざった色だった。

「なんのお酒?」

「ハーブを混ぜ合わせて作ったお酒よ。」

なるほど、と思って勢いよく飲むと、喉の奥がキュッとしみた。苦手な薬の味がした。そして辛い。調子に乗って一気に飲むものではなかった。

彼女は口角を上げてゲラゲラ笑っていた。罰ゲームを受けている人を見て笑う時の笑い方だった。そんな彼女も見ていると俺も笑えてきた。彼女の頭に乗っていたサングラスが、するりと落ちた。

帰り際、記念にと彼女の写真を撮らしてもらった後、急にビールが飲みたくなったので地元住民の意見として彼女に聞いてみた。

「あのさ、この辺に夜になるとぞろぞろ若者が集まってくるような場所ってないかな。」

「クラブみたいなところ?」

「別にクラブじゃなくっていい。というより、クラブは苦手だ。」

彼女は少し考えてこう答えた。

「この街は小さいからそんなにないけど、この店を外に出て階段を降りて行ったら、ピンクのネオンが漏れてるお店があるわ。そこは結構集まるかも。バーというか、ハブね。変なお店じゃないわよ。まぁ私もそんなに詳しくないけどね。」

「そっか、どうもありがとう。お土産もね。今日の夜行ってみるよ。」

俺たちは握手して別れた。
残念ながら、自然にハグに持ち込む技術は、俺には持ち合わせていない。

外に出ると道と建物に夕日が差し込みオレンジ色に染まっていた。ホテルに一回帰って荷物を置いて、それで徘徊する準備をしようと思った。

ホテルへ続く階段を見つけ、登っていく。通りすぎる街灯はどれもまだ点いていなかった。階段沿いに構える飲食店のオーナーが店を開く準備をしているのが脇目に見えた。これからドゥブロヴニクでの夜が始まるのだ。

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