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バスは平日一日3本、電車最寄り駅まで徒歩58分

はじめまして、ガソリン生活。

なんの自慢にもならないが、吾輩は筋金入りのペーパードライバーである。
運転経験は、ほぼない。

今まで、物心ついてから住んだ家たちはどこも、駅から10分以内であった。大学時代のアパートなんて、部屋の中まで踏切の音が聞こえた。
もちろん、電車と自転車と乗換案内を駆使して今まで生きてきた。

そんなわたしが今回暮らすことになった家は、なんと最寄りのコンビニまで車で10分強。もちろん、車がないと職場にも行けないところにあった。
(ちなみに採用が決まってから知った)

電車の最寄り駅までは徒歩58分、人が歩いているところを一度しか見たことのないような歩道のない道を通って山を越えなければならない。
最寄りのバス亭は御覧の通り。平日は一日に3本、休日に至ってはもはや運休。住み始めて1か月弱経つが、まだこのバスを見かけたことはない。幻かよ。

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引っ越し前、「わたし、車は運転できないけど自転車と足腰には自信あります!!10キロなら余裕で走れて、20キロまでなら歩けます!」
と自信満々に上げた声は、
・山越えなきゃ(アップダウン激しい)問題
・北陸雨多い問題
・冬は雪降る問題

によって地元の方にあっさり却下された。生きていく自信をなくした。
そもそも、田舎は自分の足で太刀打ちできる距離感ではなかった。

車ってどうやって買うの?いくらくらいするの?
そもそもどうやって新潟県に行くの?運転できないけど・・・(免許はある)

問題は山積み。
かくかくしかじかあって、ほんとうに有難いことに知人から車を譲り受け、無事自分では運転せず新潟県までたどり着けたものの、ここからが大問題だ。

まず、車に乗ってから何をするのかがわからない。(正確には、忘れた)
なんせ、かつて前職場で上司から「トイレ行ってくるからエンジンかけて車冷やしといて」と頼まれた際、キーを挿してひねったらピーピー音が鳴ってどうしたらよいのかわからなくなり、以後キーさえ触らせてもらえなくなった前科のあるわたしである。
(もちろん、4年半一度もハンドルを握らせてもらえなかった)

なんとかシートベルトを締め、エンジンをかけ、サイドブレーキの存在やギアのアルファベットの意味をおさらいする。アクセルとブレーキの左右も。
ウィンカーに、ワイパーに、あとなんだ。
頭はパニック。

横に乗ってもらったり、先導してもらったりしながら何度か乗り、駐車の練習もして、少し慣れてきた頃に問題が発覚・・・

なんと、サイドミラーの角度がまったく合っていなかった!!!!!
(というか、運転に必死で存在にもほぼ気が付いていなかった)

それは、知人に先導してもらいながら、助手席にも人に乗ってもらい初めて街中を走ったとき。
前の車が車線変更をし、わたしもしようとしたところ・・・
「危ない!サイドミラー見た?」
と隣から聞かれた。

サイドミラー?????

その時、助手席の知人が真っ青になり、「自分からサイドミラーがよく見えるってことは、もしかして、見えてない?」と聞いてきた。

「なにが?」と答えるわたし。

種明かしをすると、わたしの住む町ではほとんど一車線のため、サイドミラーを見ることがなかったのだ。(見る余裕がなかったとも言える)

慌てて路肩に駐車し、サイドミラーを調節する。かなりずれていた。
すごい。後ろが見える。感動。

そんなこんなもありつつ、毎日少しずつ運転し、まだまだ怖いし一車線で後ろの車に抜かされたりもしながら、なんとか日々生活している。

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今ではバックで駐車もできるようにまでなった。(もちろん、広い駐車場に限る。田舎万歳)
底辺スタートだと、伸びしろしかなくてがんばれる。

だが、田舎道の運転には少しずつ慣れてきたものの、車文化にはまったく慣れない。

徒歩5分のところに車で行くのも(慣れつつあって怖い。自分の足で歩きたい)、
車を見て、「あのときここにいたでしょ!」と頻繁に言われるのも、
そもそも運転席側に乗ることすら(油断していると無意識に助手席側のドアに向かって行ってしまう)、
なかなか慣れない。

慣れないけど。
これからも、毎日少しずつ運転しながら、調子に乗らず、安全運転で、いろいろなところに車で行けるドライバーに、そういう人に、わたしはなりたい。
よろしくね、相棒。

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車生活圏内のみなさま、運転が下手くそな車を見かけるとイライラすると思いますが、必死でがんばっておりますのでどうかあたたかい心で接していただけると有難く存じます。

もう少し車の生活が馴染んだら、大好きな伊坂幸太郎さん「ガソリン生活」を再読しよう。
きっとぜったい、前回読んだ時より楽しく読めること間違いないだろう。

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