機械を使わず手作業でものを作るということ
はじめまして、紙風船作り。
突然ですが、最近紙風船に触れたという方はいるだろうか。
このご時世、あえて何かキッカケがないと、なかなか日常生活の中で手に取る機会は少ないように思う。
移住前のわたしの直近は、数年前ドイツ人の友人が来日する際の手土産として購入した時だった。
そんなわたしが移住してきたのは、日本での紙風船の製造が100%の町。
職場にも、町のいたるところにも、当たり前のように紙風船が飾られ、また販売もされている。
それも、よくある何色かのカラフルなものだけではなくて、大きさも柄もさまざま。
手のひらサイズのものから、ふくらませたら酸欠になりかけてふらついたような大きなもの、いくつも連なったものまで、また、動物の形のものや花柄、地球儀の柄など本当にいろいろある。
かわいくって、わくわくしてしまう。
関西人の血が騒ぐ、たこ焼きのモチーフまであったから感動。
そんな紙風船は、この町で、なんと手作業で作られているというのだから驚きだ。
ハンドメイド好きの血が騒ぐ。
ということで、先日、縁あって紙風船作りに初挑戦してきた。
どのように作っているのかまったく想像できなかったが、材料となる紙と、のりと、木箱に湾曲した太い針金のようなものが付いた専用の器具と、あとは熟練技さえあればできるようだった。
「おおおおおおお・・・!」
見ている分にはとても心地よく、美しい。
流れるように広がるカラフルな紙。その上を滑る刷毛。そして魔法のようにくっつき、みるみるうちに綺麗な丸い形になってゆく風船。
ものの数分で、わたしの足元にはかわいい紙風船が転がった。
「楽しそう。やってみます!がんばります!」
一見、簡単そうに見えた。だが、やってみるとどうにもこうにもうまくいかない。
あ!紙がずれた。わ!破れちゃった。のりがくっついた。乾いちゃった。
一人で大騒ぎだ。
それでも、手取り足取り、丁寧に教えてもらったら、なんとかmy紙風船は完成した。
自分で作ったと思うと、なんとも感慨深い。
少し乾かして、上下のフタを貼ったら完成、ようやく肩の力が抜けた。
とても疲れたし、細かい作業であったが、なにより少しずつコツをつかんでできるようになっていく過程がとてもおもしろく楽しかった。
かわいい紙風船もたくさんゲットできて大満足!
なんでも機械に頼ってしまうこの時代。
AIも進化し、人間が手作業で行う仕事は劇的に減っていることだろう。
でも、そんな時代に逆らうように手作業で貼る紙風船。
機械的に同じ作業を繰り返すマシーンなんかとはちがう、職人技のもつ人のぬくもりを実感した。
こんな素敵な伝統工芸がいつまでも続きますように。